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稲葉監督がソフトバンク、巨人の春季キャンプを視察 オーストラリア戦に向け期待を寄せる

2018年2月2日

 侍ジャパントップチームの稲葉篤紀監督が2月2日、宮崎でキャンプを張っているソフトバンクと巨人を視察した。3日以降も宮崎、沖縄と各球団のキャンプ地を訪問する。最後は12球団で唯一、海外で行っているアリゾナの日本ハムキャンプへも出向く予定となっている。

 トップチームは3月3日にナゴヤドーム、4日に京セラドーム大阪で開催されるENEOS 侍ジャパンシリーズ2018「日本 vs オーストラリア」が控えている。1月23日に東京都内で記者会見が行われ、コーチ陣5人と代表選手が一部(6人)発表。残りのメンバー22人を選考するにあたり、自ら足を運び、その目で最終判断するのが今回の視察の目的である。

 2月2日は9時50分に球場入り。ソフトバンク・王貞治球団会長と談笑し、工藤公康監督とともにウォーミングアップを見守った。その後、すでに代表メンバーに選出している柳田悠岐、甲斐拓也、千賀滉大と順に握手した。

「ソフトバンクのキャンプは緊張感があって、みんないい顔をしていた印象がある。工藤監督には選手のオフの過ごし方などについて話を聞いた。すでに代表に選んでいる柳田、甲斐、千賀だけでなく、若くて魅力がある選手がたくさんいるチーム。JAPANの試合はプレッシャーもあるし、負担も大きいものだが、工藤監督を含めて協力的でありがたい」

 主力打者として期待される柳田についてはこう語った。
「これまでもJAPANの主軸になっている選手だが、ケガで代表を外れたりしているので、体調面だけ気をつけるように話した。体がすごく大きくなっていて『頑張ります』との一言が頼もしかった。私の目指す野球の中でスピードとパワーがある柳田は楽しみ。三拍子そろっているし、軸になってほしい選手。長打力があって、足があって、選球眼がいいので1番から5番の早い打順を任せることになるだろう」

 エース候補の千賀については「今のところ先発として考えている。WBCを経験しているし、投手陣を引っ張っていってほしい。日本を代表する投手になれる資質がある」とコメントし、育成ドラフトで同期入団の甲斐については「昨年の11月に一緒にやって、これからの日本を支えるキャッチャーの一人になれると思った。フル代表は初めてだが、まずは経験を積んで、いいキャッチャーになってもらいたい」と期待を寄せた。

 そして、昨年11月のアジアチャンピオンシップの初戦(対韓国)で劇的な同点3ランを放った上林についての期待について問われると、「このオフにどれだけの取り組みをやってきたのかが、この春に出てくる。長い目で見ていきたい選手の一人」と、目を光らせた。

 移動した巨人のキャンプ地では早速、高橋由伸監督と意見交換。このとき、グラウンドでは坂本勇人と長野久義が付フリー打撃中。打撃を終えた坂本が稲葉監督の下にあいさつに訪れ、5分程度会話した。最後は小林誠司の打撃練習を視察し、14時30分に球場を後にしている。

 稲葉監督は巨人の印象を「昨年の悔しさを選手1人ひとりが持っている感じで、黙々とやるべきことをしっかりやっている印象」と語ると、坂本の会話を明かした。

「体調面のこと。このキャンプは(バットを)振っています、練習をしっかりしていますと。今日2日目だけれど非常によく振れている。若い選手に混じって先頭に立ってやっているのは本人にとってもチームにとっても非常にいいことと思う」。当然、中心選手の一人として考えており、「本人も20年の東京五輪を目標にしていると話してくれた。その中で期待している部分がある。そういう話をさせてもらった」と期待を込めた。

 加えて「年齢的にも五輪の時はいい年齢。代表経験もあって経験もたくさんある選手。そういう意味ではチームをまとめられるような選手になってくれれば」と、将来のチームのまとめ役をも担ってほしい存在であると話した。今回の強化試合の招集については「経験をしている選手なので、その点は違うかなと思うけどこれからですね。いろいろな選手を見ていきながら。バランスを考えながら決めていきたい」と明言はしなかった。

 そして、昨年のWBCに続き日本の主戦投手として期待される菅野智之については「もちろん今の日本のエースだと思っている。20年もたぶんエースになっているだろうと思う選手。実力は分かっていますのでこれからも中心選手と考えていきたい」と、信頼を口に。

 また、昨年のWBCでマスクをかぶった小林については「当然、ジャイアンツの投手を受けているのはありますし、日本を代表する菅野の球を受けて勉強してやってきたと思う。そういう彼の経験は大事になる。今後も見続けたい」と話した。

 稲葉監督の指揮官としての初陣で、優勝を遂げた昨年11月のアジアチャンピオンシップは若手主体の編成であった。だが、3月の強化試合は原則「フル代表」の28人で戦う。

「現段階である程度、トップチームを作る。土台を作るじゃないですけど、今いるトップチームというのを集まっていただいて当然、昨年11月のメンバーも加味しながら、です。今後を見据えて(初召集も)います」

 すでに今回のチーム構想は「試合は3月初旬ですし、ある程度は持っている。正直、20年までいろいろ試せるのはこの1年と思う。若い選手をジャパンで経験させたいというのはある。そういうことも考えていかないと」と話した。

 稲葉監督は2年後のオリンピックを見据え、この強化試合2試合を重要な位置づけとしており、2月中旬に発表予定の最終メンバーの顔触れが注目されるところだ。

ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018

大会概要 チケット  出場選手 放送予定

試合日程

3月3日(土)19:00 日本 2 - 0 オーストラリア
3月4日(日)19:00 オーストラリア 0 - 6 日本

開催球場

3月3日(土)ナゴヤドーム
3月4日(日)京セラドーム大阪

出場チーム

日本、オーストラリア

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