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試合レポート

チャイニーズ・タイペイ戦 ドキュメント
【11月10日】チームはひとつに!強化試合3連勝

2013年12月26日トップ

チャイニーズ・タイペイ戦 ドキュメント 【11月10日】チームはひとつに!強化試合3連勝

11月8日~10日に行われたBASEBALL CHALLENGE 2013をチームの集合から解散まで1日ごとに振り返ります。

日を追うごとに増していった結束力

「チームの雰囲気はものすごくいいですね」

「雰囲気が素晴らしいですよ」

「想像していた以上にやりやすい環境です」

舞台を天母球場に移した第3戦の試合前。ベンチやロッカールームで選手たちに「ここまでを振り返って」という質問をぶつけたところ、まっさきに選手たちから返ってきたのは冒頭のようなコメントだった。しかし、それは納得の答えだった。日を追うごとにチームがひとつになっているのが伝わってくる。結成してからわずか6日目のチームとは思えぬほどの結束力だ。
緊張感は保ちつつもリラックスできている。勝利を目指す組織としては理想に近い精神状態で侍ナインたちは試合に臨めているような気がした。

松葉貴大(オリックス)がこんなことを言っていた。

「キャプテンの嶋さんが、召集日にみんなの前で『かたくるしい、変な意味での上下関係はつくらんとこう』みたいなことを言ってくれたんですよ。あの言葉のおかげですごく気持ちが楽になりましたし、今のチームのいい雰囲気につながったと思うんです。ほんとにありがたかったです」

嶋の言葉が大きかったと語る選手は松葉以外にも多く聞かれた。特に合流初日に不安と緊張を隠せなかったアマチュア組にとっては、プロとの距離を一気に縮めてくれた、嬉しい言葉だったようだ。

3連勝、そして解団式

8081人の観客が足を運んだ強化試合最終戦。日本代表は、3回に岡島豪郎(東北楽天)の右前タイムリーで挙げた1点を三嶋一輝(横浜DeNA)、松葉貴大(オリックス)、井納翔一(横浜DeNA)、益田直也(千葉ロッテ)の投手リレーで守り抜き、1対0のシャットアウト勝利。チームの合言葉だった「強化試合3連勝」を見事に果たした。

試合終了後、小久保裕紀監督、コーチ陣、選手、裏方スタッフ全員が、球場内の一室に集結し、解団式が執り行われた。

小久保監督の言葉に全員が耳を傾ける。

「右も左もわからない新米監督の下、懸命に戦ってくれたこと嬉しく思います、その結果、3連勝という最高の結果で締めくくることができました。みなさんの頑張りに敬意を表したいです。強化試合だったとはいえ、国の代表という立場の重みを各個人が少なからず、感じられたんじゃないかと思います。その思いを日本に持ち帰り、今後の自分の成長につなげていってほしいと思います」

暫しの間があった。小久保監督は自らのお尻のポケットから硬式ボールをひとつ取り出した。

「バッティング投手の平松省二さんからは口止めされていたのですが…。実は今回、日本から台湾へ移動する日に平松さんのお父様が亡くなられています。しかし侍ジャパンの裏方の仕事を優先し、この遠征に同行してくれました。平松さん、本当にありがとうございました。ぼくが今、持っている今日の試合のウィニングボール、平松さんにもらっていただきたいと思うのですが、みなさんよろしいでしょうか?」

「はい!」

大粒の涙を流しながら小久保監督から手渡されたウィニングボールを受け取った平松打撃投手。
部屋いっぱいに大きな拍手が鳴り響く。

小久保監督は続けた。

「いったんこのユニホームからは離れますが、みなさんの中で、最終的には2017年のWBCに向け、ここにいるメンバーが中心になるんだ! という強い思いを各個人が持ちながら、自分の所属するチームに戻ってもらいたい。みなさん、本当にお疲れ様でした!」

「ありがとうございました!」

解団式後、戦いを終えた男たちによる握手の輪が広がった。3連勝を成し遂げたことで生まれた安堵の表情と、別れを惜しむかのような表情が入り混じる。

何人もの選手が名残惜しそうに言った。「もっとこのチームでやりたいですよ…!」

翌11日は移動日。貴重な経験を積んだ初代侍ジャパンが帰国の途に就く。

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