全国各地のリーグ戦を勝ち抜いた27の代表校が大学日本一をかけて戦う第65回全日本大学野球選手権記念大会が、神宮球場と東京ドームで6日に開幕。
1回戦7試合が行われ、大会初日から侍ジャパン大学日本代表選考合宿(6月17日から19日・バッティングパレス相石スタジアムひらつか)の参加メンバーに選出された選手たちが活躍を遂げた。
華麗な守備を連発した吉川
ドラフト1位候補に挙がる中京学院大・吉川尚輝内野手(4年)が開幕戦から躍動した。同大として、そして自身の野球人生でも初となる全国大会出場となった吉川は「鳥肌が立ち、試合が始まってからも興奮している状態でした」と全国大会特有の緊張感を肌で感じていたという。
だが、初回の1死三塁の場面で打席が回ると、センターの頭を越える先制タイムリー三塁打を放つ。これで気持ちが楽になったのか、その後は守備で好守を連発し、視察した某プロ球団スカウトも「上手いね。守備について言うことはないですよ」と絶賛した。チームも吉川と山崎善隆捕手(4年)のタイムリーで初回に奪った2点を、エース左腕の栁川優太投手(4年)が完封で守り、2-0で初陣を飾った。
天才肌の打撃で猛打賞
50m5秒8の俊足、指導する立命館大・後藤昇監督に「天才肌」と言わしめる打撃、そして遠投120mと走攻守で高いポテンシャルを誇る立命館大・辰巳涼介外野手(2年)は、東日本国際大戦で4打数3安打1打点の活躍で8-2の快勝に貢献した。
1年生だった昨年から主軸を担っていたが、今春は「(昨年から試合に出ていたので)相手の練ってきた対策にどう対応しようかなど考えすぎてしまいました」と振り返るように、打率.263に終わった。
だが、その走攻守三拍子揃った潜在能力を見込まれ、「まさかだった」と本人が振り返る代表候補入りを果たした。
この思わぬ朗報に加え「リーグ戦ではなく、全国大会はトーナメントなので、個人成績は気にせずに思いきりやっていこう」と心機一転。リーグ戦の不調が嘘かのような会心のスタートを切った。
北の長距離砲も猛打賞発進
環太平洋大に4-3と競り勝った東海大北海道キャンパスは、主砲の伊藤諄内野手(4年)が得点にこそ直接結びつかなかったものの、猛打賞を放った。
初回のチャンスは三振に倒れたが、3回には逆方向のライト側に強烈なラインドライブをかけた二塁打、6回と8回にはセンター前へしぶとく運ぶ単打を続けて放った。
今回の代表候補選出には「友達の電話で知り、聞いた瞬間は“なんのこと?”と思いました」と笑うほど、本人にとっては意外な選出だったようだ。しかし、今後については「打撃を評価されて選んでいただいたはずなので、それをアピールしていきたいです」と真摯な眼差しで決意を語った。
全試合結果
神宮球場
中京学院大 2-0 日本文理大
京都産業大 2-4 富士大
広島経済大 1-2 九州国際大(延長10回タイブレーク)
東京ドーム
第一工業大 0-2 中央学院大
東日本国際大 2-8 立命館大
東海大北海道キャンパス 4-3 環太平洋大
福井工業大 4-1 愛媛大
第40回 日米大学野球選手権大会
大会概要
出場選手
全日本大学野球連盟 公式サイト(外部サイト)
大会結果
第1戦 7月12日(火) 日本 2 - 1 アメリカ
第2戦 7月13日(水) アメリカ 0 - 1 日本
第3戦 7月15日(金) 日本 0 - 1 アメリカ
第4戦 7月16日(土) アメリカ 10 - 2 日本
第5戦 7月17日(日) 日本 5x - 4 アメリカ
大会期間
2016年7月12日~17日(※予備日7月18日)
会場
7月12日(火)、13日(水)ハードオフエコスタジアム新潟(新潟)
7月15日(金)明治神宮野球場(東京)
7月16日(土)、17日(日)草薙球場(静岡)
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