「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)に出場する侍ジャパンU-18代表が8月31日、メーン会場である「ポートアーサー」で約2時間、公式練習を行った。
ウォーミングアップが始まるとすぐさま、チームスタッフがグラウンド周りをチェック。両翼320フィート(約96メートル)、中堅385フィート(約116メートル)。右中間、左中間の膨らみがほとんどなく、外野フェンスにはラバーはないため、外野手は注意が必要となってくる。ちなみに甲子園球場は両翼96メートル中堅120メートル。ファウルグラウンドもかなり狭く、第一印象として圧迫感を感じた。
小枝守監督がチェックポイントとして挙げていたのが「土質、形態、風向き、距離」の4つである。日本の球場ではあまり見られない内野天然芝であるため、内野手は対策が必要となり、外野手もゴロの処理には細心の注意を払っておかなければならない。小枝監督は練習後、こう感想を述べている。
「打球が速い。外野手はゴロの見極めを遅くしておかないと、ヨレることがある。あとはマウンドが高い。傾斜がきついので、感覚を早くつかめればいいと思います」
オープニングラウンド初戦の相手はメキシコ。29日の初練習以降、報道陣の関心は「開幕投手」だ。しかし、小枝監督は「まだ決めていません。(宿舎へ)帰ってスタッフと決めることになる」と明言を避けた。「神経質なので、考えたらキリがない」。現地入り後は深い眠りにつけず、たびたび起きてしまうという。監督とは、それほどまでのプレッシャーを背負っているのだ。さて、日本での合宿期間中に先発候補として徳山壮磨(大阪桐蔭)、川端健斗(秀岳館)、山下輝(木更津総合)、磯村峻平(中京大中京高)の4人をリストアップ。中でも、小枝監督は軸として「徳山が中心になるかな? 自己管理ができている」と期待を寄せる。左腕では「タテの変化、キレがある」と川端を評価しており、2人のいずれかが先発する可能性が高い。
投手起用に頭を悩ませている小枝監督だが、野手の布陣はほぼ固まっている。捕手・中村奨成(広陵)、一塁・清宮幸太郎(早実)、二塁・井上大成(日大三)、三塁・安田尚憲(履正社)、遊撃・小園海斗(報徳学園)、左翼・櫻井周斗(日大三)と増田珠(横浜)の併用、中堅・伊藤康祐(中京大中京)、右翼・藤原恭大(大阪桐蔭)。DHは古賀悠斗(福岡大大濠)が有力だ。
さて、先発投手について、最終的な決め手に欠けるのは「力がドングリ」(小枝監督)と言うチーム事情に加えて「そろっていない」(小枝監督)という、情報量不足も挙がる。関係者によればメキシコは31日までに先乗りの13人がカナダ入りすることになっており、首脳陣は別便だという。明日は朝9時30分プレーボール。残りのメンバーは明朝までに到着する予定となっており、まさしく"ぶっつけ本番"となるわけだ。
「普通の状況では(試合に)入れないでしょう。向こうも日本、ということで意識してくるだろうし……」(小枝監督)。侍ジャパンは現地入り後、3日間調整し、時差ボケも解消された。「日本でケガをしていた野手も回復してきた。期待している」(小枝監督)。
侍ジャパンは万全のコンディションで臨めるだけに、あとは受け身に立たないことだけである。
第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2017年9月1日~9月11日
オープニングラウンド
9月1日(金)22:30 メキシコ 1 - 10 日本
9月3日(日)5:00 日本 0 - 4 アメリカ
9月4日(月)6:00 日本 7 - 2 キューバ
9月5日(火)3:00 オランダ 1 - 3 日本
9月5日(火)22:30 日本 12 - 0 南アフリカ
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
スーパーラウンド
9月7日(木)22:30 日本 4 - 3 オーストラリア
9月9日(土)6:00 日本 4 - 6 カナダ
9月10日(日)2:00 韓国 6 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
3位決定戦
9月11日(月)1:00 カナダ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
開催地
カナダ サンダー・ベイ
参加国
グループA
カナダ、韓国、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、イタリア、ニカラグア
グループB
日本、アメリカ、キューバ、メキシコ、オランダ、南アフリカ