「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)に出場している侍ジャパンU-18代表は9月6日、「ベースボール・セントラル」のメーン球場で、翌日から始まるスーパーラウンドへ向けた練習を、午前10時30分から約90分間行った。前日までオープニングラウンド5連戦を戦い、この日は予備日。昼食を取りミーティングを行った後はショッピングなど、激闘の中で束の間のリフレッシュタイムを過ごした。
前夜には日本料理店で決起集会を開催。小枝守監督は「結束」を確認する場となった。「久しぶりの日本食で、彼らのストレスも取れた。われわれもストレスを感じていたくらいなので、選手にとっては有意義なひと時となりました。このチームはとにかく、明るい。自分のところ(学校)だったら、一睨みするような……(苦笑)。良い連中ですよ」
日本はグループBを4勝1敗の2位通過となった。1位は5戦全勝のアメリカ、3位は3勝2敗のキューバ。スーパーラウンドはこの2チームとの対戦結果が持ち込まれるので、日本は「1勝1敗」の星勘定になる。グループAでは韓国が5戦全勝。決勝進出のラインは「1敗」とみられる。スーパーラウンドはグループAの上位3チームと対戦するが、9日の"日韓戦"が大一番となる可能性が高い。
このあたりの状況は当然、小枝監督も把握しており、決勝まで残り4戦はトーナメント。
「日本としては一つも落とせない。投手陣には『取られる点』は仕方ない、と話している。野手陣には『あげる点』を少なくするか。意志統一を図っています」。つまり、ミスをしたほうが負け、という極めて単純明快な考えだ。
オープニングラウンドは5試合で計8失点と、チーム防御率1.47と抜群の安定感を見せている。今後もロースコア予想されるため、投手力がポイントを握る。スーパーラウンド第1戦の先発は、磯村峻平(中京大中京)が務めることが濃厚。メキシコ、アメリカ戦と救援で3回無失点と好調を維持しており、中4日、万全のコンディションで臨めそうだ。
小枝監督は「一人で投げるのは容易くない」とこれまでとおりの継投を示唆しており、「先を見て野球をやっていると良いことはない」と、総動員で一戦必勝のスタイルを貫く。ただし「単調な配球をしない」と、中村奨成(広陵)と古賀悠斗(福岡大大濠)の捕手2人には指示を出している。「各々に良い部分がある。(対戦相手と)どちらが合うかを判断していきたい」と、先発捕手を決めていくという。
攻撃陣については「軸の選手が(バットの)芯をとらえる確率が高まってきているので、力を発揮できるのでは」と、南アフリカ戦で本塁打を放った清宮幸太郎(早実)、三番・安田尚憲(履正社)をポイントゲッターとして上位、下位打線でも好機を作る、これまでとおりの攻撃パターンに期待を寄せる。
「泣いても笑っても4試合。最後の日に(センターポールに)旗を揚げたいが、その前にずっこけては何も残らない。僕らスタッフがまず、手綱を締めていきたい」
小枝監督は自らに言い聞かせるように、記者会見を締めくくった。
第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2017年9月1日~9月11日
オープニングラウンド
9月1日(金)22:30 メキシコ 1 - 10 日本
9月3日(日)5:00 日本 0 - 4 アメリカ
9月4日(月)6:00 日本 7 - 2 キューバ
9月5日(火)3:00 オランダ 1 - 3 日本
9月5日(火)22:30 日本 12 - 0 南アフリカ
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
スーパーラウンド
9月7日(木)22:30 日本 4 - 3 オーストラリア
9月9日(土)6:00 日本 4 - 6 カナダ
9月10日(日)2:00 韓国 6 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
3位決定戦
9月11日(月)1:00 カナダ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
開催地
カナダ サンダー・ベイ
参加国
グループA
カナダ、韓国、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、イタリア、ニカラグア
グループB
日本、アメリカ、キューバ、メキシコ、オランダ、南アフリカ