11月8日~10日に行われたBASEBALL CHALLENGE 2013をチームの集合から解散まで1日ごとに振り返ります。
選手たちも驚いたチャイニーズ・タイペイファンの熱狂的応援
「完全にアウェーだったよなぁ」
「マイクを使った応援にはびっくりした」
第2戦の試合開始前の新荘球場。ベンチでは、前日のチャイニーズ・タイペイファンの熱烈な応援スタイルについての感想を数名の選手たちが述べ合っているシーンに遭遇した。前日の試合は、音の大部分が遮断されたバックネット裏の一室におり、スタンドの応援の様子ははっきりとはつかめなかったがロッカールームで立ち話をした大瀬良大地投手に「そんなにすごかったんですか?」と尋ねたところ、「自分が今まで経験してきた国際試合の球場の雰囲気とは比べ物にならない程、すごかったです。想像以上でした」という興味深い答えが返ってきた。
試合開始直前、ベンチ前で円陣が組まれた。前日のゲーム前に比べると、選手たちの表情が柔らかく、リラックスしている様子が感じ取れる。初戦の逆転勝利がもたらした、いい雰囲気であることは間違いない。輪の中心にいる銀次選手が威勢よく叫んだ。
「さぁ、元気出していきましょう!」
陽岱鋼の打席で球場のボルテージは最高潮に!
19時05分、第2戦目のプレーボールがかかった。
この日は土曜日ということもあり、発表された観衆は前日よりも2500人ほど多い9752人。目視ではスタンドはぎっしり埋まっているように見えた。
選手たちが試合前に話していたように、球場に訪れたファンのほぼ全員がチャイニーズ・タイペイを応援しているかのような光景がスタンドには広がっていた。チャイニーズ・タイペイの選手がヒットで出塁しようものなら、球場全体はたちまちお祭り騒ぎ。北海道日本ハムの陽岱鋼に打席が回ってくると、球場の声援はひときわ大きくなる。
よく見ると一人の男性がマイクを通じ、球場中に響く大音量で声援を送っていた。そしてスタンドのファンは男性に少し遅れる形で、マイクで叫ばれたのと同じ言葉を叫んでいる。マイクを握った一人の男性が見事なまでに球場の応援を仕切っていることには驚いたが、なんといってもマイクを使用しているという事実に一番驚いた。選手たちが試合前に話題にするのも無理はないと思った。スタンドの熱気を見ていると「ひょっとして今日はWBCの本戦なのか!?」という錯覚に陥りそうになる。
球場では、ユニホームやタオルなど、侍ジャパンの公式グッズが販売されていたが、現地の方が買い求めている姿が頻繁に見られ、なかなかの盛況ぶりだった。
初戦に続く逆転勝利で2連勝!
試合は初回に陽岱鋼にいきなり先制ソロを浴びるも、2回に5本の長短打を連ね、一気に逆転。松永昂大(千葉ロッテ)が最終回に二死満塁のピンチを招くも、後続を断ち、初戦に続いて4-2で勝利を収めた。
一戦目の試合後の光景と同じように「ナイスゲーム!」と連呼しながらの勝利のハイタッチ行進がベンチ前、そしてベンチ内で繰り広げられた。冷や汗ものの最終回を結果的に演じた松永が「今日の台湾のスポーツニュース、日本選手で一番映ってるのは間違いなくぼくでしょ!」と周囲を笑わせる。チームのムードは非常にいい。
いよいよ明日10日は最終戦。狙うは3タテしかない。
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