7月9日(日本時間10日)、「第44回 日米大学野球選手権大会」(日本時間13日まで)の第3戦がアメリカ・ノースカロライナ州のUSA Baseball National Training Complex内にあるコールマン・フィールドで行われた。
第2戦に続き試合前に雨が降り、試合開始こそ遅れなかったものの、この日はシートノック無しで試合に入った。
先発のマウンドに上がったのは今春の全日本大学野球選手権決勝で完封勝利をやってのけた常廣羽也斗(青山学院大)。序盤から力強いストレートにフォーク、カーブを効果的に織り交ぜて快調に飛ばしていく。2回には、一塁走者の上田希由翔(明治大)の首に牽制球が直撃し負傷、救急搬送されるまでに約40分の中断があったが、常廣はペースを乱すことなく3回まで4三振を奪う。
だが4回、四球と安打で1死一、三塁のピンチを招くと、ジェイス・ラヴィオレットの当たりはセカンドゴロに。これで併殺を狙いにいったが、わずかに一塁はラヴィオレットの足の方が速く、三塁走者が生還。先制点を許した。それでも常廣は動揺することなく6回途中まで最少失点のみに抑えて試合を作った。
ところが打線はルーク・ホルマンの長身から投げ下ろされる150キロ前後のストレートと変化球のコンビネーションに苦しめられ5回まで10三振を喫した。6回には代わったベン・エイベルトから先頭の天井一輝(亜細亜大)がセンター前安打を放ち暴投で二塁まで進むが、捕手のライアン・スタフォードの牽制球で際どいタイミングながら刺されてしまい、その後2者が出るも、上田に代わり途中出場の宮下朝陽(東洋大)が追い込まれてから放った鋭い当たりが右翼手の正面に飛んで得点を奪えず。
逆に中継ぎ陣が7回と8回に計4点を失い引き離されると、最後はブランドン・ニーリーに締められ、計4安打で完封負けを喫した。
王手をかけられ逆襲を始めたい侍ジャパン大学代表。次の開催地となるサウスカロライナ州への移動日を挟み、日本時間12日7時半からジョゼフ P. ライリー, Jr. パークにて行われる第4戦で巻き返しを狙う。
監督・選手コメント
大久保哲也監督
「常廣は期待通りの投球をしてくれました。球数に加えて左打者を迎えたので代えました。打者がアメリカの投手に対して高めのボール球をかなり振ってしまっています。150キロを超える中ですが見極めていくことが課題となります」
常廣羽也斗(青山学院大)
「ストレートが途中から弱くなってしまいましたし、完投を目指していたので、あのタイミングでの降板は悔しいです。カーブ、フォークをストライクゾーンに集めて投げることを意識しました。失点の場面は四球で出した走者が生還したので自分のせいです。アメリカのボールやマウンドに違和感はありませんし、ストレートはもっと良くなると思うので次投げるまでにしっかり準備していきたいです」
中島大輔(青山学院大)
「悔しい結果です。常廣が頑張ってくれている中で打線が援護できませんでした。日本の投手とは違う軌道で、高めのストレートや低めの変化球を振らされてしまっています。雰囲気は悪くないので1日空くことをプラスにしていきたいです」
宗山塁(明治大)
「チャンスというよりチャンスを作る場面で回ってきたので、結果として2安打は良かったのですが、そこからチームとして攻略できなかったことが課題です。ストレートの球威や伸びを昨日感じたので、練習からコンパクトに振っていったので今日の結果に繋がったかと思います」