強化試合と記者会見通じ「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」制覇誓う
2017年8月29日
9月2日から6日間の日程で香港で開催される「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」初代女王獲得に向け、8月27日から4日間の日程で開催中の侍ジャパン女子代表直前合宿。3日目の8月29日は神奈川県川崎市内のグラウンドでの練習の後、都内で「第1回BFA女子野球アジアカップ」出場記者会見を行った。
この日も前日と同様に国際試合を想定し、アップなどの準備が終わっても事前に決めたタイムスケジュールを早めることなく横浜隼人高校との強化試合(7回制)を実施した侍ジャパン女子代表。ビジター用のユニフォームに身を包み、前日の試合からスタメンを3人入れ替えた強化試合では、まず守備でよい部分が出た。
1回裏、先発の小田嶋真美(横浜隼人高3年)がヒットと盗塁などで一死一・三塁のピンチ。しかし、ここで侍ジャパン女子代表は横浜隼人高のダブルスチールを瞬時に見破り、主将のセカンド・吉井温愛(履正社高3年)が捕手からの送球をカットしホームで走者を刺す好プレー。本大会でも考えられる奇襲戦法への対処法を着実にこなした。
一方の打線は、序盤我慢の展開を強いられるも4回表、この回先頭の5番・遠藤佳菜子(作新学院高2年)がレフト前ヒット。続く北山未来(履正社高3年)のエンドランが失策を誘い、7番・蜜浦さくら(履正社高2年)が犠打を決めた一死二・三塁から、8番の小野あゆみ(埼玉栄高2年)がセンター前にタイムリーを放って1点を先制。
続く5回表は、蛭田菜月(埼玉栄高3年)のヒットと四球。4番・金満梨々那(開志学園高3年)が確実に送っての一死二・三塁から遠藤がライトへ犠牲フライを打ち上げ2点目。これが呼び水となり、北山が中前にポトリと落とすタイムリー。蜜浦も豪快にライトの頭上を越す適時三塁打を放つなど、この回は一挙に4点を奪って試合を決めた。
投手陣は小田嶋が2イニングを無失点で抑えると、3回以降は田中志緒梨(埼玉栄高3年)、今井巴菜(神村学園高3年)、池本歩莉(埼玉栄高2年)と1イニングずつ無失点でつなぎ、6回からは姫野真由(花咲徳栄高3年)が登板。力強いストレートを中心に、2イニングで四球を1つ与えたもののヒットは許さず。
結局、特別ルールで行った7回裏にも金満、遠藤、北山の長短打などで3点を加えたマドンナジャパンが8対0で快勝した。
橘田恵監督は試合を振り返り「昨日の練習試合では当てにいく打撃をしている選手がいましたが、ミーティングで喝を入れてきたこともあって、今日はきちんと強い打球が打てていたと思います」と晴れやかな表。完封リレーだった投手陣についても「昨日、投げなかった投手を起用したのですが、どの投手も1イニングで結果を出さなければいけないというプレッシャーのなかで良い調整ができました」と大会前最後の強化試合の内容に満足げな表情を浮かべた。
練習後、侍ジャパン女子代表は橘田監督のほか、主将の吉井、姫野、金満、小野の4選手が都内に移動し、「第1回BFA女子野球アジアカップ」出場記者会見」へ臨んだ。
会見で橘田監督は「初めてU-18の選手のみで戦う大会になりますが、チームは順調に仕上がっているので、日本の女子野球の実力を世界へ発信していきたい」と抱負を語った。
また、吉井主将は「日本の高校生はここまで高いレベルでプレーできるんだというところを見せて、金メダルを獲りたい」と意気込み、金満捕手は「チームが結成して2ヶ月ほどしか経っていませんが、一緒にプレーしていて楽しいチームなので、このメンバーならアジアで1位になれると思います」と自信をうかがわせた。
そして、姫野投手は侍ジャパンU-18代表に選出された清水達也投手と同じ花咲徳栄高でプレーしていることに触れ「練習で清水投手が投げているところを見ることもあるのですが、自分も負けないように活躍したい」と話し、中学時代にハンドボールのU-16日本代表に選ばれた異色の経歴を持つ小野選手は「ハンドボールではなく野球で日本代表になることが幼い頃からの夢でした。アジアカップでは、見ている方たちが感動するようなプレーがしたいです」と健闘を誓った。
「第1回の大会でもありますし、アジアチャンピオンの座を確実に獲っていきたい」と決意を表明した橘田監督。ヤングマドンナの新たなる挑戦となる「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」は開幕まであと4日。明日8月30日、侍ジャパン女子代表は国内での最後の練習を行い、8月31日、決戦の地・香港へ飛ぶ。