7月4日、第30回 ハーレムベースボールウィーク2022(オランダ/7月8日から15日)に出場する野球日本代表「侍ジャパン」大学代表の直前合宿4日目がバッティングパレス相石スタジアムひらつかで行われた。
森下は骨折の診断も帯同は継続
この日は約3時間、シートノックやバントシフトの確認、打撃練習、トレーニングが行われた。合宿4日目ということもあり、各打者は初日よりも快音を響かせ、選手たちの結束力も日に日に増している様子だ。
また、腰の張りによる欠場が続く山田健太(立教大)と前日の練習試合で死球を受けた森下翔太(中央大)は練習メニューには一部しか参加しなかったものの、ノック時などに声で盛り立てた。
森下は前日の死球後すぐに病院へ向かい右豆状骨骨折により全治3ヶ月の診断が下されたが、菅原悦郎団長が以下のようなコメントを発表した。
「非常に残念ですが、森下選手は大学1年の時から日本代表に選出された経験を持つチームに欠かせない選手です。大久保監督や森下選手本人、チームスタッフ、所属大学(中央大)の監督とも相談し、本人の強い希望と担当ドクターから手術の必要がないとの所見があったため、彼の経験はチームには不可欠であり、このままオランダに帯同してもらうことにしました。プレーでの貢献はできませんが、彼の役割を全うしてくれることを期待しております」
記者会見で監督、選手が意気込みを語る
練習後は、出場記者会見が行われ、大久保哲也監督、主将の山田、投打二刀流が注目される矢澤宏太(日本体育大)、投手リーダーの青山美夏人(亜細亜大)が出席し大会への意気込みなどを語った。
※以下、一部抜粋。
――大会への意気込み
大久保「前回大会(2018年)は日本(大学代表:生田勉監督)が優勝しております。今回なんとか連覇を達成したいです。日本のディフェンス力の高さ、機動力を含めた日本らしい野球を目指したいです」
山田「(大学代表として)3年ぶりの国際大会ということで気持ちも昂ぶっていますし、優勝目指して頑張っていきたいです」
矢澤「僕自身、投手・野手両方で優勝できるよう頑張っていきたいです」
青山「良い選手たちが揃ってる中で個性を出してチームの戦力になっていければと思います」
――チームの状態や結束力
大久保「ENEOSさん、東芝さんと練習試合をさせていただき、かなり状態が良くなってきたと思います。選手とのコミュニケーション、選手同士のコミュニケーションが非常に円滑になってきました。今日の午前中の練習を見ても非常にまとまってきたので楽しみです」
山田「少しでも早くチームを1つにしようと言ってきた中で2試合をして、どんどん強くなってきていますし、オランダに行っても試合を重ねるごとに強くなっていければ優勝も近づいてくると思います」
――山田の腰の状態
大久保「合宿に入ってから腰の張りがあるとのことで、とにかく無理をさせないでやってきました。私自身の考えとしては、大会前半は厳しいかもしれないけれど、大会中盤・終盤に働いてもらえればと思います。ただ、そこは本人に状態を聞きながらやっていきます」
山田「良くなってきているので少しでも早く100パーセントの状態にしてチームの勝利に貢献したいです」
――投手起用について
大久保「まだスタッフと煮詰めた話はしていないのですが、先発は青山くんだったり荘司くんだったり矢澤くんだったりを、対戦相手や状態などを見ながら決めていきたいです」
――山田のキャプテンシー
矢澤「プレーはできていませんが、集合やメニューの要所要所でチームのちょっとした緩い雰囲気を厳しく指摘してくれています。チームの中での存在感はとても大きいです」
青山「試合の攻守交代の集合時もそうですし、選手たち全員や一人ひとりに声をかけているのでプレーができていなくても大きな存在です」
――投手陣のまとまり
青山「一緒にいることが大きいので、コミュニケーションはよく取れています。一人ひとりが任されたイニングを無失点に抑えていければ勝てるので、責任感を伝えていきたいです」
――先発投手として
青山「日本の戦い方と違いますし、いろんな打者がいると思うのですが、縦の変化球などで自分の持ち味を生かしていければと思っております」
――投打二刀流それぞれの状態、初の国際大会
矢澤「リーグ戦よりも状態が上がっていると感じています。レベルの高い選手たちと練習・試合をし、レベルアップの機会にしていきたいです」
――森下について
大久保「技術的な戦力としては無理なのかもしれませんが彼は1年生から代表に入っておりますので、いろんな経験があります。その経験を生かしてサポートに回ってもらおうかなと思っています」
――中軸の期待が高かったであろう山田と森下の故障について
大久保「ベストメンバーが一番良いのですがアクシデントは付きものです。その中でどう戦うかが我々の腕の見せどころだと思います。力のある選手が集まっていますから十分にカバーできると思っています」
――主将としての意気込み
山田「一番は主将として、すごい選手たち一人ひとりの力を存分に生かして強いチームにしていきたいです。個人としては少しでも早く戦力になれるよう準備してオランダで活躍したいです」