野球日本代表「侍ジャパン」のトップチームが3月2日、『ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018「日本vsオーストラリア」(3日=ナゴヤドーム、4日=京セラドーム大阪)』を前にした前日練習をナゴヤドームで実施。練習後の会見には、稲葉篤紀監督、第1戦の先発が発表された千賀滉大(福岡ソフトバンク)とともに、オーストラリア代表のスティーブン・フィッシュ監督、同じく第1戦先発のトラビス・ブラックリーの計4名が出席し、それぞれ意気込みを語った。
侍ジャパンはこの日、第1戦の舞台となるナゴヤドームで約2時間の練習を実施。ウォーミングアップ、キャッチボール、投内連係を行った後、投手と野手に別れてメニューを消化した。
野手ではシートノックの際に、外崎修汰(埼玉西武)と松本剛(北海道日本ハム)の2選手がそれぞれレフト、センターでノックを受けた後、すぐに内野用グラブ(松本剛はファーストミット)に持ち替えて内野ノックにも参加。普段のペナントレースとは異なり、登録人数の限られる国際大会では、複数ポジションを守れる選手はチームにとっては貴重な存在といえる。
その後、野手陣がフリー打撃で1球1球を確かめるようにスイングし、快音を響かせると、小林誠司(読売)、田村龍弘(千葉ロッテ)、甲斐拓也(福岡ソフトバンク)の最終組に稲葉篤紀監督自ら打撃投手を務め、就任以降、「3年後に向けてじっくりと見ていきたい」としていた捕手陣の打撃をチェック。快音を響かせた約1年ぶりの代表招集の小林誠司には「ナイスバッティング」と声を掛け、田村龍弘には「ランエンドヒット!」と状況を想定させながら投じ、そのパフォーマンスに満足そうにうなずいていた。
一方の投手陣はブルペンに入る選手、補強トレーニングを行う選手とおのおの充実の時間を過ごした。ブルペンに入った地元・中日の田島慎二は「今日も良い感じで投げられました。地元での試合ですが、変に力を入れずに、自分を見失わないよう、やれることを100%出し切ります」と意気込みを語っていた。また、大学時代に日の丸を経験し、今大会でトップチーム初招集となった東浜巨(福岡ソフトバンク)は、「トップチームは全然違います」としたものの、今大会では福岡ソフトバンクから計7名が選出されており、「だいぶ助かっています。僕はアピールする立場。やるからには勝利に導けるように、自分の力を出し切りたい」と誓った。
侍ジャパンの練習後に行われた会見では「すべての選手がキーマン。これからどのように成長していくか、非常に楽しみ。試合ではとにかく全力で、いいものが出せるようにやっていきます」と話した稲葉篤紀監督。注目の打順については「さまざまなことを考慮して、これからじっくり考えます」と話すにとどめたものの、第1戦の先発には千賀滉大を指名。「国際経験も豊富ですし、トップチームの初戦。しっかり彼に投げてもらい、任せたいなと思っています」と期待をかけた。その千賀は地元・愛知での登板に「今後にもつながる大事な試合の一歩目。いい形でつなげられるように、良いピッチングをしたい」と意気込みを語った。
対するオーストラリアのスティーブン・フィッシュ監督は、「経験のあるベテラン選手もいますが、我々は2020年の東京オリンピック出場を目指した若いチーム。そういう意味においては、強い侍ジャパンのみなさんと試合ができることをうれしく思います」としつつ、「楽な試合になるとは思っていません。守備をしっかりする、ストライクをしっかり取る、ボールを低くまとめる。そして適切な時にヒットを打つ。こういうことをしっかりやっていきたい」と日本のお家芸でもある緻密な野球で、その日本から勝利を収めることを誓った。
なお、オーストラリアは東北楽天でもプレーした経験のある左腕のトラビス・ブラックリーが第1戦の先発予定。「先発を任されるのは名誉なこと。私はパワーピッチャーではありません。私の知っているやり方で、ベストを尽くし、勝つことができるように頑張りたい」と久々の日本での登板を喜んだ。
いよいよ明日から、稲葉篤紀監督就任後、初めてのフル代表の試合が行われる。2020年の東京オリンピックへの大切な初戦は、ナゴヤドームにて19時試合開始予定だ。