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試合レポート

松下歩叶の逆転2ランや藤井優矢の好救援で2大会ぶりにハーレムベースボールウィークを制す

2024年7月20日

 7月19日(日本時間20日)、「第31回 ハーレムベースボールウィーク」(オランダ・ハーレム)の決勝が行われ、侍ジャパン大学代表はNJCAA(全米短期大学体育協会)の選抜選手で構成されたアメリカと対戦。「第43回 プラハベースボールウィーク」(7月6日から9日までチェコ・プラハ)から10連勝し迎えた欧州遠征の集大成となった試合を10対4で制し、2018年の第29回大会以来となる2大会ぶりの優勝を決めた。

 一時逆転を許す苦しい展開となったが、攻守で粘り強さと集中力の高さを見せて頂点に立った。
 試合は初回から動いた。堀井哲也監督が「中村が今年の日本のエースですから、彼で勝負したくて先発に起用しました」と、今回の遠征で初先発に抜てきされた中村優斗(愛知工業大)が2三振を含む三者凡退でリズムを作る。
 すると、その裏に打線がすぐさま応える。先頭の飯山志夢(立正大)が俊足を生かして内野安打で出塁し、渡部聖弥(大阪商業大)の内野安打と相手の悪送球でチャンスを広げると、5試合連続で4番を任された小島大河(明治大)がセンター前安打を放って2者が生還。さらに柳舘憲吾(國學院大)の犠飛で、初回から3点の先制に成功した。
 だが準決勝で優勝候補の地元・オランダを下し勢いに乗るアメリカ打線も強打を見せる。2回にタイムリーと併殺崩れの間に2点を返すと、5回にはジェイク・ムンローが中村の甘く入ったストレートを見逃さず、レフトフェンスを大きく越える豪快な2ラン。侍ジャパン大学代表は逆転を許した。

 それでもここからが今回のチームの真骨頂だった。6回に篠木健太郎(法政大)が走者を出しながらも無失点に抑えると、その裏に先頭の柳舘がレフト前安打で出塁。ここで、松下歩叶(法政大)が4回から登板し好投していた左腕ジョーダン・ハスキーの膝下に入ってくるスライダーを上手くとらえると打球はグングンと伸び、起死回生となる逆転2ランに。
 これで一気に流れが傾くと、その後も山縣秀(早稲田大)と西川史礁(青山学院大)のライト前へのタイムリー、渡部のセンター前への2点タイムリーで、この回一挙6点を挙げた。
 さらに8回には飯山がレフト前安打で出塁すると、渡部がレフト線への痛烈な当たりの二塁打を放ち、飯山が俊足を飛ばして一気に本塁へ生還しダメ押しの10点目を挙げた。

 7回から登板した3番手の藤井優矢(東日本国際大)は毎回走者を許しながらも力強いストレートを軸にした投球でアメリカ打線を抑え込んでいき、最後は球速148キロのストレートで空振り三振を奪い試合終了。藤井を中心に歓喜の輪ができ、全員で喜びを分かち合い、地元・オランダの試合でないにもかかわらず超満員となったスタンドから大きな拍手と歓声が送られた。

 これで今回の欧州遠征を11連勝の無敗で終えた侍ジャパン大学代表。楽な試合展開は少なく、14日間で11試合というタフな日程だったが、それぞれが力を発揮し、日替わりでヒーローが生まれ、最高の結果を手にした。

監督・選手コメント

堀井哲也監督

「嬉しいですしホッとしています。選手たちが凄いなと思いました。選手が納得する選手起用をすれば、結果が出てくるのだと勉強になりました。“ベースボールを学んで野球で戦う”ということがテーマでした。いろんな経験をする中で日本の野球の良さ・凄さを感じたでしょうし、世界の良いところを学んだと思います。彼らの今後の野球人生の糧にしていって欲しいです」

松下歩叶(法政大)

「2ストライクと追い込まれていたので繋ぐ意識で強く打とうと思いました。スライダーに上手く反応することができました。なかなか結果を出すことができなかった中で、堀井監督の起用や指導など様々な方に感謝したいです。日本の野球とは違う雰囲気の中で、新しい野球を知ることができ素晴らしい経験ができました。チームに持ち帰って還元していき、法政大で優勝できるように頑張っていきたいです」

藤井優矢(東日本国際大)

「胴上げ投手は大学でも無く初めてです。みんなが集まってきて痛かったです(笑)選出当初は大学選手権の疲れも残っていて不安でしたが、国際大会使用球にも慣れていき、こうした結果になって嬉しいです。観客の方の声援もすごくて、周りを見られる状態で投げることができました」

印出太一(早稲田大)※主将

「負けることなく優勝できて、感謝の気持ちでいっぱいです。固い守備から確実に得点を奪う日本の野球ができました。直前合宿でU-23代表候補の皆さんと試合して連敗したことが良いきっかけとなりました。ここに居られることが当たり前ではないので感謝して、自覚して秋のリーグに備えたいです」

第31回 ハーレムベースボールウィーク

大会概要 出場選手

大会期間

2024年7月12日~7月19日

オープニングラウンド
2024年7月12日(金)22:30 チャイニーズ・タイペイ(雨天順延)日本
2024年7月13日(土)23:15 アメリカ 5 - 9 日本
2024年7月15日(月)2:30 日本 5 - 4 スペイン
2024年7月15日(月)18:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 2 日本
2024年7月16日(火)22:30 イタリア 2 - 8 日本
2024年7月18日(木)2:30 日本 5 - 1 オランダ
※開始時刻は日本時間(オランダ:時差-7時間)

準決勝
2024年7月18日(木)22:30 日本 8 - 0 チャイニーズ・タイペイ
2024年7月19日(金)2:30 オランダ 1 - 2 アメリカ
※開始時刻は日本時間(オランダ:時差-7時間)

決勝
2024年7月20日(土)2:30 日本 10 - 4 アメリカ
※開始時刻は日本時間(オランダ:時差-7時間)

開催地

オランダ(ハーレム)

出場する国と地域

日本、アメリカ、チャイニーズ・タイペイ、オランダ、イタリア、スペイン

第43回 プラハベースボールウィーク

大会概要 出場選手

大会期間

2024年7月6日~7月9日

グループA
2024年7月6日(土)21:30 ドイツ 3 - 7 日本
2024年7月7日(日)21:30 日本 3 - 2 チャイニーズ・タイペイ
2024年7月9日(火)2:00 日本 9 - 3 チェコ
※開始時刻は日本時間(チェコ:時差-7時間)

決勝
2024年7月10日(水)2:00 日本 5 - 3 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(チェコ:時差-7時間)

開催地

チェコ(プラハ)

出場する国と地域

グループA
日本、チャイニーズ・タイペイ、チェコ、ドイツ
グループB
オーストリア、ギリシャ、ハンガリー、スロバキア、リトアニア

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