大谷翔平の好投から始まった第1回大会は韓国に逆転負けを喫し悔しい3位
2024年11月12日
11月13日に開幕する「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」。過去2大会でも様々な激闘が繰り広げられたが、今回は2015年に行われ3位に終わった第1回大会を振り返る。※()カッコ内は当時の所属
5戦全勝もやや不安を残して準々決勝へ
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プレミア12の歴史は、大谷翔平(日本ハム)から始まった。2015年11月8日の韓国戦、小久保裕紀監督は、記念すべき第1回大会の幕開けとなる先発投手に大谷を送る。大谷もその期待に応えて札幌ドームのマウンドで躍動。最速161キロのストレートとキレ味抜群のフォークを有効に使うなどして、3回までに計5奪三振と快調な滑り出しを見せる。その後も、5回にこそ二塁打と四球で無死一、二塁のピンチを背負ったが圧巻の三者連続三振で凌ぐと、6回2安打無失点10奪三振という見事な内容で大会最初の勝利投手に。その後カージナルスでもプレーするキム・グァンヒョンに投げ勝った。
こうして幸先良くスタートを切った侍ジャパンは台湾に戦いの場を移した。メキシコとのオープニングラウンド第2戦は、この年の沢村賞右腕の前田健太(広島)が5安打7奪三振2失点と試合を作るが徐々に点差を縮められると澤村拓一(巨人)が勝利まで残り1球までこぎ着けながらも同点を許してしまう。それでも最後は中田翔(日本ハム)がこの日5打点目となるサヨナラタイムリーを放って激戦に終止符を打った。
その後、ドミニカ共和国戦は中田の勝ち越し2点タイムリー、アメリカ戦は筒香嘉智(DeNA)と中田が3打点、松田宣浩(ソフトバンク)が4打点の活躍で10得点の大勝で、1試合を残してオープニングラウンド・グループBの首位通過を決めた。
オープニングラウンド最終戦はベネズエラと対戦。終始優位に試合を進めていたが9回表に松井裕樹(楽天)が1死から2本の安打と四球で満塁のピンチを招くと逆転打を許した。それでもその裏に、先頭の今宮健太(ソフトバンク)の安打から1死満塁のチャンスを掴むと、相手投手の暴投と中村晃(ソフトバンク)のサヨナラ打で勝利。好調な打線の一方で、終盤の投手陣にやや不安を残して決勝トーナメントに駒を進めた。
鬼門の9回に逆転負け
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準々決勝はグループAを4位通過したプエルトリコと対戦。小久保監督はエースに指名した前田を先発マウンドに送り、打線では負傷した中村剛也(西武)に代わって筒香を4番、絶好調の中田を5番に繰り上げ、前夜にサヨナラ打を放った中村8番に据えた。
試合は立ち上がりから侍ジャパンのペースで進んだ。初回に筒香がレフト前タイムリーを放つと、3回には平田良介(中日)がレフトオーバーのタイムリー、4回には坂本勇人(巨人)が左中間への2点タイムリーを放ってリードを広げた。
投げては前田が7回4安打7奪三振無四球と好投、打線は中盤以降も攻撃の手を緩めることなく、6回に坂本のタイムリー、7回には松田の犠牲フライと嶋基宏(楽天)のタイムリーで2点、8回には中村のタイムリーで2点を追加し計13安打で9得点を奪った。最終回は前田、則本昂大(楽天)の後を受けた増井浩俊(日本ハム)が3ランを打たれたが、大勢に影響なく9対3で準決勝進出を決めた。
東京ドームに戦いの場を移した準決勝は、宿敵の韓国と対戦。先発のマウンドには開幕戦以来の登板となる大谷が上がった。大谷はこの日も圧巻の投球。最速160キロのストレートを軸に4回1死から5者連続三振を奪い、6回まで無安打に抑えるなど強力韓国打線を一切寄せ付けず。7回85球を投げて1安打無失点、二塁すら踏ませずに11奪三振の快投劇を演じた。打線も4回に平田が先制タイムリーを放ち、さらに相手守備の乱れで1点を追加すると坂本の犠牲フライで3点目を奪った。その後の7回無死一、二塁、8回1死一、二塁のチャンスでは追加点を奪えなかったが3対0で最終回に進んだ。
しかし、勝利を目前にした9回表だった。イニングまたぎでマウンドに上がった2番手の則本が、韓国の代打攻勢の前に連続安打を許して無死一、二塁とされると、1番チョン・グンウに三塁線を破られて1失点。さらに続くイ・ヨンギュに死球を与えて満塁になると、ここで代わった3番手の松井が押し出し四球で1点差。そしてなおも無死満塁の場面で、4番手の増井がイ・デホにレフト線への2点タイムリーを浴びて逆転を許した。その裏2死から中田がセンター前ヒットで出塁したが、最後は代打・中村がサードゴロに倒れて試合終了。無念の逆転負けで初代王者への野望は潰えた。
3位決定戦のメキシコ戦は山田哲人(ヤクルト)、中田、松田、秋山翔吾(西武)の5本塁打(山田が2本)などで11対1の7回コールドで大勝し3位には入ったが、あらためて一発勝負の国際大会で勝つ難しさを痛感させられた大会となった(決勝は韓国がアメリカを下して初代王者となった)。
ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12
試合日程
オープニングラウンド(グループB)
2024年11月13日(水)19:00 日本 9 - 3 オーストラリア
2024年11月15日(金)19:00 日本 6 - 3 韓国
2024年11月16日(土)19:00 チャイニーズ・タイペイ 1 - 3 日本
2024年11月17日(日)19:00 日本 7 - 6 キューバ
2024年11月18日(月)19:00 ドミニカ共和国 3 - 11 日本
スーパーラウンド
2024年11月21日(木)19:00 日本 9 - 1 アメリカ
2024年11月22日(金)19:00 日本 9 - 6 ベネズエラ
2024年11月23日(土)19:00 日本 9 - 6 チャイニーズ・タイペイ
決勝
2024年11月24日(日)19:00 日本 0 - 4 チャイニーズ・タイペイ
開催球場
オープニングラウンド(グループB)
バンテリンドーム ナゴヤ、台北ドーム、天母スタジアム
スーパーラウンド・決勝・3位決定戦
東京ドーム
出場チーム
グループA
メキシコ、アメリカ、ベネズエラ、オランダ、パナマ、プエルトリコ
グループB
日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、キューバ、ドミニカ共和国、オーストラリア