8月15日、第19回アジア競技大会(野球競技は10月1日から7日/中国・杭州)に出場する侍ジャパン社会人代表の24選手が、鹿児島県鹿児島市の平和リース球場に集まり、国内強化合宿が始まった。
台風7号の影響が心配されたが、東海地区の選手は前日の14日に鹿児島入りし、そのほかの選手も15日午前に無事に鹿児島入りし、全員で合宿初日を迎えることができた。
この日はまず、宿舎で歓迎式が執り行われた。鹿児島市の下鶴隆央市長から「5年ぶりに開催されるアジア競技大会に出場する代表チームに、ここ鹿児島でキャンプしていただくことは我々にとって大変光栄で誇りに思うところであります。3月に行われたWBCでの侍ジャパンの劇的な優勝により野球が大きく盛り上がりを見せる中、本キャンプが行われますことは本市における野球人気の拡大や、競技力の向上に大いに寄与するものであり、誠にありがたく感じております」 と感謝が伝えられた。
続けて「ぜひともこの鹿児島キャンプが選手やスタッフの皆様にとって最高の結果につながる素晴らしいものとなりますよう祈念いたします」と激励の言葉が贈られた。
また、今回の合宿を開催するにあたり、鹿児島市から鹿児島県産ブリ5尾と鹿児島県産果汁100%の小ミカンジュース6箱が、鹿児島市議会から鹿児島黒豚20kgが、鹿児島県から鹿児島黒牛8kgが贈呈された。
主将の北村祥治(トヨタ自動車)は「鹿児島の名産物をしっかり食べて、アジア大会では金メダルを獲ってみなさんに良い報告ができるようチーム一丸となって頑張ってきたいと思います」と感謝するとともに、「亜細亜大(母校)とトヨタ自動車では、ともに鹿児島でキャンプをした年に日本一になることができました。アジア大会でも金メダルを獲得し、みなさんに良い報告ができればと思っております」と今後の抱負について述べた。
そして最後に「4日間と短い期間ですが、鹿児島の野球少年、少女たちにしっかりと夢を与えられるように、憧れられる存在になれるように、一生懸命頑張りたいと思います」と挨拶を締めた。
その後、集合写真の撮影をして歓迎式は終了。選手・スタッフ一同は、球場へ向かった。
猛暑の中で始まった練習は、各自でウォーミングアップを終えた後、野手は丸山壮史(ENEOS)の「バッティングいきます!」という元気な声で打撃練習を開始。投手はキャッチボールの後、ブルペンで投球練習をしたり、トレーニングを行ったりと各々調整を行った。
練習中は鹿屋体育大の協力のもと、機器を用いて球質や打球速度・角度・飛距離などを測定。翌日に控える初実戦を前に調整とデータ収集を並行して進めた。
アジア競技大会での金メダルを目指し、順調な船出となった侍ジャパン社会人代表。16日は午前中から練習を始め、13時からは小中学生を対象とした野球教室を開催。16時からはHonda熊本と練習試合を行う予定となっている。
監督・選手コメント
石井章夫監督
「(鹿児島は)気候も良く、人も良く、心地の良い場所です。(今回の合宿の目的について)選手たちは日ごろそれぞれのチームに所属していてそれぞれの役割があると思いますが、侍ジャパンとしての野球や役割を確認しあう合宿になればと思っています。2018年のアジア大会は残念ながら銀メダルだったのですが、今大会では金メダルを獲れるように頑張っていきたいです」
北村祥治(トヨタ自動車)
「ゆかりのある場所に侍ジャパンのユニホームを着て帰ってこられたのは率直に嬉しいです。石井監督が代表監督になられてから、ずっと代表チームとして選んでいただいていて、最大の目標をアジア大会金メダルに設定をしてここまでやってきました。2018年のアジア大会では決勝で敗れて銀メダルだったので、今年こそはしっかりと勝ちきって金メダルを獲って、石井監督を胴上げしたいです」
笹川晃平(東京ガス)
「短い期間ですが、しっかりとコミュニケーションを図っていきたいです。(石井監督率いる代表の特徴は)これまでの日本の野球に無かったものを取り入れたり、日本の持っているものを進化させたりということを積極的にしている野球だと思います。石井監督が就任してからずっと選んでもらっている経験は自分の大きな武器だと思っているので、アジア大会で結果を残していきたいです」
第19回 アジア競技大会
大会期間
2023年10月1日~10月7日
セカンドステージ(グループA)
10月1日(日)13:00 フィリピン 0 - 6 日本
10月2日(月)19:30 日本 18 - 0 ラオス
10月3日(火)19:30 日本 0 - 1 中国
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
スーパーラウンド
10月5日(木)13:00 韓国 2 - 0 日本
10月6日(金)19:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 2 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
3位決定戦
10月7日(土)13:00 中国 3 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
開催地
中国(杭州)
出場する国と地域
日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、中国、フィリピン、
香港、タイ、シンガポール、ラオス