アジア大会に出場する侍ジャパン社会人代表は直前合宿でのオープン戦3試合の初戦、東京ガス戦を3-0で快勝した。
青空に強い日差しの日曜日。東京ガス大森グラウンドのバックネット裏は満席になるほど、多くの人が球場に集まった。
ちなみに代表チームの試合では侍ジャパンの守備時には大会公式球(台湾メーカー製)を使用。対戦相手の守備時には日本のボールを使って行われている。
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
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


エース岡野が4回を無安打無失点 2番手以降も好リリーフ
先発の岡野祐一郎(東芝)は初回、先頭打者に四球を与え、盗塁で進塁されるも次の打者以降は4回まで1人も走者を出さない完ぺきな投球を見せた。テンポ良く投げることを心掛けたと言う岡野は「途中、甘い球もあったが最初の入り以外、コーナーに投げ分けられた」と自身の投球を評価した。
アジア大会では韓国、台湾の打者への縦の変化球が有効になる。フォークボールを持ち球にする岡野は「フォーク、カットボールともに調子がいい」と話し、本番でのエースの活躍に期待が高まる。
5回から登板の2番手の臼井浩(東京ガス)は所属チームの同僚相手に、2回を投げ三振2つを含むパーフェクトリリーフ。
3番手の左腕、高橋拓已(日本生命)は7回にマウンドに上がると先頭打者にチーム初ヒットを許すも、1死後、併殺で切り抜けて3人で締めた。
高橋は「(マウンドに上がるまで)ノーヒットだったのでプレッシャーがあった。すぐにヒットを打たれたが気にせずに気持ちを切り替えられた」と話した。高橋は自身の役割について「ピンチで投げるリリーフとしてブルペンで球数が少なくてもすぐに行ける準備を常にしている。(気持ちの面でも)すぐにスイッチを入れられる」と左のワンポイントリリーフとしての自信を見せた。
8回からは荒西祐大(Honda熊本)が登板。2回をショートへの内野安打1本に抑え、完封リレーを締めくくった。
安定感のある中軸が絡んで2得点
打線は2回裏、4番笹川晃平(東京ガス)、5番喜納淳弥(NTT東日本)が連打で無死一、三塁とすると6番森下翔平(日立製作所)のショートゴロ併殺の間に笹川が還り、1点を先制した。
また4回には1死後、3番近本光司(大阪ガス)と4番笹川がヒットで続き、2死後森下が四球を選び満塁に。このチャンスに7番岡部通織(JX-ENEOS)は右ひじに死球を受け、侍ジャパンは押し出しで1点を追加した。
前回の日本通運戦同様に2安打を放った笹川は今回の東京ガスとの同僚対決について「弱点を突いてくるかと思ったが、(よく知っている分)配球が読めた」と話し、「オープン戦残り2試合で長打を打ちたい。そのために狙い球をしっかり絞っていく」と好調維持へのプランを語った。

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



9番北村の読みの一打が貴重な追加点に
7回裏には2死で9番北村祥治(トヨタ自動車)に貴重な追加点となるレフトへのソロアーチが飛び出し、侍ジャパンのリードは3点に広がった。
「スライダーの曲がりを狙っていたが初球に手が出ず、追い込まれてからタイミングが合った。2アウトから長打が出たことは良かった」と一打を振り返った北村。国際試合では初めて顔を合わせる投手との対戦が大半になるが、「9番打者は準備をして情報を集めやすい」と話し、相手投手にとって北村が気の抜けない嫌な存在になることを予感させた。
零封勝利に石井監督は一定の評価
3-0での勝利に石井章夫監督は「投手陣はそこそこいい内容だった。岡野は立ち上がりに多少乱れることがあるがきょうは落ち着いていた。大会では5~6回は行ってもらう。各投手には調整と共に競争というテーマを持たせているが、その中で初戦としては良かった」と振り返った。
打線は安定感のある中軸に加えて、この日1番に入った松本桃太郎(Honda鈴鹿)が3打席目にセンター前ヒットで出塁。石井監督は松本について「結果が出て良かった」と話した。
その松本は「ヒットの前の打席のセンターフライで“全身でボールに入っていく感覚”をつかんだのがきっかけになって、次のヒットにつながった。1番という打席に多く入るチャンスをもらえてそれを生かせた」と話して目を細めた。
いい形で東京ガス戦に勝利した侍ジャパン社会人代表。20日には直前合宿の実戦2試合目となるHonda戦を13時から東京ガス大森グラウンドで行う予定だ。
第18回 アジア競技大会
大会期間
2018年8月26日~9月1日
予選ラウンド(グループA)
8月26日(日)11:00 日本 15 - 0 パキスタン
8月27日(月)16:00 日本 17 - 2 中国
8月28日(火)11:00 タイ 0 - 24 日本
※開始時刻は日本時間(ジャカルタ:時差-2時間)
スーパーラウンド
8月30日(木)14:00 日本 1 - 5 韓国
8月31日(金)20:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 5 日本
※開始時刻は日本時間(ジャカルタ:時差-2時間)
決勝
9月1日(土)18:00 韓国 3 - 0 日本
※開始時刻は日本時間(ジャカルタ:時差-2時間)
開催地
インドネシア(ジャカルタ)