7月7日(日本時間8日)、「第44回 日米大学野球選手権大会」(日本時間13日まで)がアメリカ・ノースカロライナ州のUSA Baseball National Training Complex内にあるコールマン・フィールドで開幕。大会20回目の優勝、アメリカ開催2回目の優勝を目指す侍ジャパン大学代表が5対2でアメリカ大学代表を下し、幸先の良いスタートを切った。






下位にも強打者が集う打線の厚みが侍ジャパン大学代表に初白星をもたらした。
試合が動いたのは2回。相手先発のライアン・ジョンソンはモーション途中から突如クイックになる変速右腕だったが、2死一塁で8番に座る進藤勇也(上武大)が初球を迷いなく振り抜くと、打球は逆方向の右中間を深々と破る二塁打となり、先制に成功した。
さらに4回、4番から始まる打順で西川史礁(青山学院大)と上田希由翔(明治大)の連続二塁打で2点目を挙げると、代わったマット・エイジャーに対しても打線が繋がる。6番・佐々木泰(青山学院大)が四球を選ぶと、7番・廣瀬隆太(慶應義塾大)が右中間への二塁打を放ち3点目。続く進藤も追い込まれながら、しぶとく投手の足元を襲うセカンドゴロを放って佐々木が生還し、点差を4点に広げた。






重圧のかかる開幕戦の先発を任された下村海翔(青山学院大)も、4回にジャック・カグリオーンに180キロを超える打球速度の特大弾丸本塁打を打たれたものの「飛ばされすぎて気持ちいいくらいでした」と笑って振り返るように平常心は崩さず。走者を何度も出しながらも、相手を上回る気迫で5回6安打1失点にまとめ、「合宿、オープン戦と最も本来の投球ができていたので」と開幕投手を託した大久保哲也監督の期待に応えた。
6回からは大型左腕の武内夏暉(國學院大)が登板。角度のあるストレートとチェンジアップなどのコンビネーションでアメリカ打線を手玉に取り、6回と7回を三者凡退に抑えて流れを渡さず。
8回に四球と暴投、ボークから犠牲フライを許し、点差を2点に縮められたが、すぐさま9回表に廣瀬が打った瞬間に分かる本塁打を放ってダメ押し。9回は武内が先頭打者にこそ安打を許したものの、後続を併殺と空振り三振に抑えて試合終了。攻守が噛み合う理想の展開で初戦をモノにした。
第2戦もコールマン・フィールドで行われ、日本時間9日朝7時開始予定。試合後、大久保監督が「あと2つ勝つよ。気を緩めちゃいかんぞ」と選手たちに発破をかけたように、この勢いで連勝を目指し、一気に優勝へ王手をかけたいところだ。
監督・選手コメント
大久保哲也監督
「初戦を取れたのは大きいです。下村が彼本来のストレートの威力や伸び・キレ、手元での強さを見せてくれました。進藤や廣瀬の一打も大きかったですね。ずっと調子の良かった武内が今日も良かったので最後まで行ってもらいました。明日先発の草加勝(亜細亜大)も普段通りの投球をしてくれたらと思います」
進藤勇也(上武大)
「(先制タイムリー)状態があまり良くなかったので初球から積極的にいきました。(4点目のセカンドゴロ)追い込まれていたので三振だけはしないようにゴロを打ちました。(カグリオーンの本塁打)あんな打球を見たのは初めて。こんな環境で野球ができていることが嬉しいです」
廣瀬隆太(慶應義塾大)
「(本塁打の場面)打ったのはスライダーです。高めを狙っていて、良いところに来たので打ちました。ここまで調子はそんなに良くはなかったのですが、今日でいい感じになればいいなと思います。(7番での起用)これまでの記憶にはないですが打順は関係なく自分の打撃をするだけです。指名打者もより打撃に集中できるので好きですね」
下村海翔(青山学院大)
「初戦の先発は平塚の直前合宿で伝えられました。迷惑をかけたくなかったので勝てて良かったです。(ピンチは招いたが)後先のことは考えずに気合いで抑えました。得意のカットボールだけでなく、持ち球全部で三振が奪えたので自信になります」
武内夏暉(國學院大)
「特にストレートとチェンジアップが良かったです。オープン戦から調子が良く国際大会での使用球も気にならず、いつも通りに投げることができて結果に繋がりました」