12月4日、第44回 日米大学野球選手権大会(2023年7月開催予定)に向けた侍ジャパン大学代表候補選手強化合宿の3日目が、愛媛県松山市の松山坊っちゃんスタジアムで行われた。
最終日となったこの日は、天候不良が心配されていたが幸い降っても小雨程度で、前日からの予定通りシートノックやフリー打撃、50メートル走測定(光電管を使用した測定)が行われた。
特に50メートル走測定は毎合宿恒例となってきており、2019年の強化合宿では当時首都大学2部リーグ所属だった並木秀尊(獨協大/現ヤクルト)が五十幡亮汰(中央大/現日本ハム)らを抑えてトップの記録を叩き出し、一躍名をあげてドラフト指名まで駆け上がっていった。
昨冬と今夏の合宿では矢澤宏太(日本体育大/日本ハムドラフト1位指名)がトップとなったが、今回トップとなったのは5秒91の記録を出した宮崎一樹(山梨学院大)だ。 今秋の関甲新学生野球秋季リーグで9試合24安打5本塁打19打点12盗塁(すべてリーグ最多)を記録し、大学代表合宿に初招集。前日の紅白戦では強肩で犠飛を防ぐなど、守備面でもアピールに成功していた3年生の大型外野手が足でも大きな結果を残した。
また、2位には松浦佑星(日本体育大/5秒95)、3位には中島大輔(青山学院大/5秒98)の両3年生が入った。
これで合宿の全日程が終了。大久保哲也監督は「投手、野手ともに充実した内容で来年に向けて良いイメージができました」と笑顔。中身の濃い3日間は、選手たちの意識や向上心を上げることになったのは間違いなく、彼らの躍動が楽しみだ。
監督・選手コメント
大久保哲也監督
「宮崎選手は今回初めて見た選手でしたが、上背もあって脚力もあって肩も良い選手ですね。来年の日米大学野球はアメリカ開催ですが、アメリカ開催で優勝したのは2007年の1回のみですから、なんとしてでも勝ちたいです。向こうではアウトコースのストライクゾーンが広くなる傾向があるので、そこへの対応や広角に打てる選手もポイントになってくるかと思います」
宮崎一樹(山梨学院大)
「身体能力は自分の売りなのでパフォーマンスとして出せて良かったです。150キロ前後の投手に対しての対応力が課題となったので、スイングなどを改良して力をつけていきたいです。守備に関しては肩に自信があり送球の強さを意識していきます。いずれは鈴木誠也選手(カブス)のようなプロ野球選手になりたいです」
渡部聖弥(大阪商業大)
「(2日間の紅白戦でチーム最多の4安打)速い球にも振り負けることなく自分のスイングができました。初球から積極的な打撃を心がけています。みんな身体能力も技術力もすごくて刺激をもらったので、この冬成長していきたいです。勝負強く、走攻守三拍子揃った選手になりたいですし、来年は50メートル走測定で1番を取りに行きたいです(※今回は6秒15で全体5位)」
進藤勇也(上武大)
「投手陣全体のレベルが高かったので配球や打撃でも収穫が多かったです。特に細野晴希(東洋大)や常廣羽也斗(青山学院大)は受けていて凄いなと思いました。今年のハーレムベースボールウィークでは(予選リーグは全勝で首位通過ながら)4位に終わったので、来年の日米大学野球では経験を生かしてチームを引っ張りたいです」