11月8日、「侍ジャパンシリーズ2022」のオーストラリア戦を9日(19時開始予定)・10日(18時半開始予定)に控え、札幌ドームで両チームによる公式練習や記者会見が行われた。
記者会見には両チームの監督、9日の予告先発投手が出席した。この席で栗山英樹監督は9日に今永昇太(DeNA)、10日に佐々木朗希(ロッテ)が先発すると公表。両投手に対して「自分の持っているものを出してくれれば、しっかりと相手を抑えてくれると信じています」と期待を込めた。中継ぎ陣に関しては、これまで2試合(日本ハム戦、巨人戦)は投げる場面を決めていたが、オーストラリアとの2試合では通常の試合同様の流れによっての待機になる見通しを明かした。
一方、オーストラリアのデービッド・ニルソン監督(元中日)は、9日に元デトロイト・タイガースのワーウィック・ソーポルド、10日に2019年のプレミア12でアメリカに投げ勝ったティム・アサートンと、ともに国際経験が豊富な投手が先発すると公表した。 そのほか、記者会見では意気込みなどが語られた(以下、一部抜粋)。
――まず、この試合を迎えての率直なお気持ちを教えてください。
栗山「オーストラリアはこれから国内リーグのシーズンが始まるという中で来日してくださったことに感謝いたします。両チームともにしっかりと来年のWBCに向けて、しっかり準備していきたいですし、WBCでは同じグループなのでお互いにいろんなことを感じて、有意義なすごい試合になると思っています」
ニルソン「招待をしていただいたことに感謝いたします。WBCに向けての準備としても素晴らしい機会です」
――初の海外チームとの試合になりますが、どんな試合をしていきたいですか?
栗山「本当の意味でいよいよという気持ちなので、選手たちと力を合わせて最高の準備・試合ができるようにやっていきます」
ニルソン「2年間、私たちは集まって試合をする機会が無かったので、素晴らしい機会です。WBCに向けた準備をする中で、対戦相手から様々なものを学びたいです」
――WBCの1次ラウンドでは同じプールBで戦いますが、この2日間の試合はどのように位置付けてらっしゃいますか?
栗山「もちろん本番だと思って戦いますし、2004年のアテネオリンピック(の準決勝)などでも負けていますから、ここ一番の底力はすごく感じています。まずは全力で勝てるように頑張っていきます」
ニルソン「侍ジャパンは世界一のチームだと思っています。強敵から学びの機会を楽しみにしています」
――ニルソン監督はかつて日本でもプレーしていましたが、この試合で大事になるのはどのようなことでしょうか?
ニルソン「幸い数カ国でプレーする機会に恵まれました。日本はその中でも特に印象の強い国で、様々な学びや経験を得ました。監督としてのチーム作りにそれはインパクトを与えていますし、日本の野球を尊敬しています。この試合もまた特別な経験になるでしょう」
――9日はどのような投球をしていきたいですか?
今永「投手ミーティングで栗山監督から“失点することよりも全力を出さないことの方がダメなんだ”というお話をいただいたので、とにかく全力を出して素晴らしい投球ができればと思います。オーストラリア打線は以前の強化試合でも投げさせていただいたのですが、鋭いスイングとパワーのある選手が揃っているので、なるべくゴロを打たせるように低めに球を集めていきたいです」
ソーポルド「世界一のチームと対戦できることが嬉しいです。ベストを尽くしていきたいです。明日が楽しみです。元日本ハムのマイケル中村コーチのできるだけ近くに立っていろんな情報を得ようと思っていますし、彼の経験を学べることを幸運に思います」
栗山監督にとっては侍ジャパントップチームの監督として初めてとなる海外チームとの対戦。その舞台が10年間指揮を執った日本ハムの本拠地である札幌ドームでの試合ということで、「本当に感謝している。野球の神様にここでもう1度野球をやらせてもらう機会をいただいたので、しっかり来年のWBCに繋がる試合をしたいです」と意気込む栗山監督のもとで選手たちがどんな躍動を見せるのか楽しみだ。
選手コメント
佐々木朗希(ロッテ)
「ここまで準備してきたので力を発揮したいです。まずは相手打者の反応や特徴を感じながらアプローチしていければと思います。(WBC使用球について)違いは感じますが、ストレートは変わらず投げられているので、変化球を準備していきたいです」
山﨑颯一郎(オリックス)
「(巨人戦は2回無安打無失点)守備に助けられながら抑えることができて良かったです。WBC使用球は滑る感じがありました。キャッチボールから慣れるようにしています。オーストラリア戦での登板は言われていませんが準備していきます。(背番号22の意味)中学時代に付けていて好きな番号というだけです(笑)」
中野拓夢(阪神)
「(日本ハム戦はシーズン中とは異なる二塁手で出場)任されたポジションでしっかりやることもそうですし、この緊張感の中で戦うことを来季に活かせるように残り2試合もしっかりやっていきたいです。まだヒットを打てていないので、チームに貢献できるようにやっていきたいです」
甲斐拓也(ソフトバンク)
「侍ジャパンというものはやっぱり責任がありますしプレッシャーや不安もありますが、やりがいを感じています。このユニホームは何回着てもそうした重みがあります。この2試合もしっかり戦って栗山監督の野球を吸収していきたいです。勝つために自分の役割を全うできるよう準備していきます」
村上宗隆(ヤクルト)
「(2004年イチロー、13年田中将大、21年大谷翔平、侍ジャパン・稲葉篤紀前監督に次ぐ史上5人目の正力松太郎賞特別賞)名誉ある賞をいただけて光栄に思います。変わったことをせずに自分と向き合ってきました。(残り2試合に向けて)また明日からもしっかり勝てるように頑張ります」
近藤健介(日本ハム)
「(2番での起用)栗山監督から“まとまらず自分の打撃をしてくれ”と言われています。塁に出て3番・4番に繋ごうとやっています。栗山監督の野球は自分が一番理解しているので、グラウンドで体現していきたいです。“頑張って世界一になろう”と言っていただいたので選ばれるようにアピールしていきたいです」