7月12日(火)に開幕する「第40回日米大学野球選手権大会」に向け、横井人輝監督に、大会に向けた自身の思いやチームの現状をインタビュー。日米大学野球は12日(火)に新潟で開幕し、13日(水)に新潟、15日(金)に東京、16(土)・17日(日)に静岡で計5試合を戦い、3勝を挙げた方が優勝となる。
柳を中心に戦う集団となってきた
――選考合宿、直前合宿を経ての今の手応えはいかがでしょうか?
「選りすぐりの24名でチームを作っていく中、各コーチがそれぞれ投手・野手の担当に分かれ、非常によく選手を把握してくれています。私は全体を見ながら指揮を執れますし、チームの結束も思った以上に早いですね」
――直前合宿に際して「“戦う集団”を作る合宿」と仰っていました。
「今日(7月9日の平塚合宿最終日)は雨になりましたが、オープン戦2試合は予定通りできましたし、これから大学米国代表の映像も見ていきますから、良い準備ができています」
――今年のチームカラーはいかがでしょうか?
「主将の柳(明治大)、野手で唯一の代表経験者である佐藤(立教大)が経験を生かして、チームに考えを浸透させてくれています。特に、柳は主将という非常に責任のあることをやらせてしまっていますが、しんどい顔も一切見せず、やりがいを持って気配りしてくれています。去年の代表経験が生きているようで、とても頼もしいです。柳を主将にして良かったなと思います」
先発は佐々木、柳、宮台。二遊間は吉川&京田となった経緯
――開幕投手には初代表となる佐々木千隼投手(桜美林大)を抜擢されました。
「球速(最速152km/h)もそうですし、変化球の精度も高いので、期待の大きい投手です。まず彼で勢いをつけたいという気持ちで開幕投手に指名しました。責任感の強い子なので、既にだいぶ入り込んでいます。これから「リラックスさせて、万全の状態でマウンドに上げたいと思います」
――また3戦目には宮台康平投手(東京大)、抑えに田村伊知郎投手(立教大)と起用を決めていらっしゃるそうですね。
「宮台は先発投手なので、同じ先発左腕候補では濱口(神奈川大)もいますが(東京六大学野球で使用する)神宮球場に慣れているということもあり、宮台に任せたいなと思いました。抑えに起用した田村は結団式で“勝利のために何でもする”と公言してくれました。彼には(抑えという)酷な役回りをさせてしまうのかなと思いますが、彼の方からそう言ってくれた。やはり彼の野球への情熱や勝利への執着がそのまま言葉に出たので、信頼して任せたいです」
――守備の要となる二遊間には吉川尚輝内野手(中京学院大)と京田陽太内野手(日本大)を起用する方向でしょうか?
「そうですね。やはり堅実な守備を持っている京田に遊撃手は任せたいな、と。また、吉川の持っているポテンシャルをすれば二遊間どちらもできると思ったので、“二塁手もできるか?”と聞きました。二塁手のプレーというのは動きも含めて難しいのですが、彼が意欲的に取り組んでくれたおかげで、この二遊間を練習試合1試合目で作れたのは大きかったです」
――全員が左打者となる外野手の起用法はどのようにお考えですか?
「外野手は同じタイプの打者が多いので“相手の投手に合わせて”という形で、固定はできないかもしれません。ただ、佐藤が練習試合の2試合目で4安打も打ってくれましたので、彼がこのままいけば1番打者になるでしょう」
――選考合宿と直前合宿を通じて、新たな能力や魅力を発見した選手はいらっしゃいますか?
「捕手である森川(法政大)は明るさ、繊細に打者を見る目といった感性を持った選手ですね。真面目でありながらムードメーカーでもある。その存在は大きいです」
大学米国代表打線の爆発力に警戒。攻撃では足を使って攻略したい
――対する大学米国代表の印象はいかがでしょうか?
「今年のチームもこれまで通りと言いますか、2014年にハーレム国際大会で対戦した米国代表と似ているかなという印象です。手ごわいチームであることは間違いないでしょう」
――大学米国代表の警戒するところはどんなところでしょうか?
「やはり打力です。爆発力がありますから、投げ損じや守備のミスは許されない。そうした緊張感を持って戦わないといけません。そうなると先制点が欲しいところですね」
――大学米国代表の攻略すべきポイントは、どんなところになるでしょうか?
「今回は足の速い打者が多いですし、走者が出た時に足を使えるかがカギになります。また、広角に打てる打者も多いので、このあたりもカギになってくるでしょう」
――昨年までコーチを務めていらっしゃいましたが、侍ジャパン大学代表として大切にするもの、引き継ぐべきものはどんなところでしょうか?
「前回だけでなく、過去に代表監督を務められた方々一人ひとりの思いは感じているので、皆さんの様々な実績と経験すべてを彼らに注入していきたいです。そして、日の丸を背負って戦うことの責任を持って、最高のパフォーマンスで優勝を勝ち取れればと思います」
――昨年のユニバーシアードでは金メダルながら、雨天中止で台湾と両国優勝となった悔しさもあるかと思います。
「今回団長でもある善波達也前監督の思いは、(コーチを務めていた)私も鈴木コーチも感じているので、来年のユニバーシアードはその雪辱の気持ちを持って戦いたいです。今回は、日米大学野球で優勝するために選んだチームですが、結果的に3年生以下が10名入りましたから、経験を積むこともそうですが、勝って来年に繋げていきたいです」
※7月9日(土)、バッティングパレス相石スタジアムひらつかにてインタビュー
第40回 日米大学野球選手権大会
大会概要
出場選手
全日本大学野球連盟 公式サイト(外部サイト)
大会結果
第1戦 7月12日(火) 日本 2 - 1 アメリカ
第2戦 7月13日(水) アメリカ 0 - 1 日本
第3戦 7月15日(金) 日本 0 - 1 アメリカ
第4戦 7月16日(土) アメリカ 10 - 2 日本
第5戦 7月17日(日) 日本 5x - 4 アメリカ
大会期間
2016年7月12日~17日(※予備日7月18日)
会場
7月12日(火)、13日(水)ハードオフエコスタジアム新潟(新潟)
7月15日(金)明治神宮野球場(東京)
7月16日(土)、17日(日)草薙球場(静岡)
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