来年3月に開催される「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™」に出場する日本代表「侍ジャパン」の一部メンバー(28名中19名)が決定した。世界一奪還へ向け、侍ジャパンアンバサダーの赤星憲広氏に印象と課題を聞いた。
――メンバーリストを見ての第一印象は?
「今年11月の強化試合のメンバーを軸に今までの実績のある選手が選ばれた。順当だという印象ですね。則本(昂大)投手と牧田(和久)投手は強化試合には選ばれていませんでしたけど、2人とも絶対に必要な投手。2人とも侍ジャパンとしての実績がありますし、特に牧田投手は前回のWBCも含めて国際試合で結果を残している。あの変則モーションというのは日本でもなかなかいないですけど、海外の選手だともっと戸惑う。勝つためには欠かせない戦力だと思います」
――投手は計7人が選ばれましたが?
「宮西(尚生)投手や秋吉(亮)投手も含め、左右ともに変則気味の投手が選ばれた。去年の『プレミア12』では各球団のクローザーが揃いましたが、今回は中継ぎ専門の投手、中継ぎの経験が豊富な投手を多く選んだなと思います。あとは、抑えを誰にするのか。先発の柱として大谷(翔平)投手と菅野(智之)投手を選んだと思うので、あとは最後を誰が務めるのかさえ決まれば、チームとしての形は完成するでしょう」
――野手陣は国内組で11人を選びましたが、その中での注目の選手は?
「野手陣も投手陣同様にひとまずは順当な選出でしたが、その中で11月の強化試合で結果を出した鈴木誠也選手を選びました。右の外野手として、打力としてだけでなく、守備力、走力も期待できる選手。強化試合でも初代表という緊張感のある中で勝負強さを見せた。海外の投手、初対戦の投手に対しての対応力も見せてくれたので、本番でも非常に期待できると思います」
――追加でMLB所属の青木宣親選手が選ばれましたが、改めて彼に期待する部分は?
「日本を代表するバッターであることは間違いないですし、メジャーでも結果を残し続けている。日本での経験、メジャーでの経験に加えて、WBCで優勝した経験もある。年齢的にも今回のメンバーの中では上になりますし、チームの精神的な支柱として期待したいですね。試合に出るだけじゃなくて、いろんなアドバイスもできるはずなので、青木選手が加わった意味は大きいと思います。チームを作る上で、経験者というのはやっぱり必要不可欠ですからね」
――全28名なので残りが9名です。残りのメンバーを選ぶ上での注目ポイントは?
「外野手は内川(聖一)選手も含めてもう5人いる。ポジション的に考えると、内野手で、あと1人か2人。そして捕手でもう1人。そうなると、人数的にもやっぱり投手の人選が重要になってくる。WBCは球数制限もあるので、いわゆる第2先発も必要になってくる。その中で先発、中継ぎ、そして抑えという役割分担をどうするのか。今のメンバーを見る限りではクローザーを誰にするのかが見えてこない。残りの追加メンバーの中から各球団のクローザーの中から誰を選ぶのか。そして何人選ぶのか。そこが最大のポイントになるでしょうね」
――世界一奪還へ向けて、メンバー選考と同時に大会までの調整が重要になってきますが?
「ひと昔前までは、オフは完全に休む選手が多かったですけど、今は休み過ぎないようにオフの間も体を動かしている選手が多い。最近は春季キャンプでも早い時期から紅白戦などをする球団が増えてきましたし、例年から調整方法を極端に変えることはないと思います。ただ、試合形式の調整は2月にならないとできないので、どうしても試合勘というものへの心配はある。特に打者陣ですね。オープン戦の時期に大会があるので、そこに一度ピークを持ってくることができるか。シーズンの疲れも取らないといけないですし、ハイペースになり過ぎるのも良くない。その辺のメリハリをうまくつけて、この12月から1月、2月をうまく過ごしてもらいたいですね」
――今回、前倒しでメンバーを発表したことに関してのメリットは?
「選ばれた選手たちは、すでに侍ジャパンの主力としての自覚がありますし、常にいつでも動ける状態をキープしている選手たちなので肉体的な部分では変わらないと思います。でもファンも含めた周り見方は変わってくる。これからも残り9人、誰がメンバーに入るのか、誰をどの打順で使うのか。それを考えたり、議論したりするだけで楽しいですし、今回、メジャーリーガーの青木選手が参加してくれたことで、また一つ楽しみが増えた。来年の春季キャンプも、WBCへ向けた調整という意味で注目度が変わってくるでしょうし、選ばれた選手たちは大変ですけど、是非とも期待に応える働きを見せてもらいたいですね」
2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™
大会日程
1次ラウンド
プールB
2017年3月7日(火)~11日(土)
2017年3月7日(火)19:00 日本 11-6 キューバ
2017年3月8日(水)19:00 オーストラリア 1-4 日本
2017年3月10日(金)19:00 日本 7-1 中国
2次ラウンド
プールE
2017年3月12日(日)19:00 オランダ 6-8 日本
2017年3月14日(火)19:00 日本 8-5 キューバ
2017年3月15日(水)19:00 日本 8-3 イスラエル
決勝ラウンド
準決勝
2017年3月21日(火)18:00(日本時間22日10:00)日本 1-2 アメリカ
決勝
2017年3月22日(水)18:00(日本時間23日10:00)プエルトリコ 0-8 アメリカ
会場
高尺スカイドーム
東京ドーム
マーリンズパーク
エスタディオ・チャロス
ペトコ・パーク
ドジャー・スタジアム
公式サイト
練習試合
3月18日13:05(日本時間19日5:05)シカゴ・カブス 6-4 日本
3月19日13:05(日本時間20日5:05)ロサンゼルス・ドジャース 3x-2 日本