7月29日に開幕する「第3回WBSC U-15ベースボールワールドカップ2016 inいわき」に向けて、22日に来日したニュージーランドU-15代表。
前日の25日は休養にあて、浅草や原宿、恵比寿に東京タワーと東京の観光名所を周り、日本文化や街並みに触れることに時間を割いた。その中でも、代表選手たちが最も心惹かれたのが、「明治神宮」だったと話す清水直行代表監督。日本の名所観光で新たにパワーを充電し、ヤングリーグ所属の明友硬式野球倶楽部の選手たちとの合同練習に臨んだ。
朝9時から、小雨が舞う中、ハナマウイボールパークにて練習が始まった。
「どういう反応をするのか見てみたい」(清水監督)と、この日はウォーミングアップから日本式のメニューを取り入れた。
ウォーミングアップでは慣れない動きに四苦八苦しながらも、明友硬式野球倶楽部の選手たちの動きを見ながら、すぐに順応していくニュージーランド代表の選手たち。また、キャッチボールでは、両チームともに笑顔で、「ナイススロー!」「ダイジョウブ!」など日本語と英語が混ざりあったコミュニケーションを取る場面も。
その後のバッティング練習では、楽し気なムードの中にも真剣な部分もあり、互いのバッティングを食い入るように見つめていた。
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
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


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昼食後のシートノックでは、清水監督がノッカーを務め、両チームの選手たちが入り乱れてのノックを実施。ニュージーランド代表チームの力強いスローに、明友硬式野球倶楽部からは驚きの声が上がり、また、明友硬式野球倶楽部の丁寧なグラブさばきに、今度はニュージーランド代表チームから歓声が上がった。同じメニューをこなすことで、お互いに良い相乗効果が生まれていった。
この練習場面では終始、ニュージーランド代表の選手たちが、バッティングケージに入る際などの節目で、「オネガイシマス」「アリガトウ」と、礼をしている姿が目立った。
清水監督は、「礼に始まり礼に終わる。日本の野球道、いや、スポーツ道ですね」と話す。清水監督が、日本の野球道で大事にしていることは他にもある。試合中に限らず、練習開始の前や、メニューが切り替わる際は、みんなで集まり、これから行う内容について確認し、話し合うようになった。これは、以前のニュージーランド代表には無かった取り組みだ。
「試合中は選手たちが何とかするしかないし、指導者がどうにかしてくれると覚えさせたら彼らのためにならない。だから自主性を重視するけれど、その中でもみんなで話し合って決める、ということはさせているんです。これはKIWI野球の基礎となってほしいし、必ず彼らの将来の役に立つと思うんです」
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
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縁あって野球をプレーしている少年たちには、野球から離れたとしても将来、国にとって役に立つ人材になってほしいという清水監督の願いがある。
ニュージーランドの人々というとラグビーなどのコンタクト系のスポーツが強いお国柄から、ポジティブで陽気なイメージがあるが、実はとても繊細でシャイな一面もあると清水監督は言う。野球のように配球や作戦などで高度な駆け引きをするような場面だと、深く考えすぎナイーブになってしまう選手も少なくないらしい。
そんな彼らに、清水監督は、自分だけで考え込まず仲間と意見を出し合い解決するという道を示すことでさらに力を引き出そうとしている。
清水監督は、他にも、「グラウンドではだらだら歩かず、走れと伝えています。野球は準備が大切なスポーツですから」と、事前準備や規律を重んじた指導も取り入れている。ただ、それは「日本式」を押し付けるわけではなく、あくまで野球というスポーツがそうであってほしいという思いからだ。
「日本でも、野球部出身と聞くと『お!しっかりしてそうだな』とポジティブな反応になるでしょ?それがニュージーランドでも根付いてくれるといいなと思っています」
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午後からの明友硬式野球倶楽部との練習試合でも、試合の始まりの挨拶に、ジャパニーズスタイルを取り入れた。試合前、一列に並び挨拶をかわす姿は、まだぎこちないが、それでも新しい経験に目を輝かせるニュージーランド代表の選手たち。
試合は2回表、1点ビハインドで迎えたニュージーランド代表が四球とヒットで満塁とすると、タイムリーを重ね4点を奪う。その後、細かい継投でリードを守り切り、4対2で勝利した。 一昨日は「学びの試合」だったが、この日は実践的な試合を意識した。ワンポイントで起用したい選手には、あえてポジションを何度も変えたりと、本番に起こりうる展開に備えた。 また、明日の侍ジャパンU-15代表との練習試合に向け、温存した選手もいるという。試合後、ニュージーランド代表の選手たちは、
「4日間ありがとう。とてもいい経験になりました」と挨拶。明友硬式野球部からはメッセージ付きの写真が送られ、両チームの選手たちはがっちりと握手を交わした。
「ここまでの合宿で、ようやくニュージーランドU-15代表がチームとして成り立ってきました。27日の侍ジャパンU-15代表との練習試合は良い力試しになります。レベルの高い野球と戦うことが、彼らの今後の糧になってくれたら嬉しいです」
そう笑顔を見せる清水直行監督と共に、ニュージーランドU-15代表は、まずは明日の侍ジャパンU-15代表との合同練習、そして練習試合に挑む。
第3回WBSC U-15ベースボールワールドカップ2016 in いわき
ニュージーランドU-15代表
大会期間
オープニングラウンド
7月29日(金)12:00 パナマ 16 - 1 ニュージーランド
7月30日(土)10:00 ニュージーランド 3 - 11 メキシコ
7月31日(日)13:30 ニュージーランド 3 - 16 ベネズエラ
8月 1日(月)13:30 アメリカ 16 - 1 ニュージーランド
8月 2日(火)13:30 チャイニーズ・タイペイ 10 - 4 ニュージーランド
コンソレーションラウンド
8月4日(木)~8月7日(日)
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