京セラドーム大阪で行われた2014SUZUKI日米野球の第1戦。実に8年ぶりとなるMLBオールスターチームとの対決は、2対0で侍ジャパンが勝利した。
先発のマウンドに上がったのは、エースナンバー18を背負う前田健太(広島)。初回、MLBオールスター2番・カノに安打、続くロンゴリアに四球を与えいきなり一死一、二塁ピンチを迎えるも、4番・モーノーをセカンドゴロ、5番・プイグを空振り三振に切って取り、無失点に抑える。
「初回は球数が多かった」と振り返った前田は2回以降、スライダーを武器に立て直しに成功した。投球の3割近くを占める前田のスライダーは今季、左打者に対しNPBで最も低い被打率1割7分を誇っていた得意球。左打者が先発9人中5人並んだ(両打ち3名含む)MLBオールスターに対しても威力を示し、2回以降はわずか1安打に抑える投球。5回無失点でマウンドを下りた。
10日の壮行試合で散発4安打だった打線は、2回に松田宣浩(福岡ソフトバンク)の犠牲フライで1点を先制した後、4回裏二死二塁の場面で打席に入った山田哲人(東京ヤクルト)が、カウント1ボール2ストライクからの変化球をレフト前へ弾き返して貴重な2点目。追い込まれてからも3割近いアベレージ(2割9分2厘 ※NPB2番目)を誇る確実性の高さをMLBオールスター相手にも発揮し、「8番・ファースト」での先発起用に見事に応えた。
最終的に2点止まりだった打線だが、3度の連打を含む計9安打を記録するなど繋がりは見せた。一方の投手陣は、前田のあとを牧田和久(埼玉西武)、大谷翔平(北海道日本ハム)、西野勇士(千葉ロッテ)が無失点に抑える完封リレー。代表デビューとなった20歳・大谷は、最速159km/hをマークし、この日投じたストレートは全て150km/h以上。NPB平均球速トップ(平均152.5km/h)の実力をまじまじと見せつけた。
赤星アンバサダー試合後の戦評コメント
試合全体を振り返って、日本のやりたい野球ができたのではと思う。特に4回の2点目。盗塁で二塁に進んだランナーをヒット1本で返した。そして僅差の試合を投手の踏ん張りで勝利に結びつけた。小久保監督のやりたい象徴的な試合、国際舞台において日本の目指すべき試合展開だったと言えるでしょう。
投手陣では、先発の前田が5回無失点。低めへのコントロールや変化球の精度の高さを見せて、日本の投手の優秀さを証明するピッチングでした。2番手の牧田は変則的でメジャーにはいないタイプですし、この日も国際舞台での経験を感じましたね。前田と牧田はメジャー球の経験がありましたし、安心できる内容でした。そして大谷もメジャーの強打者相手に、ストレート勝負で詰まらせていた。彼の持ち味を十分に発揮したと思います。
この日の打撃陣は、日の丸を背負った緊張感がいい方向に出ましたね。メジャーの投手は真っ直ぐでも球を動かしてくるだけに、ストライクゾーンの球をきっちりと打てる選手がいい結果を出していました。パワーではなく、技術。メジャーの様々なタイプのピッチャーに対して今後、日本のバッターがどう対応して行くかが楽しみです。
2014 SUZUKI 日米野球
試合日程・結果
- 11/10(月)侍ジャパン 0 - 1 福岡ソフトバンク・北海道日本ハム連合
- 11/11(火)阪神・巨人連合 7 - 8 MLBオールスターチーム
- 11/12(水)侍ジャパン 2 - 0 MLBオールスターチーム
- 11/14(金)MLBオールスターチーム 4 - 8 侍ジャパン
- 11/15(土)侍ジャパン 4 - 0 MLBオールスターチーム
- 11/16(日)MLBオールスターチーム 6 - 1 侍ジャパン
- 11/18(火)侍ジャパン 1 - 3 MLBオールスターチーム
- 11/20(木)MLBオールスターチーム 4 - 6 侍ジャパン