9月16日、「カーネクスト presents 第9回 WBSC女子野球ワールドカップ・グループB」の第4戦が広島県の三次きんさいスタジアムで行われ、侍ジャパン女子代表は同じく3勝0敗のチャイニーズ・タイペイと対戦。
2409人の観衆から大声援が送られる中で2対0と勝利し、残り1試合を残して2024年にカナダで開催される「カーネクスト presents 第9回 WBSC 女子野球ワールドカップ ファイナルステージ」への進出を決めた。
初戦のプエルトリコ戦は先制を許し、第3戦のベネズエラ戦は逆転によるサヨナラ勝ちと苦戦を強いられたが、ファイナルステージ進出をかけたチャイニーズ・タイペイ戦は僅差ながら盤石の戦いを繰り広げた。
プエルトリコ戦に続く先発となった小野寺佳奈(読売ジャイアンツ)は「前回は打たれないか不安に思って投げてしまったのですが、今日は“このボールを打ってみろ”という気持ちで投げました」と振り返ったように、強気の投球で相手を打ち取っていった。また、合宿時から練習を重ねてきたフィールディングでも、2回のバント処理で併殺を完成させて自らを助けた。
こうして守備でしっかりとリズムを作り、打線も3回に2死から2番の三浦伊織(阪神タイガースWomen)が内野安打で出塁すると、続く川端友紀(九州ハニーズ)の打席間に盗塁を決めて二塁へ。このチャンスに川端が「積極的にいこうと思いました」と追い込まれてからの変化球を振り抜いてレフト前に落とし、三浦が俊足を飛ばして一気に本塁へ生還。ともに5大会連続出場となる経験豊富な2人で先制点を挙げた。
さらに4回にも星川あかり(淡路BRAVE OCEANS)が四球で出塁し、只埜榛奈(東海NEXUS)が犠打をしっかり決めて星川が二塁へ進むと、2死から遊撃守備でも貢献の大きい岩見香枝(埼玉西武ライオンズ・レディース)がレフト前に運んで星川が生還。貴重な2点目を得た。
今日の小野寺には、この2点で十分だった。中盤以降も安定した投球を続け、牽制でも一塁走者を刺すなど相手に反撃の隙を与えず。中島梨紗監督も「自分の球を投げれば打たれないという気持ちで、自信と余裕を持って投げている」と絶賛した投球を続け4安打無四球完封。成長著しい21歳の小野寺が大舞台で見事に真価を見せた。
グループラウンド最終戦となる第5戦は17日に三次きんさいスタジアムで18時半からキューバと対戦。グループラウンド突破は決めたが、今大会の目標は「全勝」。また、川端が「どんな時も諦めず、みんなが1つになって1球を追いかけるという姿を明日も見せたいです」と話したように、貴重な日本開催で女子野球の魅力を最後まで全力で発信する。
監督・選手コメント
中島梨紗監督
「小野寺がテンポ良く抑えていたので安心して見ることができました。タイムリーによって先制できたことも大きかったです。若手・中堅・ベテランの選手がそれぞれ力を発揮してくれています。こんな大勢のお客さんの前でプレーすることが無い中で、スキルの高さなど“女子野球でもここまでできるんだ”ということを見せられたと思います」
小野寺佳奈(読売ジャイアンツ)
「強い相手に対して勝ててホッとしています。今日は四球を出さずにゼロで抑えることができて良かったです。前回よりも緊張したのですが楽しみながら投げることができました。“頑張れ”の声がすごく力になりましたし、人生で初めてくらいの大観衆の中で投げることができて嬉しかったです」
川端友紀(九州ハニーズ)
「まずはファイナルステージの切符を取ることが目標だったのでホッとしています。大事な試合でしたが、いつも通り試合に入って目の前のワンプレーに全員で向かっていきました。初日からワンプレーごとにすごい歓声を送っていただき力になっています。これだけの観衆でできることは少ないので、すごく嬉しいです」
岩見香枝(埼玉西武ライオンズ・レディース)
「前の打席も同じ場面で結果を出せなかったので何がなんでも打とうと思いました。体重移動が遅れて、後ろに体重が残った打撃が続いていたのですが修正することができました。守備でも打球がよく飛んで来たのでリズムが生まれて打撃にも繋がりました。明日も気を緩めることなく戦います」