7月3日、第30回 ハーレムベースボールウィーク2022(オランダ/7月8日から15日)に出場する野球日本代表「侍ジャパン」大学代表の直前合宿3日目がバッティングパレス相石スタジアムひらつかで行われた。
前日のENEOS戦に続き、この日は東芝と練習試合が行われた。前日は9イニングとタイブレーク(無死一、二塁からスタート)1イニングで試合を行ったが、この日はハーレムベースボールウィークと同様の7イニングを行った後に1イニングのタイブレークを行った。
先発は選考合宿でも好投した菊地吏玖(専修大)。四死球と被安打が1個ずつあったものの、力強いストレートとキレのある変化球のコンビネーションで3回を無失点に抑える好投を見せた。
打線は4回、上田希由翔(明治大)がこの日2安打目となる二塁打で出塁すると、続く野口泰司(名城大)も一、二塁間への内野安打を放ちチャンスを拡大した。ここで前の打席でも安打を打っていた宗山塁(明治大)が一、二塁間を破るタイムリーを放って先制に成功。大学代表が結成後初の得点を挙げた。
投手陣は2番手以降も渡辺翔太(九州産業大)と篠木健太郎(法政大)が2イニングを無失点に抑え、好調ぶりをアピールした。
打線もこの日は活発で、6回には廣瀬隆太(慶應義塾大)の安打からチャンスを作ると、萩尾匡也(慶應義塾大)の三塁打、林琢真(駒澤大)のライト前安打で2点を奪った。
タイブレークの8回には、全日本大学野球選手権での活躍による選考合宿の追加招集から一気に代表入りへ駆け上がった上田大河(大阪商業大)が登板。先頭打者に犠打を決められ一死二、三塁のピンチを招くが、空振り三振と内野フライに打ち取ってピンチを脱した。
この堂々とした投球に、大久保哲也監督は「(国際大会で有効な)縦の変化球(スプリット)が良く、イメージしていた通りの投球をしてくれて頼もしいですね」と称賛した。
その裏は代打・草部真秀(亜細亜大)がきっちりと犠打を決めてチャンスを拡大させるが後続が続かず無得点に終わった。だが、8回を通して10安打に対して被安打はわずか1本に抑え、投打が噛み合う結果となった。
主将の山田健太(立教大)が腰の張りのために大事をとって練習試合2試合を欠場、2試合連続で4番に座った森下翔太(中央大)がこの日の第一打席で死球を受けて負傷退場するなど不安要素はあるが、投打ともに順調な仕上がりを見せている。
今後は4日目、5日目は同球場にて午前中から練習を行い、7月6日に出発する予定だ。
監督・選手コメント
大久保哲也監督
「昨日に続いて今日も、投手も野手も状態が良かったですね。宗山くんの先制タイムリーが大きかったですね。閉塞感がありましたが光りが見えた大きな1本でした。昨日今日は全員公平に出場機会を与え、その中で大会のイメージもすることができました」
宗山塁(明治大)
「最初の1点が大事だと思っていたので、先制打が出たことで追加点にも繋がって良かったです。(自チームとは)打順や役割が変わってくるので対応しながらやっていきたいと思います。2年生は篠木と僕だけですが、とてもやりやすい環境を作ってもらっています。どんな形で試合に出ても勝利に繋がる活躍をしたいです」
上田大河(大阪商業大)
「タイブレークはたくさんしていたので普段通りの投球ができました。ストレートもコーナーに決まって、三振を取りたい場面で三振を取ることができたのが大きかったです。(今春の好調は)フォームを変えてスプリットの精度が一気に上がったことが大きいです」
矢澤宏太(日本体育大)
※前日は3イニングに登板し、この日は3番・指名打者として出場し4打数1安打
「登板した後はお尻、ハムストリング、肩、首が張ることは分かっているので、昨晩は風呂に入ったり電気を当てたりして、朝は(練習開始1時間前の)8時からグラウンドに行ってランニングをしてから全体練習に入りました。オランダでもできる限りの準備をして全試合に出たいです」