9月に韓国で開催されるWBSC第7回女子野球ワールドカップに向けた代表選手選考が、2月27日、千葉県のJR東日本野球部グラウンドにて開催された。トライアウトは2日間にかけて行われ、明日28日の練習試合後に、代表メンバー25名が発表される。 この日集まったのは、書類選考を突破した64名。年齢は15歳から38歳までと幅広く、さらに、学生からクラブチーム、独立リーガーまで、プレー環境も様々。それでも、今年は大会5連覇がかかっているだけに、選手たちの代表入りにかける思いは強い。
この日、トライアウトの開催にあたり侍ジャパン女子野球の大倉孝一代表監督は、
「今日集まったメンバーは日本でもトップクラスなのはわかっている。その中から25名を選ぶのだから、見てもらうという気持ちは即刻捨て、見せてやるという気持ちで挑んでほしい」と話した。続けて気になる選考の基準にも触れ、
「単に球速が速い、打球が飛ぶ、ヒットを打った、というだけでは選ばない。適切な声を出せたり、状況に応じた考えたプレーが出来るか、というところを2日間でしっかり見たい。だから持っているものを言葉や表情でも遠慮なく出してほしい」と檄を飛ばし、トライアウトがスタートした。
まずはキャッチボール。「2日間でしっかり見る」と語った大倉監督は、選手一人ひとりに対し、声を掛けていく。さらには、選考委員も含めて、選手の状態をチェック。
参加した選手たちは、やや緊張の面持ちの中、次はノックが始まる。ボールが回り始めると、選手たちはようやく、固さが取れた表情に。続いてフリーバッティング。それと並行してバントも行われ、選手たちの技量が細部まで試されていった。
最後は、ピッチャーがマウンドに上がってのシートバッティング。実戦さながらの緊張感の中、選手たちはそれぞれに自分の長所をアピールしていく。
攻めの走りを見せる選手や、積極的なバッティングで快音を響かせる選手。さらに、冷静なグラブさばきを見せるなど、たとえ失敗をしても選手たちは、チャレンジを続ける姿勢が目立った。
それでも、トライアウト1日目のメニューが終了した後、清水稔コーチからは「もっと自分の持ち味を出してほしい」と要望が出た。大倉監督も「やや緊張していたかな」とコメント。それでも、この日は独特の緊張感の中ではあったが、時間が経つごとに、選手同士で若手の選手を気遣ったり、緊張している選手に声をかけ笑い合うといったシーンも多くみられた。
トライアウト2日目は、練習試合が行われるが、どれだけ自分の力を出し切り、最後までアピールすることができるかがポイント。合格者の発表は、練習試合終了後に行われる。限られた侍ジャパン女子野球の代表メンバーの枠をかけて、64名の参加者たちはトライアウト最終日に臨む。