6月16日に発表された東京オリンピックを戦う野球日本代表の内定選手24人。今回は2人が選出された捕手の陣容を紹介していきたい。
通常の国際大会より28人より4人少ない24人の中で捕手を何人にするかはポイントの1つだったが、捕手は甲斐拓也(ソフトバンク)と會澤翼(広島)の2人が選出。負傷などの万が一の事態になれば、捕手としての一軍出場経験がある外野手の近藤健介(日本ハム)と栗原陵矢(ソフトバンク)もいる、といった布陣になった。
しかし、會澤が15日の試合で負傷。左下腿腓腹筋挫傷のため辞退となった。2019年に行われたプレミア12でも、スーパーラウンドでアメリカに1敗を喫した後のもう負けられないメキシコ戦、決勝戦の韓国戦で先発フル出場するなど、チームの屋台骨を担っていただけに大きな痛手であることは間違いない。
會澤は辞退に際し「出場することは叶いませんでしたが、野球日本代表が金メダルを獲れるように心から応援しています」とエールを送り、稲葉監督も「彼の思いも共に戦います」と無念の思いを受け止めて戦うことを誓った。
梅野隆太郎(阪神タイガース)
それでも追加選手に選ばれた梅野隆太郎(阪神)も大きな力となることは間違いない。国際大会こそ大学4年時の日米大学野球以来で、プロになってからは初めてだが、強肩を生かした盗塁阻止や今季好調の阪神を引っ張るリード面や勝負強い打撃には大きな期待がかかる。
稲葉監督は「守備面で安定感もありますし、打撃・走塁面も含めて期待しています」と高く評価。梅野も「日本代表の一員として戦えることを凄く誇りに思いますし、感謝しています。チームのために金メダルを目指して精一杯頑張ります」と意気揚々。チームに新たな風を吹かせたい。
甲斐拓也(福岡ソフトバンクホークス)
また、2017年の稲葉監督就任以降、代表に定着している甲斐は国際経験が豊富。国際大会では相手だけでなく審判の特徴を掴むことも大事な要素であるため、オリンピックでも大いに経験が生かされるだろう。常勝軍団のソフトバンクを支えるリード面や“甲斐キャノン”と呼ばれる強肩だけではなく、稲葉監督が「今年は打撃の調子も良さそうなので、そこにも期待したいと思います」と語るように、攻守で存在感を見せて欲しい。
海外の初対戦の打者やパワーあふれる打者に対して、投手をどのように好投へ導くのか。また打撃でもどれだけチームを後押しできるのか。極めて重要なポジションだが、その重責にふさわしい面々で堂々と強豪国に立ち向かっていく。