侍ジャパン代表選手×高校野球/山田哲人選手、高校2年生秋がターニングポイント、13年ぶり夏の甲子園出場に貢献
2015年8月15日
昨シーズンは、高卒4年目にして日本人右打者のシーズン最多安打記録を更新。今年も、1番打者として、24本塁打、22盗塁、打率.318をマーク(8月10日現在)。現在、トリプルスリー(3割30本30盗塁)を狙える位置まできている東京ヤクルトスワローズ・山田哲人選手。まさに、打って走れる選手として高い注目を集めているが、山田の高校時代を振り返ると、決して入学時から、プロに近い選手だったわけではない。
2008年4月に、大阪の履正社高校に入学した山田。履正社・岡田龍生監督曰く、山田の入学時は、「荒削りな選手」だったという。素材は当時からずば抜けており、俊足で強肩だった。プロへ行ける潜在能力はあったものの、まだその頃は自分から進んで、他人よりも努力をするタイプではなかった。プロ野球選手に必要な、課題を見出し、自らを追い込んでいくという要素が欠けていたのだ。履正社の先輩であるT-岡田(オリックス・バファローズ)は入学時から「絶対にプロに行きたい!」という信念を持ってプレーしていたのとは対照的。それでも、野球センスの高かった山田は、1年生の夏からベンチ入りするなど、期待をかけられていたことは事実。
しかし、プロ野球選手になれる素質はあるのに、なかなか本気になれない山田の姿に岡田監督は、常々、「もったいない」と感じていた。そんな中、山田が2年生になった秋の進路相談で、「プロに行きたいです」と初めて岡田監督に自分の思いを打ち明けた。「今のままではプロには行けないぞ」岡田監督から、そう告げられた山田は、この頃から、意識を変えて、野球に対して初めて本気で取り組むようになる。
2年生冬の強化練習では、辛い練習でも逃げることなく取り組み、誰がみてもわかるほどの成長スピードで、進化を遂げる。それは首脳陣が、「あれは本当に、あの山田か?」と驚くほどだったという。「人間は意識が変わるだけでここまで変われるんだと、山田がそれを体現してくれましたね」そう岡田監督は当時を振り返る。
一冬超えた山田は、すっかりチームの主力打者として高い力をつけていた。履正社は、山田を軸に春の大会で勝ち進んでいく。大阪府大会では見事優勝を果たすと、近畿大会でも準優勝。山田は、近畿大会準決勝の北大津戦で本塁打を放つなど攻守においてチームを牽引。次第に、山田を視察するスカウトも増えていった。
そして、迎えた最後の夏。大阪大会1回戦から本塁打を放つなど、チームの勝利に貢献し、4回戦へと進出する。4回戦ではPL学園と対戦。この年のPL学園には、吉川大幾(中日ドラゴンズ-読売ジャイアンツ)、勧野甲輝(東北楽天ゴールデンイーグルス-福岡ソフトバンクホークス)など、のちに高卒でプロ入りを果たした選手たちがいた。各球団のスカウトが見守る中、6打数2安打2打点の活躍をみせ、試合は8対7で履正社が勝利を収める。
履正社は、5回戦、準々決勝、準決勝と順調に白星をあげて、決勝では、大体大浪商に3対0の完封勝ちで13年ぶりの夏の甲子園出場を決めた。
第92回全国高等学校野球選手権大会の初戦は天理(奈良)と対戦。この試合、山田は3打数2安打の活躍をみせる。さらに3回戦は、歳内宏明(阪神タイガース)を擁して勝ち上がってきた聖光学院(福島)との対戦。0対2の2点ビハインドで迎えた6回表。山田は、歳内の高めに抜けた直球を逃さずに同点2ランを放つ。この時のバッティングからは、速いヘッドスピードで振りぬいて打球を遠くへ運ぶ技術だけでなく、際どい球には手を出さずに冷静に見極める選球眼も身に付けていたことがわかる。試合は、8回裏に聖光学院が3点を挙げ、2対5で敗れたものの、甲子園の舞台で自分の実力を示した山田は、その活躍ぶりを評価され、この年に開催された日米親善高校野球の代表メンバーにも選出された。
そして迎えたドラフト会議で、東京ヤクルトスワローズとオリックス・バファローズから、外れ1位のさらに外れ1位で抽選の結果、東京ヤクルトスワローズが交渉権を獲得し、入団が決まった。
入団後、1年目に、中日ドラゴンズとのクライマックスシリーズで高卒新人野手としては初めての先発出場。さらに、翌2012年にはプロ初本塁打と、順調に階段を上っていく。現在では、NPBを代表する俊足強打の内野手として進化を遂げた山田哲人。どんなに素質を持っていたとしても、努力をしなければ成功のスタートラインに立つことは出来ない。彼にとって、高校2年生の秋が一つのターニングポイントだったことは間違いない。自ら気付き、追い込んで取り組んできた山田が、これからの舞台で積み重ねていく成功に期待したい。
山田 哲人|GLOBAL BASEBALL MATCH 2015 侍ジャパン 対 欧州代表
- 8月26日(火) トップチーム選手の高校時代、西川遥輝選手
- 8月24日(月) トップチーム選手の高校時代、筒香嘉智選手
- 8月18日(火) トップチーム選手の高校時代、山﨑康晃選手
- 8月17日(月) トップチーム選手の高校時代、藤浪晋太郎選手
- 8月16日(日) トップチーム選手の高校時代、大谷翔平選手
- 8月15日(土) トップチーム選手の高校時代、山田哲人選手
- 8月14日(金) 2014年U-15代表選手の現在地
侍ジャパンU-18代表 2015
U-18代表 選手一覧
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U-18代表 対戦国紹介
第27回 WBSC U-18 ベースボールワールドカップ
- 8月28日(金)18:00 舞洲BS 日本 14 - 0 ブラジル スコア詳細 試合レポート
- 8月29日(土)17:30 舞洲BS 日本 3 - 0 アメリカ スコア詳細 試合レポート
- 8月30日(日)17:30 舞洲BS オーストラリア 1 - 10 日本 スコア詳細 試合レポート
- 8月31日(月)17:30 舞洲BS チェコ 0 - 15 日本 スコア詳細 試合レポート
- 9月1日(火)17:30 舞洲BS 日本 12 - 0 メキシコ スコア詳細 試合レポート
- 9月3日(木)19:20 舞洲BS 日本 5 - 2 カナダ スコア詳細 試合レポート
- 9月4日(金)18:00 甲子園 日本 12 - 0 韓国 スコア詳細 試合レポート
- 9月5日(土)13:00 甲子園 日本 9 - 0 キューバ スコア詳細 試合レポート
- 9月6日(日)18:00 甲子園 日本 1 - 2 アメリカ スコア詳細 試合レポート
壮行試合
開催概要 チケット 放送予定
8月26日(水)18:00 侍ジャパンU-18(高校)代表 2 - 9 侍ジャパン大学代表
阪神甲子園球場