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本年度最後の野球指導者スキルアップ講習会を新潟で開催

2015年2月7日

小中学生の野球指導者を対象に、正しい知識と指導法などを学んでもらう「野球指導者スキルアップ講習会」。2月7日(土)、神戸、札幌に続く、第3回目の講習会が新潟市のHARD OFF ECOスタジアム新潟で開催され、県内外から多くの指導者が集結した。

午前中に行われた座学では、日本野球機構医事委員で2006、2009、2013WBC日本代表チームドクター・渡辺幹彦氏が、重大事故のリスクや対応、事故防止のための環境整備の大切さなどを具体例を上げながら紹介。また小中学生の体の特徴や、注意すべき点を分かりやすくまとめ、「漠然と数をこなす練習ではなく、質のいい練習がケガの予防にもつながる」と参加者に説いた。

続いて、侍ジャパン公式栄養サポートパートナーである株式会社明治の管理栄養士で、2014侍ジャパンの18Uを担当した管理栄養士の柴田麗氏は、野球選手に必要な5大栄養と食事について説明。
「食事は全てのパフォーマンスの土台。5大栄養素を取り入れた栄養フルコースを心掛け習慣化すること、食事をトレーニングの一環として、内蔵を鍛えることが大切です。また練習中の水分補給も、こまめにしてください」と、食事と水分補給の重要性を説いた。

昼休憩を挟んで午後からは実技講習。
走塁の講師としてマイクを持った仁志敏久氏(侍ジャパントップチーム内野守備・走塁コーチ/12U代表監督)は、「一塁ベースはどちらの足で踏んでも大丈夫。打った後、(一塁ベース上の)自分が踏むべきところから目を離さなければ、自然と足(の歩数やストローク)が合ってくる」とレクチャー。また、リードや各塁での走塁の仕方、スライディングなどの注意点を簡潔に説明した。続く、キャッチボールの指導では、仁志氏が捕球を解説しながら、鹿取義隆氏(侍ジャパンテクニカルディレクター/侍ジャパントップチーム投手コーチ/15U代表監督)と実演。その後、参加者の代表数名が、実際に鹿取氏とキャッチボール。
「手で捕るのではなく、フットワークを使って足で捕る。すっと前に出て一歩前で捕る」と仁志氏からアドバイスを受けた。

走塁、キャッチボールの講習を終えると、ここからは4つの班に分かれ、少人数で各ポジション別の守備講習。投手指導の鹿取氏は、ボールの握り方と正しいフォームを説明。フォームを、テイクバック、トップ、リリースなどいくつかの項目に分け、「上げた足は軸足に近づけ、骨盤を動かす感覚」などを指導。参加者から次々に寄せられる質問にも的確にアドバイスを送った。

捕手は、2006年WBC日本代表などで代表歴のある里崎智也氏(元千葉ロッテ)が指導。ケガ防止のための柔軟性の大切さや、「捕ってからミットを動かすのではなく、ミットを動かしながら外側から捕る」というキャッチングの極意や、構え、盗塁の際のスローイングなど、自身の経験を交えながら分かりやすくキャッチャーとしての極意を参加者に伝えた。

内野手は、現役時代名手と言われた仁志氏が担当。
「守備はスタート、追う、捕る、投げるという一連の流れがスムーズに行くことが大切」と述べる一方、「『こうしなさい』というのではなく、『こういう感じ』というように子どもたちに言ってあげると、変に力まずに自分の中でやり方の可能性が広がる。その中で自分に合った動きを見つけることが大事なんです」と、子どもたちが自分でやり方を考えていく指導法を提案。集まった参加者も感心していた。

外野手の指導は、元三菱ふそう川崎で活躍し、シドニー五輪日本代表などの代表歴を持つ梶山義彦氏。梶山氏は、 「内野手のようなガッチリとした構えはいらない。体を少し斜めにゆったりと構えて動く。テニスのサーブを受けるようなイメージ」と、準備の大切さを説き、フライ、ゴロの捕り方、スローイングの仕方についても、社会人日本代表として培ってきた技術を惜しみなく伝えた。

再び全員が集まり行われた打撃講習は、仁志氏、里崎氏が担当。仁志氏が、子どもにありがちな「バッターボックスでつま先を開かない」という注意点を伝えた。また、参加者に実際にトスバッティングを打ってもらい、それを見て2人がアドバイスを送り、最後は両氏で、バントのやり方、注意点を説明した。

最後に、閉幕式では、講師4名が挨拶。仁志氏は、
「指導者には、知識、経験、表現力の3つが必要。本を読んで分かった気になるのではなく、得た知識を自分でやってみて、経験として子どもたちに伝えていってほしい」と話した。
この日をもって、今年度の「野球指導者スキルアップ講習会」は終了。
来年度以降も定期的に開催し、正しい知識を持った指導者育成をサポートすることで、日本野球のレベルアップにつなげていきたい。

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