小久保ジャパンに最年少で選ばれたのが、高卒2年目の今季、東北楽天の絶対的守護神に成長した松井裕樹だ。甲子園で数々の奪三振記録を塗り替えた黄金左腕が、今季はリリーフに転向してシーズンセーブ数の球団記録を更新する活躍を見せ、侍ジャパンの守護神候補に名乗りを挙げた。
桐光学園高では2年夏の神奈川県大会で、準決勝で横浜高、決勝では桐蔭学園高と名だたる名門校を倒して甲子園に出場した。「高校生では打てない」と言われた切れ味鋭いスライダーを武器に、横浜高戦では11奪三振、桐蔭学園高戦は15奪三振を記録し、「神奈川のドクターK」と名を馳せた。
大会ナンバーワン投手として注目された甲子園では、初戦の今治西高戦で10者連続奪三振を含む1試合22奪三振をマークし、大会記録を更新した。投手が1試合に完投して奪うアウトが27ということを考えると、この数字の凄さがわかるだろう。2回戦の常総学院高戦でも19奪三振、初戦から2試合連続の毎回奪三振というおまけ付きだった。準々決勝の光星学院高戦でチームは敗退したが、松井は全4試合に登板し、36イニングを投げて歴代3位、左腕では史上最多となる68奪三振を記録した。
3年時は春、夏とも甲子園出場を逃したが、8月のAAA世界野球選手権に18歳以下の日本代表として出場し、チームの準優勝に貢献した。予選1次ラウンドの台湾戦、予選2次ラウンドの韓国戦、決勝のアメリカ戦に先発した松井は、3試合で防御率1.80、27奪三振と世界の舞台でも、その実力を発揮した。
ドラフトでは5球団が1位指名で競合し、東北楽天が交渉権を獲得した。同時期にチームのエースだった田中将大のメジャー移籍が決まり、その後継者として期待された松井には、プロの投手としては珍しい背番号「1」が与えられた。その期待通り、高卒1年目から先発ローテ入りを果たしたが、制球難もありなかなか勝ち星には恵まれなかった。それでも71回1/3イニング被本塁打なしと、高卒新人としては48年ぶりにプロ野球記録を更新し、通算でも116イニングを投げて奪三振は126と、大器の片鱗は見せた。
そして今季、チーム事情で急遽クローザーに転向すると、開幕直後からセーブを積み重ね、球団記録のシーズン22セーブ、さらには高卒2年目の歴代記録である同27セーブを上回る33セーブを挙げた。リーグ5位となる63試合に登板して防御率0.87、奪三振は72回1/3イニングで103奪三振と、まさに絶対的守護神と呼ぶにふさわしい活躍だった。
「神奈川のドクターK」から「球界を代表するクローザー」となった松井にとって、プレミア12は「世界のドクターK」へと踏み出す第一歩となる。
- 投手
- 10 松井裕樹(東北楽天) 選手紹介
- 11 菅野智之(読売) 選手紹介
- 14 則本昂大(東北楽天) 選手紹介
- 15 澤村拓一(読売) 選手紹介
- 16 大谷翔平(北海道日本ハム) 選手紹介
- 18 前田健太(広島東洋) 選手紹介
- 19 増井浩俊(北海道日本ハム) 選手紹介
- 21 西勇輝(オリックス) 選手紹介
- 22 大野雄大(中日) 選手紹介
- 24 山﨑康晃(横浜DeNA) 選手紹介
- 29 小川泰弘(東京ヤクルト) 選手紹介
- 30 武田翔太(福岡ソフトバンク) 選手紹介
- 35 牧田和久(埼玉西武) 選手紹介
- 捕手
- 27 炭谷銀仁朗(埼玉西武) 選手紹介
- 37 嶋基宏(東北楽天) 選手紹介
- 52 中村悠平(東京ヤクルト) 選手紹介
- 内野手
- 2 今宮健太(福岡ソフトバンク) 選手紹介
- 3 松田宣浩(福岡ソフトバンク) 選手紹介
- 5 川端慎吾(東京ヤクルト) 選手紹介
- 6 坂本勇人(読売) 選手紹介
- 9 中島卓也(北海道日本ハム) 選手紹介
- 13 中田翔(北海道日本ハム) 選手紹介
- 23 山田哲人(東京ヤクルト) 選手紹介
- 60 中村剛也(埼玉西武) 選手紹介
- 外野手
- 7 中村晃(福岡ソフトバンク) 選手紹介
- 8 平田良介(中日) 選手紹介
- 25 筒香嘉智(横浜DeNA) 選手紹介
- 55 秋山翔吾(埼玉西武) 選手紹介
ひかりTV 4K presents 世界野球WBSCプレミア12 侍ジャパン強化試合 日本 vs プエルトリコ
日程 | 球場 | カード | 戦評 | チケット | TV放送 |
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11/05(木)19:00 | 福岡ヤフオク!ドーム | プエルトリコ 3 - 8 日本 | レポート | 購入方法 | テレビ朝日系列 |
11/06(金)19:00 | 福岡ヤフオク!ドーム | 日本 - プエルトリコ | - | 購入方法 | TBS系列 |
世界野球WBSCプレミア12
日程 | 球場 | カード | 戦評 | チケット | TV放送 |
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11/08(日)19:00 | 札幌ドーム | 日本 - 韓国 | - | 購入方法 | テレビ朝日系列 |
11/11(水)19:00 | 天母(台湾) | 日本 - メキシコ | - | - | テレビ朝日系列 |
11/12(木)19:00 | 桃園(台湾) | ドミニカ - 日本 | - | - | TBS系列 |
11/14(土)19:00 | 桃園(台湾) | アメリカ - 日本 | - | - | テレビ朝日系列 |
11/15(日)19:00 | 桃園(台湾) | 日本 - ベネズエラ | - | - | TBS系列 |
11/16(月)19:00 | 未定(台湾) | 準々決勝 | - | - | TBS系列 |
11/19(木)19:00 | 東京ドーム | 準決勝 | - | 購入方法 | TBS系列 |
11/21(土)19:00 | 東京ドーム | 決勝 | - | 購入方法 | テレビ朝日系列 |
※台湾開催の時間は日本時間