3日間の強化合宿最終日を迎えた侍ジャパン社会人代表。練習場所の東京ガス大森グラウンドはこの日も朝から気温30度を超え、強い日差しが照りつけた。しかし、時折緩やかに風が吹くと「昨日よりはまだいい」という声が選手から挙がる程、連日の酷暑が当たり前のようになっていった。
アジア大会本番まであと3週間。前日3日の練習試合で結果を残した選手がいる一方で、これからの上向きを目指す選手もいる。
田村強(JR西日本)は先月の都市対抗の初戦で左手首の違和感に気づき、3回戦敗退以降、今回の合宿でもバットを振らずに過ごしてきた。「だいぶ状態は良くなってきた。本番でベストを出せるようあせらず治していきたい」。今合宿で選手のサポート役としても動いた田村。ここまで貯めこんできたパワーを放出する日は徐々に近づいている。
練習試合での2度のチャンスで凡退したことを悔やむ松本桃太郎(Honda鈴鹿)は、大会に向け打撃の修正を重ねている。「“都市対抗の時からボールを待ちすぎている”と棚橋(祐司)コーチから指摘された。ボールをよく見ようという意識が強すぎたので、直前合宿までには始動を早くしながら、しっかり呼び込んで打てるよう自チームでも取り組んでいく」。
そして投手の臼井浩(東京ガス)は穏やかな表情で秘めた思いをこう話した。「6月と今回の合宿の試合では投げる機会がなかった。直前合宿での3試合ではマウンドに上がって本番に向けたアピールをしたい」。
臼井は都市対抗1回戦で代表メンバーの佐竹功年(トヨタ自動車)と投げ合って完投するも1-2と惜敗している。「代表では佐竹さんに聞きたいことを聞いて、盗めるところはたくさん盗んでいきたい」。投げたい思いと都市対抗での悔しさ。これらを糧として臼井は本番への準備を進める。
また日本通運との練習試合でライナー捕球時に右手中指にボールが当たった荒西祐大(Honda熊本)は試合後の病院での診断で、骨に異常はなく打撲とわかった。数日後にはこれまで通り、ボールを握ることが出来る。
石井章夫監督は練習試合1試合を含む3日間の強化合宿をこう総評した。「守備の精度を上げるという課題が見つかって、チームの方向性が見えてきた。現時点で守備力は求めるところに達していない。韓国、台湾戦ではたくさんの点は取れないだろう。1、2点を争う試合は小さなミスが勝敗を分けるということを選手には伝えていく」。
練習試合で先発マスクをかぶった扇の要、木南了(日本通運)はこう話す。「守り勝つのが日本の野球」。18日から4日間に渡って行われる直前合宿は守りを中心とした最終調整の場となる。
第18回 アジア競技大会
大会期間
2018年8月26日~9月1日
予選ラウンド(グループA)
8月26日(日)11:00 日本 15 - 0 パキスタン
8月27日(月)16:00 日本 17 - 2 中国
8月28日(火)11:00 タイ 0 - 24 日本
※開始時刻は日本時間(ジャカルタ:時差-2時間)
スーパーラウンド
8月30日(木)14:00 日本 1 - 5 韓国
8月31日(金)20:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 5 日本
※開始時刻は日本時間(ジャカルタ:時差-2時間)
決勝
9月1日(土)18:00 韓国 3 - 0 日本
※開始時刻は日本時間(ジャカルタ:時差-2時間)
開催地
インドネシア(ジャカルタ)