10月31日、ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019「日本 vs カナダ」の第1戦が沖縄セルラースタジアム那覇で行われた。このチーム結成後初の国際試合は0対6のビハインドから1点差まで追い詰めたが、あと一歩及ばず5対6で敗れた。
プレイボール直前に行われた始球式はラグビー日本代表の田村優(キヤノン)が登場。「投げたのは初めて」と話すが、120キロのストレートをストライクゾーンに投げ込んだ。これには場内から大きな拍手が送られ、田村も「完璧。100点です」と振り返った。
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先発のマウンドを任されたのは今季、セ・リーグの勝率第一位投手賞を獲得した山口俊(巨人)。だが2回に先頭打者を四球で歩かせると、その後は甘く入ったボールで連打を浴びたり、連続四球を与えるなど制球に苦しみ、この回一挙に6点を失った。
打線が反撃を始めたのは4回。先頭の4番・鈴木誠也(広島)がレフトフェンス直撃の二塁打を放つと、続く吉田正尚(オリックス)もライトフェンス直撃の二塁打を放って1点を返す。さらに、その後に塁を進めると、近藤健介(日本ハム)の二塁ゴロの間に吉田が生還し、もう1点を加えた。
さらに5回には、代打の曾澤翼(広島)と途中出場の外崎修汰(西武)が連打を放ち、菊池涼介(広島)も絶妙なプッシュバントを決めて無死満塁。このチャンスに坂本勇人(巨人)が犠牲フライを放ち、点差を3点に縮めた。
2番手以降の投手は田口麗斗(巨人)、高橋礼(ソフトバンク)、山岡泰輔(オリックス)、大竹寛(巨人)が無失点に抑えていくと、8回からは沖縄県石垣市出身の嘉弥真新也(ソフトバンク )が登板。指笛や大歓声が送られる中で、キレの良い球を次々と投げ込んでいくと、2三振を含む三者凡退に抑えて、会場のボルテージは一段と上がった。
さらに9回にはルーキーながら日本一に貢献した甲斐野央(ソフトバンク)が、最速154キロのストレートと140キロ前後の高速フォークなどで得点を許さず、逆転に望みを繋いだ。
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すると打線は9回、二死から代打・山田哲人(ヤクルト)が相手失策で出塁すると、すかさず盗塁。続く近藤のタイムリーで1点差に迫り、この回からマウンドに上がったスコット・マシソン(巨人)を追い詰めていく。
さらに近藤の代走・周東佑京(ソフトバンク)が初球から盗塁を決めて、同点の走者が二塁まで進んだ。しかし、最後は松田宣浩(ソフトバンク)がレフトフライに倒れて試合終了。反撃は見せたものの惜敗を喫した。
第2戦は11月1日に沖縄セルラースタジアム那覇で19時から行われる予定となっており、これがプレミア12(日本出場のグループBは11月5日開幕)前の最後の実戦となる。
監督・選手コメント
稲葉篤紀監督
「28人揃っての試合は初めてでしたので、探り探りの部分がありました。いろんなことがこの2試合で修正点として出てくれた方が良いと思っています。(地元出身の嘉弥真について)大声援で緊張感もある中で持ち味をしっかり出してくれました。(盗塁を決めた周東について)あの場面で、初球で走れる勇気と足はあらためて素晴らしいと感じました」
吉田正尚(オリックス)
「(タイムリーの場面は)点差が開いていたので、後ろに繋いで行こうと思いました。少し詰まったのですが、良い感じで振り切ることができました。(長身投手のカットボール対策など)イメージと少しズレがあったので、対応していかなくてはいけません」
アーニー・ウィット監督
「勝つことを目的にしてやってきたが、日本のような世界でもトップレベルのチームに勝つことができたのはボーナスのようなもの。ただ、6点を取った後に苦しみましたし、失策も4個あったので明日に向けてしっかりと備えていきたいです」
スコット・マシソン(巨人)
「母国のために野球ができること、また侍ジャパンと対戦できることを光栄に思います。(周東の盗塁について)もちろん、とてもプレッシャーを与えるもの。1本の安打で同点になる場面でしたが、2アウトだったので、もう1アウトを取ることに集中しました」
第2回 WBSC プレミア12
大会期間
2019年11月2日~11月17日
オープニングラウンド
11月5日(火)19:00 日本 8 - 4 ベネズエラ
11月6日(水)19:00 日本 4 - 0 プエルトリコ
11月7日(木)19:30 チャイニーズ・タイペイ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
11月11日(月)19:00 日本 3 - 2 オーストラリア
11月12日(火)19:00 日本 3 - 4 アメリカ
11月13日(水)19:00 日本 3 - 1 メキシコ
11月16日(土)19:00 日本 10 - 8 韓国
※開始時刻は日本時間
決勝
11月17日(日)19:00 日本 5 - 3 韓国
※開始時刻は日本時間
開催地
日本、台湾、韓国、メキシコ
出場する国と地域
グループA
メキシコ、アメリカ、オランダ、ドミニカ共和国
グループB
チャイニーズ・タイペイ、日本、ベネズエラ、プエルトリコ
グループC
韓国、キューバ、オーストラリア、カナダ