7月6日、第41回日米大学野球選手権大会(米国現地時間7月12日開幕)に向けた侍ジャパン大学日本代表の直前合宿が、神奈川県平塚市のバッティングパレス相石スタジアムひらつかで始まった。
海外対策やコンディショニングに重点
結団式を終えた選手たちは、午後1時すぎからグラウンドでアップを開始し、約3時間半の全体練習を行い、国際大会対策やコンディショニングの調整を図った。
まず通常のシートノックを2回行い、各選手が異なる守備位置でノックを受けた。これについて善波達也監督は「大会を戦っていく中で、守備位置を動かしても、なるべくミスがなくなるように」と説明。短期決戦の国際大会で起用の幅を広げるためにも欠かせない要素となりそうだ。
その後には、外野の位置からコーチ陣がゴロを打ち、それを野手陣が黒土の内野部分で捕球する変則的なノックも行った。これは日米大学野球とユニバーシアード競技大会(8月台湾開催)が内野天然芝球場の球場(走者の走路部分は土)で開催されるため、それに近い感覚を養わせるためのもの。善波監督は「芝でボールが不規則に弾む感覚を持ってもらえれば」と話した。
また投手陣は、日米大学野球での使用球に慣れるため、今春のWBCで使用された海外製のボールを使用し投球練習を行った。
投手陣の軸に立命館大・東を指名
この直前合宿では、7日に三菱日立パワーシステムズ(13時・バッティングパレス相石スタジアムひらつか)、9日に東芝(13時・東芝グラウンド)と社会人2チームと対戦する。
この合宿での最重要課題が、公式戦に近い実戦感覚に上げていくことであるため、善波監督は「大学よりもレベルが高く(都市対抗野球に向けて)状態を上げているチームと対戦させていただき感謝しています」と語った。
また、その2試合の先発を、7日に東克樹投手(立命館大)、9日に栗林良吏投手(名城大)が務めることを明かした。
ドラフト候補の最速152km/h左腕・東については「試合を作れて三振も奪える。今春はリーグ戦でノーヒットノーランをしていたり、圧倒的な投球もしてきましたので」と、投手陣の軸として日米大学野球では開幕戦と第5戦(最終戦)での先発起用を構想しているようだ。
また3年生の栗林については「ボールの力強さが魅力。それが長いイニングでどうなるか適性を見ていきます」と、そのポテンシャルを高く評価した上で抑えやロングリリーフでの起用も視野に入れているという。
日米大学野球前の2試合で、若き侍たちがどんな課題を持ってプレーしていくのか注目だ。
選手コメント
東克樹投手(立命館大)
「(海外製のボールを使い)最初は表面がツルツルしていて投げにくい印象でしたが、投げているうちに慣れていきました。ストレートを握る人差し指と中指の感覚を狭めたら上手くいきました。また、ストレートだけでは打たれるので、緩いカーブやチェンジアップ、ツーシームを織り交ぜていきたいです」