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2019年ドラフト指名を受けた侍ジャパン戦士たち~U-18代表編~

2019年10月18日

 10月17日、『2019年プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD』が行われた。今年は育成指名を含め107名(支配下74名、育成33名)が指名を受けた。その指名された選手の中には各カテゴリーにおいて日本代表、すなわち侍ジャパンに選出されていたエリートもいる。
 そのなかで今回は、2019年8月に韓国で行われた『第29回WBSC U-18ベースボールワールドカップ』(以下、U-18W杯)に出場した侍ジャパンU-18日本代表を紹介していく。U-18日本代表は20名で構成されており、3年生が18名だった。そのうちプロ志望届を提出したのが14名。昨年の7名(3年生17名)から人数は倍増した。

 ドラフト会議前にNPB各球団から初回入札の公言があったのは、佐々木朗希(大船渡)、奥川恭伸(星稜)、石川昂弥(東邦)の3人だった。その言葉通り3人には初回入札が入り、いずれも重複し抽選となっている。抽選の結果、4球団競合となった佐々木はロッテ、3球団競合の奥川と石川はそれぞれヤクルトと中日が交渉権を獲得した。

 3人の中で唯一、全国大会への出場がない佐々木は、U-18W杯でも血マメの影響で1試合のみの登板となったが、1回を無失点に抑え貫禄を見せた。

 今夏の全国高校野球選手権大会(以下、甲子園)でチームを準優勝に導いた奥川は、疲労も考慮されU-18W杯で1試合のみの登板となった。その唯一の登板となったカナダ戦で7回無失点、被安打2、奪三振18と圧倒的なパフォーマンスを見せたのだから、潜在能力は計りしれない。この投球で大会ベストナインにも選ばれている。

 U-18W杯で日本の4番に座ったのが石川だった。多くの高校生が苦しむ木製バットも苦にせず、打率.333(24打数8安打)、1本塁打、9打点と結果を残した。1学年上の根尾昂とともに将来の主軸として期待は大きい。

 1位で指名されたのは重複となった3名だけではない。森敬斗(桐蔭学園)、西純矢(創志学園)、宮城大弥(興南)の3名も名前を読み上げられた。

 DeNAは大和の後釜候補として森に初回で入札し、結果的に一本釣りとなった。今夏の甲子園には出場できなかったものの、U-18W杯ではレギュラーとして出場。本職の遊撃ではなく中堅を守ったが、打撃を乱すことなく打率.320(25打8安打)と結果を残している。出塁率.500は奥川や西、宮城といった投手陣を除いてチーム最高の数字でもあった。

 阪神が外れ1位で入札したのは西だった。昨年夏の甲子園では2年生ながら、エースナンバー「1」を背負って出場し、気迫あふれる投球を見せた。今夏は甲子園に出場出来なかったが、U-18W杯では2勝0敗、防御率1.35と結果を残す。さらには打率.500(12打数6安打)、2本塁打と投打に活躍。指名打者制度のないセ・リーグに入団したことで、打撃面でも注目されそうだ。

 2度抽選を外したオリックスは、3度目に入札したのが宮城だった。高卒左腕としては唯一の1位指名でもある。この宮城も森、西と同様今夏の甲子園には出場していない。しかしU-18W杯では3試合に登板し、防御率1.04と結果を残した。身長172センチと小柄だが、マウンドでは縮こまることなく大きく見える。数年後のローテーション入りに期待がかかる。

 投手陣では前佑囲斗(津田学園)がオリックス4位、浅田将汰(有明)がDeNA7位で指名された。

 前は今夏の甲子園で静岡高校相手に9回1失点、11奪三振と圧巻の投球を見せ、知名度が大きく上がった。U-18W杯では3試合に登板し、合計9回を投げ防御率1.00と役割を果たしている。

 全国の舞台を未経験の浅田将汰(有明)。U-18W杯では2試合に先発し、南アフリカ戦では5回パーフェクトの好投をみせた。ドラフト7位だったが、今後の活躍に期待したい。

 林優樹(近江)はU-18日本代表組のなかで唯一指名がなかった。社会人に進む予定で、3年後のプロ入りを目指すことになる。

 奥川と星稜高でもバッテリーを組んでいた山瀬慎之助は、巨人から5位で指名を受けた。今夏の甲子園では打率.556(18打数10安打)と気を吐いたが、U-18W杯ではノーヒットに終わっている。捕手の競争が激しいチームからの指名となったが、一軍定着を目指す。

 U-18W杯で正捕手を務めた水上桂(明石商)は、楽天が7位で指名した。U-18W杯では打率.200(15打数3安打)と思うような結果を残せなかったが、パナマ戦でポール直撃の一発を放っている。強肩だけでなく、一発も売りとなりそうだ。

 内野手では韮澤雄也(花咲徳栄)が広島4位、遠藤成(東海大相模)が阪神4位、そして武岡龍世(八戸学院光星)がヤクルト6位で指名された。1位の森を含め、内野手は全員セ・リーグの球団から指名されたことになる。

 韮澤はU-18W杯で打率.345(29打数10安打)と野手陣ではチームトップの成績。守備では本職ではない一塁でベストナインを受賞し、その順応性の高さを見せてくれた。

 U-18W杯で打率.188(16打数3安打)と苦しんだ遠藤。しかし、4つの四球を選んでおり出塁率は.350とチームに貢献した。東海大相模では投手、遊撃手の二刀流だが、日本代表では左翼と三塁を務めている。

 母校の先輩にあやかって「坂本勇人二世」と呼ばれることもある武岡。U-18W杯では打率.125(24打数3安打)と結果を出せなかったが、守備では器用な面を見せた。序盤は右翼、二塁、三塁の守備につき、中盤以降は本来の遊撃で試合に出場している。

 プロ志望届を提出した14名のうち6名が1位で指名され、全体でも13名が指名を受けた侍ジャパンU-18日本代表。侍ジャパン日本代表のトップチームを目指し、数年後に彼らが再び侍ジャパンのユニフォームを着て一堂に会することを期待したい。

第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ

大会概要 出場選手 放送予定

大会期間

2019年8月30日~9月8日

オープニングラウンド
2019年8月30日(金)12:00 日本 4 - 2 スペイン
2019年8月31日(土)12:00 南アフリカ 0 - 19 日本
2019年9月1日(日)18:00 日本 16 - 7 アメリカ
2019年9月2日(月)18:00 チャイニーズ・タイペイ 3 - 1 日本
2019年9月3日(火)19:30 日本 5 - 1 パナマ

スーパーラウンド
2019年9月5日(木)18:00 日本 5 - 1 カナダ
2019年9月6日(金)18:00 韓国 5 - 4 日本
2019年9月7日(土)12:30 日本 1 - 4 オーストラリア

決勝・3位決定戦
2019年9月8日

開催地

韓国(機張郡)

出場する国と地域

グループA
韓国、オーストラリア、オランダ、カナダ、ニカラグア、中国

グループB
日本、アメリカ、チャイニーズ・タイペイ、パナマ、南アフリカ、スペイン

侍ジャパン壮行試合 高校日本代表 対 大学日本代表

特設サイト チケット 出場選手 放送予定

試合日程

2019年8月26日(月)18:00
大学日本代表 5 - 5 高校日本代表

開催球場

明治神宮野球場

出場チーム

高校日本代表、大学日本代表

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