9月3日に宮崎で開幕する「第12回 BFA U18アジア選手権」に出場する侍ジャパンU-18代表が29日、明大と練習試合(明大球場)を行った。7回の特別ルールで、4対4で引き分けている。
東京での合宿最終日。8月25日の集合から5日目で、疲労はピークに達していた。前日、大学日本代表との壮行試合はナイトゲームで、宿舎へ戻ったのは、22時近くだった。そして、この日の明大との練習試合は11時プレーボール。夜に宮崎へ移動するため、ホテルをチェックアウトするなど、朝から慌ただしかったことも少なからず影響したようである。
グラウンド到着後、永田裕治監督は選手たちをじっと見守った。「アップから重かった。ムードも重かった」。気持ちが前向きであっても、体は正直である。
指揮官にとっては、すべてが「思惑通り」だった。「意図は3連戦。この(東京合宿)間に3連戦をしておきたかった」。アジア選手権の一次ラウンドは9月3日からの3連戦で、中1日の休養日を挟んで、スーパーラウンド2試合、そして最終日(9日)の決勝(3位決定戦)と2度の3連戦を消化した上で、結果を残さなければならない。心身とも厳しい状況の中、最も大事な3連戦目の「入り」を早くから、体で経験しておきたかったのである。
練習試合で対戦した明大はほぼ、レギュラーメンバーをつぎ込んできた。しかも投手陣は3人すべて、U-18代表経験者で固めてきたのだ。先発の右腕・森下暢仁(15年W杯)は前日、大学日本代表として1回無失点。連投となったこの日も、3回2安打無失点と貫録の投球を見せている。
侍ジャパンU-18代表の先発の星稜・奥川恭伸(2年)は初回、2回で計3失点。立大との練習試合からの課題であった、ボールが高めに浮いたところを痛打された。3回以降は変化球を低めに集めることを意識すると持ち直して、5回4失点でまとめ、修正能力の高さを見せた。
奥川の投球リズムに合わせるかのように、打線も次第に目を覚ましていく。4回裏、明大の2番手の左腕・磯村峻平(17年・W杯)から木更津総合・野尻幸輝の適時打などで2点をかえすと、2対4の5回裏には報徳学園・小園海斗の適時打で1点差。さらに、7回裏には浦和学院・蛭間拓哉が、明大の3番手・入江大生(16年・アジア選手権)から左犠飛を放って同点。なおも、二死二塁と見せ場を作ったものの、勝ち越すことはできなかった。なお、奥川を6回から救援した高岡商の左腕・山田龍聖は2回無安打無失点と、永田監督の期待にこたえている。
打線を大きく組み替えた。前日まで四番だった藤原恭大が一番、六番の蛭間が二番、一番だった小園が三番、根尾昂が四番に入った。これにも永田監督の意図があり、本来の当たりが出ていない藤原と蛭間に1打席でも多く立たせたいとの考えがあった。大会本番へ向けては「短期勝負。状況を見て」と、調子を見極めながらオーダーを決めていくという。
「入り」はややバタバタ感のあった侍ジャパンU-18代表だったが、終盤には粘りを見せて、引き分けとしたのは「良い材料になった」と永田監督も納得した様子だ。前日の大学日本代表との壮行試合も5回以降に3得点を挙げている。大学日本代表・生田勉監督はこう明かしていた。「(優勝した7月のハーレムベースボールウイークの)オランダでは7試合、6回以降は1点も取られていなかった。すべてがハイレベルです」と絶賛。最後まであきらめないベンチワークの良さと、集中力の高さがアジア選手権でも日本の強みとなりそうだ。
5日間の東京合宿を終え、29日夜に空路で宮崎入り。永田監督は「ここまでかなり練習してきた。(明日は)ゆっくりしながら、(大会までに)集中した調整をして、万全な態勢で臨みたい」と語った。9月3日の開幕へ向けて、総仕上げの段階に入っている。
第12回 BFA U18アジア選手権
大会期間
2018年9月3日~9月10日
グループA
9月3日(月)18:00 日本 26 - 0 香港
9月4日(火)18:00 スリランカ 0 - 15 日本
9月5日(水)18:00 日本 1 - 3 韓国
スーパーラウンド
9月7日(金)18:00 チャイニーズ・タイペイ 3 - 1 日本
9月8日(土)18:00 日本 (中止) 中国
3位決定戦
9月10日(月)13:00 日本 14 - 1 中国
開催地
日本(宮崎)
出場する国と地域
グループA
日本、香港、韓国、スリランカ
グループB
中国、チャイニーズ・タイペイ、パキスタン、インドネシア