11月12日、「第2回 WBSC プレミア12」のスーパーラウンド第2戦が行われ、侍ジャパンは19時から東京ドームでアメリカと対戦した。MLBでの活躍が期待される有望株や、メジャー経験もあるベテラン選手を融合させたアメリカに苦戦。タイプの異なる投手による継投や力強い打線の前に投打ともに粘るが、3対4で敗れて今大会初黒星を喫した。
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波に乗れぬ試合前半
侍ジャパンの先発のマウンドに上がったのはオープニングラウンドのプエルトリコ戦で6回1安打の好投を見せた高橋礼(ソフトバンク)。
だが2回、先頭のアレク・ボームに二塁打を打たれると、その後に進塁打で三塁に進まれ、ジェイコブ・クローネンワースのライト線へ抜けようかというファーストゴロの間に先制を許した。さらに3回には3番のボビー・ダルベックにレフトへの二塁打を打たれ、四球で出した走者が生還し2点目を奪われた。高橋は4回表を無失点でしのいだが、この回限りで降板。「自分でカウントを悪くしてしまい、狙い球を絞りやすい状況を作ってしまいました」と悔しがった。
反撃したい侍ジャパンは急遽先発登板となったサイドスロー右腕のペン・マーフィーの前に3回まで無安打に抑えられるが、身長196cmのベテラン左腕であるクレイトン・リチャードに代わった4回、反撃に出る。
先頭の4番・鈴木誠也(広島)が3試合連続本塁打を放っている好調そのままに三塁打を放ってチーム初安打。チームに活気をもたらすと、一死後に浅村栄斗(楽天)がライト前にタイムリーを放って1点差に詰め寄った。
だが直後の5回に、2番手の山岡泰輔(オリックス)が連打でピンチを招くとボームにタイムリーを浴び、再びリードを2点とされた。
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MLB有望株に手痛い一発を浴びる
手痛い失点となったのが7回だ。6回に浅村のセンターフェンス直撃のタイムリーで1点差と迫っていたが、直後の7回表に前の回から登板していた大野雄大(中日)が、MLBでも活躍が期待される若手有望株のジョーダン・アデルに逆方向ライトへの打った瞬間に分かる本塁打でダメ押しをされた。
侍ジャパンは8回に浅村がこの日3本目のタイムリーを放ち、その代走・周東佑京(ソフトバンク)が二塁盗塁と相手投手の暴投で三塁まで進むなどしたが、あと一本が出ずに同点にすることができなかった。
最終回はNPBで活躍するブランドン・ディクソン(オリックス)に三者凡退に抑えられて試合終了。1点がなかなか届かずに今大会初黒星を喫した。
一方、アメリカはオープニングラウンドのメキシコ戦と、前日のスーパーラウンド韓国戦で連敗していたが、優勝戦線に踏みとどまることに成功した。
スーパーラウンドでは、オープニングラウンド同グループのチームとは対戦せずに成績を持ち越すため、チャイニーズ・タイペイ戦の1勝も加え、このラウンドの戦績を2勝1敗とした。次戦は今大会唯一全勝で勝ち進んでいるメキシコと13日19時から東京ドームで戦う。
監督・選手コメント
稲葉篤紀監督
「負けてはしまいましたが投打ともに粘り強く全力で戦ってくれました。勝敗の責任はすべて私にあります。浅村選手の逆方向への打撃は、この先ヒントになると思います」
浅村栄斗(楽天)
「悔しいですが、まだ終わったわけではないので切り替えたいです。ゴロでアウトを取る投手が多かったので低めを見極め、打てる球を打ちました」
スコット・ブローシャス監督
「今日の勝利は嬉しい。チーム全体の努力の結果です。攻撃的にいこうと話していたので、先頭打者を多く出すことができましたし、投手もカウントを有利にしてからシンカー系のボールでゴロを多く打たせることができました」
ジョーダン・アデル
「(ダメ押し本塁打の場面は)インサイドに速球、アウトサイドに変化球が多いのは理解していたので上手く反応することができました。先発の高橋を中心に研究はしており、様々な配球をすることは分かっていました。その中で攻撃的にいこうという方針をみんなでできました。全員で団結して良い仕事ができました」
第2回 WBSC プレミア12
大会期間
2019年11月2日~11月17日
オープニングラウンド
11月5日(火)19:00 日本 8 - 4 ベネズエラ
11月6日(水)19:00 日本 4 - 0 プエルトリコ
11月7日(木)19:30 チャイニーズ・タイペイ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
11月11日(月)19:00 日本 3 - 2 オーストラリア
11月12日(火)19:00 日本 3 - 4 アメリカ
11月13日(水)19:00 日本 3 - 1 メキシコ
11月16日(土)19:00 日本 10 - 8 韓国
※開始時刻は日本時間
決勝
11月17日(日)19:00 日本 5 - 3 韓国
※開始時刻は日本時間
開催地
日本、台湾、韓国、メキシコ
出場する国と地域
グループA
メキシコ、アメリカ、オランダ、ドミニカ共和国
グループB
チャイニーズ・タイペイ、日本、ベネズエラ、プエルトリコ
グループC
韓国、キューバ、オーストラリア、カナダ