8月29日、侍ジャパン大学日本代表は台湾・台北市立天母棒球場で第29回ユニバーシアード競技大会の決勝をアメリカと戦い、10対0と大勝。見事に、2大会連続の金メダルを獲得した。
攻守で圧倒し初の単独金メダル
重要な先制点は1番・島田海吏外野手(上武大)の足から生まれた。初回にフルカウントから四球を選ぶと、代表選手の中でもトップの俊足を生かして、二塁盗塁に成功。さらに1四球後、3番・中川圭太内野手の犠打の打球を相手捕手が三塁に送球するが、間一髪島田の足が早く、無死満塁のチャンスを作った。
ここで4番・5番は走者を返せなかったが6番・辰巳涼介外野手(立命館大)がセンター前にタイムリーを放って先制に成功する。
さらに2回、侍ジャパン大学代表は猛攻を仕掛ける。小畑尋規捕手(立正大)の二塁打を皮切りに、相手投手の四球なども挟んで、島田、中川圭太(東洋大)・大平達樹(桜美林大)、辰己のタイムリーでこの回一挙6点を獲得し、7対0と序盤で大量リードを奪った。
この援護に、メンバー最年少の2年生ながら先発の大役を任された森下暢仁投手(明治大)は「先輩方のおかげで思いきり投げることができました」と7回まで毎回三振の11奪三振で無失点。8回から後を継いだ齊藤大将投手(明治大)もアメリカの反撃を許さなかった。
そして8回裏にも楠本泰史外野手(東北福祉大)の走者一掃のタイムリーで3点をダメ押し。最後は7月の日米大学野球から好救援を見せていた阪本大樹投手(関西大)が最後の打者を空振り三振に斬って取り、歓喜の瞬間を迎えた。
これで侍ジャパン大学代表のユニバーシアードでの金メダル獲得は2大会連続2回目。前回は雨天中止による台湾との「両国金メダル」という形だったが、今大会は初の単独金メダル獲得となった。
監督・選手コメント
善波達也監督
「点差もあったので優勝の瞬間は“やったー”というよりホッとした気持ちでした。昨年指揮を執った横井人輝監督から引き継いだチームでしたので、スタンドで見守ってくれている前で良い報告ができました。長い準備期間を通して家族のようなチームになることができました」
竹村春樹主将(明治大)
「ただただ嬉しいです。自分たちでは気付かないうちに抜けていたところを善波監督が妥協なく叱っていただき、オンとオフの切り替えがしっかりできました。小学生以来の主将で、最初は不安が大きかったですが、首脳陣の方も選手もサポートしてくれて本当にやりやすかったです」
島田海吏外野手(上武大)
「個の力ではなく全員の力で取れた金メダルです。昨年も選出されていたので、その経験を伝えようとやってきました。貴重な経験をさせていただいたので、今後の野球人生に生かしていきたいです」
中川圭太内野手(東洋大)
「約2カ月の代表活動期間は長いようで短かったです。他の大学の選手たちから様々なものを吸収することができ、野球選手としての視野が広がりました」
森下暢仁投手(明治大)
「先輩方から学ぶことが多かったですし、今日も投げやすい状態でマウンドに上げてもらいました。監督にも良い場面で使っていただき、自分の持ち味を出すことができました」
第29回ユニバーシアード競技大会
大会期間
2017年8月20日~8月29日
予選ラウンド(グループB)
8月20日(日)12:00 ロシア 0 - 19 日本
8月22日(火)12:00 日本 7 - 2 メキシコ
8月23日(水)12:00 日本 11 - 5 アメリカ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
8月25日(金)12:00 日本 2 - 1 韓国
8月26日(土)19:30 チェコ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
準決勝
8月28日(月)19:30 日本 4 - 0 韓国
決勝戦
8月29日(火)19:30 日本 10 - 0 アメリカ
開催地
台湾(台北)
参加国
グループA
韓国、チャイニーズ・タイペイ、チェコ、フランス
グループB
日本、アメリカ合衆国、メキシコ、ロシア