9月15日まで中国・紹興市で行われた「第5回 WBSC U-23ワールドカップ」で2大会連続3回目の優勝を果たした侍ジャパンU-23代表が帰国。川口朋保監督や選手たちが、あらためて優勝の要因や今後への手応えを語った。
台風接近の影響で、搭乗を予定していた帰国便が欠航となり、1日遅い帰国となったが選手・スタッフの表情は、疲れよりも充実感に満ちていた。
今大会は開幕戦でプエルトリコに敗れたものの、その後7連勝し、決勝戦に進出。そこで再戦したプエルトリコに雪辱を果たす形での連覇となった。川口監督は「すごく嬉しいです」と笑顔で語り、ターニングポイントとして「中国戦で長久保滉成(NTT東日本)が完封してくれたこと、オーストラリア戦で逆転勝ちできたことが大きかったです」と、開幕戦に敗れた後の2試合を挙げた。
加えて川口監督は「彼の行動に対する影響力がすごく大きかったので」と主将に任命し4番打者に固定した野口泰司(NTT東日本)を中心とした結束力の高さも勝因に挙げた。「控え選手も自分たちの役割を果たして、試合に出た際には最大限に力を発揮するチーム作りを理想としているのですが、みんながそれを理解してくれました」と選手たちに感謝。野球人生初の主将を務めた野口も「チームとして動くことができました」「(チームとしての行動を大切にする)社会人野球の面白さ、凄さを感じました」と振り返った。
また、社会人代表の指揮も執る川口監督は、2026年に愛知県で開催される第20回アジア競技大会での金メダル獲得という最大目標に向けても、「課題であった打撃も、振れる選手が増えてきました」と大きな手応えがあったことを明かす。
今大会では初見の投手を相手に対しても「ファーストストライクを積極的に振っていくこと。低めのボール球に手を出さず、低めの見逃し三振はOK。ベルト付近の球をフルスイングしていこう」と掲げ、それを選手たちが遂行。積極的にチャレンジしていく姿勢を何よりも大事にし、野口が「自分たちの力を最大限に発揮していこうという野球に凄みを感じました」と話すように、今後のチーム作りにおいても、この方針は根幹となっていきそうだ。
連覇という大会結果はもちろんのこと、今後の選手たちや社会人代表の飛躍が楽しみになる大きな収穫を得て、今年のU-23代表は充実の活動を終えた。
選手コメント
髙橋隆慶(JR東日本)※最優秀守備選手
「同世代の選手が多い中で、まとまって優勝することができました。(タイトルについて)これまで守備で生きてきた人間ではないので、呼ばれて戸惑いもありました(笑)JR東日本に入って嘉数駿コーチと取り組んできたことの成果が少しは出せたかなと思います。今後の糧になる大会でした。この経験を生かして、日本選手権優勝や侍ジャパン社会人代表、プロ入りを目指していきたいです」
今里凌(日本製鉄鹿島)※ベストナイン(一塁手)
「一人ひとりが役割を全うして束になって戦うことができました。積極的に振っていく持ち味を、どんな打順でも出せました。(初見の投手との対戦ばかりだったが)振らないと分からないことがあるので、空振りはOKと積極的に打ちに行った結果が出ました。この後に行われる日本選手権でも一戦一戦、戦っていきたいですし、さらに上を目指して、また侍ジャパンに入れるよう取り組んでいきたいです」
第5回 WBSC U-23ワールドカップ
大会期間
2024年9月6日~9月15日
オープニングラウンド(グループA)
2024年9月6日(金)20:00 日本 1 - 6 プエルトリコ
2024年9月7日(土)15:30 日本 2 - 0 中国
2024年9月8日(日)20:00 オーストラリア 1 - 4 日本
2024年9月9日(月)20:00 日本 7 - 1 コロンビア
2024年9月10日(火)20:00 イギリス 1 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
スーパーラウンド
9月12日(木)20:00 日本 5 - 1 ベネズエラ
9月13日(金)15:30 ニカラグア 1 - 9 日本
9月14日(土)20:00 日本 2 - 1 韓国
決勝
9月15日(日)10:00 プエルトリコ 0 - 5 日本
開催地
中国(紹興市)
出場する国と地域
グループA
日本、オーストラリア、プエルトリコ、コロンビア、イギリス、中国
グループB
韓国、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、オランダ、ニカラグア、南アフリカ