9月17日、「カーネクスト presents 第9回 WBSC女子野球ワールドカップ・グループB」の最終戦となる第5戦が広島県の三次きんさいスタジアムで行われ、侍ジャパン女子代表はキューバと対戦しコールド勝ち。5戦全勝で日本開催のグループステージを終えた。
無傷の4連勝で「カーネクスト presents 第9回WBSC女子野球ワールドカップ ファイナルステージ」(2024年にカナダで開催)への進出を決めていた侍ジャパン女子代表ではあったが、集まった2758人の観衆の前でひたむきなプレーを見せた。
中島梨紗監督が「課題の克服ということをテーマにしていたので、選手たちは集中していました」と振り返ったように、初回から積極的な攻撃を見せる。
今大会初めてスタメンで起用された小島也弥(九州ハニーズ)が死球で出塁すると、すかさず盗塁に成功。この後、三浦伊織(阪神タイガースWomen)と川端友紀(九州ハニーズ)の連打で先制すると、相手のミスもあり、いきなり3点の先制に成功した。
先発のマウンドに上がったのは、第3戦のベネズエラ戦で3回に4失点を喫し、サヨナラ勝ちに涙を流した田中露朝(ZENKO BEAMS)。「(木戸克彦ヘッドコーチから)今日は相手が突っ込んだ打ち方をしているのでカーブが有効と伝えられていました」と、サイドハンドからの力強いストレートとカーブの緩急で相手打線を抑えていく。
また「たとえボールが続いても今日は攻めていこうという気持ちで投げました」と、強気な投球で3回を1安打1四球4奪三振に抑えて前回登板の雪辱を果たした。
打線は2回以降も小島のタイムリーや犠飛、川端の走者一掃の三塁打、岩見香枝(埼玉西武ライオンズ・レディース)の三塁打、星川あかり(淡路BRAVE OCEANS)のセンター前安打で着実に得点を重ねていった。
投手陣は2番手以降の堀田ありさ(東海NEXUS)、泰美勝(ZENKO BEAMS)、里綾実(埼玉西武ライオンズ・レディース)が無安打で繋いでいき、10対0の6回コールド勝ちを収めた。
中島監督は田中露朝について「前回は自分の緊張と戦っていましたが、今日は試合に集中していました」と前回からの成長を語った。一方で投手リーダーも任せているだけに「まだまだやって欲しいことはたくさんありますが、ちょっとずつ成長してくれればと思います」と笑みを浮かべながら、さらなる成長に期待をかけた。
最後まで欠かさなかった集中力と、投手陣の柱の1人である田中露朝の復調という理想的な展開で最終戦を締め、7連覇をかけて行われる来年のファイナルラウンドへ弾みをつけた。
選手コメント
小島也弥(九州ハニーズ)
「チームが勝てていたことは嬉しかったですし、やれることを全力でやっていましたが、試合に最初から出られず悔しい思いもしていました。中島監督から“全球楽しんできて”と言われていたので、そのことだけを意識して試合に臨みました。スピードを生かすためにも、もっともっと出塁できるようにしていきたいです」
岩見香枝(埼玉西武ライオンズ・レディース)
「こんなに多くのお客さんの前でプレーさせていただいたのは女子プロ野球以来、久々だったので感謝しています。大歓声は心に響いて、とても気持ちよかったので練習をやってきて良かったなと思いました。この大会を通じて、もっともっと日本から世界に女子野球を広げるため活動やレベルアップをしていきたいです」