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6月21日、インドネシア・ジャカルタで開幕する「第18回 アジア競技大会」に向けた侍ジャパン社会人代表の強化合宿が、大分県佐伯市の佐伯球場で始まった。
落成したばかりの屋内運動広場で13時45分から行なわれた歓迎セレモニーに合わせ、スタッフと選手が集合。セレモニー終了後には石井章夫監督が「昨年のアジア選手権、アジアウインターリーグを経験した選手も多いが、新しいチームを編成したつもり。天候の不安はあるが4日間で我々のチームというものを作っていこう」と訓示し、アジア大会を戦う24選手による練習が本格的にスタートした。
ウォーミングアップの後、投手組はさっそくブルペンへ、野手組はそのまま屋内に留まり打撃練習を開始。その後、野手組は天候が回復した佐伯球場でシートノックを行ない、大きな声を出し合いながらコミュニケーションを深めていった。今回選出されたのはすべて7月の都市対抗野球を戦う選手たちばかりだが、日の丸の下でたちまち結束。意思疎通も問題はなさそうだ。
初日を終えた石井監督は「雨も上がり予定していたメニューにも取り組むことができました。地元のサポートを受け、最高のスタートが切れましたね」と第一声。合宿2日目の22日に予定されている社会人九州選抜とのオープン戦に向けては「今回はこれまでの選考合宿と違って本番を戦うチームとしての合宿。こちらが求めている技術や役割の確認を、試合を通してしっかり行なっていきます」と表情を引き締め直して語っている。
昨年のBFAアジア選手権では全勝優勝を飾った侍ジャパン社会人代表だが、当時の主力のうち田嶋大樹(オリックス)、鈴木博志(中日)、藤岡裕太(千葉ロッテ)、田中俊太(巨人)ら11人がプロ入りし、顔ぶれもガラリと一変した。とくに投手陣で昨年のアジア選手権を経験しているのは最年長の佐竹功年(トヨタ自動車)のみ。国際経験の乏しさが危惧されるところだが、石井監督は「韓国や台湾のパワフルな野球に対抗するために必要なのは“隙を与えず、隙を突く野球”。だからこそ、投手陣を含め最終的には調子の波が少ない選手を選びました。今回の24人が現段階の社会人でベストの選択ということ」と力強く語った。とくに今回初めて選出された富山凌雅(トヨタ自動車)、岡部通織(JX-ENEOS)、森下翔平(日立製作所)、喜納淳弥(NTT東日本)、近本光司(大阪ガス)に対しては、侍ジャパン経験者への起爆剤となることに大きな期待を寄せているようだ。
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明日のオープン戦は岡野祐一郎(東芝)が先発する。力強い直球とウイニングショットとしてのフォークを駆使する現代表のエース候補がどのような投球で応えてくれるか。また、昨年の田中、藤岡に代わって二遊間を組む北村祥治(トヨタ自動車)、青柳匠(大阪ガス)の新二遊間の動きにも注目したい。さらに、アジア大会の4番候補は?その前後を誰が打つのか?いよいよ船出する侍ジャパン社会人代表への興味は尽きない。
なお、歓迎セレモニー前には石井監督をはじめとするコーチ陣に加え、前日入りしていた7選手が地元幼稚園児約60名を対象にティーボール教室を開催。子供たちは侍ジャパンのユニフォームを着た選手たちによる手取り足取りの指導に笑顔を弾けさせていた。
合宿は24日の午前中まで佐伯市で行なわれる。
選手コメント
主将・佐藤旭外野手(東芝)
「ここへ来て、いよいよ最大目標のアジア競技大会金メダルに向けた戦いが始まったんだなと実感しました。今回の強化合宿、8月の直前合宿と侍ジャパンでの活動は8日間だけしかありません。普段は別々のチームでやっているので、細かな確認事項を選手間で共有していかないといけないし、主将としてもしっかりコミュニケーションを取って全員の共通意識を高めていきたいです。去年とはメンバーもがらりと入れ替わりましたが、個の力は間違いなく社会人トップクラス。この合宿を通して自信を深めていきたいです」
第18回 アジア競技大会
大会期間
2018年8月26日~9月1日
予選ラウンド(グループA)
8月26日(日)11:00 日本 15 - 0 パキスタン
8月27日(月)16:00 日本 17 - 2 中国
8月28日(火)11:00 タイ 0 - 24 日本
※開始時刻は日本時間(ジャカルタ:時差-2時間)
スーパーラウンド
8月30日(木)14:00 日本 1 - 5 韓国
8月31日(金)20:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 5 日本
※開始時刻は日本時間(ジャカルタ:時差-2時間)
決勝
9月1日(土)18:00 韓国 3 - 0 日本
※開始時刻は日本時間(ジャカルタ:時差-2時間)
開催地
インドネシア(ジャカルタ)