6月28日、野球日本代表「侍ジャパン」社会人代表候補合宿の東京開催が打ち上げとなった。
今回は招集メンバーを2組に振り分け、3日間ずつの予定で東京開催参加メンバー20選手が26日から集まっていた。29日からは大阪開催参加メンバー20選手が集まり候補合宿が行われる。
※合宿通して新型コロナウイルス感染拡大予防のため一般非公開。
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東京に集まった20選手たちにとって最終日となったこの日は、投手は室内でトレーニングなどをし、野手陣は打球速度や角度、スイングスピードなどの測定を行った。
こうして3時間弱の練習を終えた後は、スタッフ・選手全員でミーティングが行われ、スタッフが選手たちに激励や今後の助言を伝えた。
その中で石井章夫監督は「目先の成果を求めて失敗する方が後に尾を引いてしまう。先々の成果を求めてチャレンジして欲しい」「ただチームに貢献すると言うだけではなく、自分の価値を上げていくことを大事にして欲しい」などと選手たちにさらなる成長を促した。
練習後、この真意を問うと石井監督は次のように答えた。
「もっと個を出さないと、侍ジャパンが世界に立ち向かっていく強さが出ないのではないかなと思っています。もともとチームワークは得意とするメンバーなので“個を確立しよう”と(JABA選抜として参加した)2019年のウィンターリーグから言っています。それが言い換えると、“自分の価値をもっと上げていこう”ということなんです」

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
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2018年のアジア大会では韓国に、2019年はチャイニーズ・タイペイに決勝で敗れた。プロ野球選手たちで構成された両代表の前にともに準優勝とあと一歩のところで目標を叶えられずにいる。
そうした相手に立ち向かうためにも、選手たちには個々の能力や意識を上げることを求め、常に思考しながら課題を克服していって欲しいと考えている。明日から始まる大阪開催メンバー20選手による合宿でも同様の方針で行う。
「個別の練習でもしっかり考えている選手が多かったですね」と石井監督。初招集の選手も4分の1を占めた中で、高い意識が共有され、刺激を受け合って成長できる貴重な機会となったことは間違いない。
選手コメント
笹川晃平(東京ガス)
「普段一緒にプレーしていない選手たちとの刺激的な時間になりました。(積極的に選手に話しかける姿も目立ったが)入社1年目から社会人代表に呼んでいただき6年目の中堅にもなるので、それも役割かなと(笑)アジア大会金メダルに向けて石井監督が求めていることに応えていきたいです。社会人野球ではどちらかというと技巧派投手の攻略が求められますが、国際試合では速い速球への対応が必要になるので、切り替えながらやっていきたいです」
中川智裕(セガサミー)
「年上の選手たちの経験や技術を吸収できて財産になりました。技術はまだまだなので色々な方に教わり、特に打席の立ち方やバットの出し方は勉強になりました。大学の時は候補止まりで、まだ侍ジャパンに入ったことがないので、もっともっと向上していきたいです」