8月24日、「第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(8月31日から9月10日/台湾)に出場する侍ジャパンU-18代表の直前合宿が始まった。この日は初練習とともに記者会見が行われ、馬淵史郎監督や選手たちが意気込みを語った。
前日に集合した選手たちによる初練習は連携を深めることに時間の多くを割いた。9時半にウォーミングアップを開始し、キャッチボールなどを経て10時半すぎからシートノックや投内連携を、休憩も挟みながら約1時間半じっくり取り組んだ。
前日に第105回全国高等学校野球選手権記念大会の決勝を戦った慶應義塾と仙台育英の5選手は後日合流するため、この日は15選手の参加。そうした事情もあって、夏には外野手として出場していた知花慎之助(沖縄尚学※今春の甲子園では3試合に捕手として出場)が捕手、捕手として出場していた寺地隆成(明徳義塾※2年夏まで三塁手)が一塁手に就いた。
また、今夏は遊撃手として出場していた緒方漣(横浜)が二塁手を務めた。練習後、「準備してきたのでスムーズに入ることができました」と笑顔で振り返り、「二塁手を守るということを伝えられていましたし、守備あっての緒方だということを再確認して守備をメインに練習してきました」と話すように軽快な動きを見せた。
今夏は神奈川大会決勝で慶應義塾に逆転負けを喫し悔し涙を流した。悔しさもあってか甲子園のテレビ中継は「ちょくちょく観てはいますが、あまり観ていません」と話すが、「夏にああいう形で終わってしまったのでリベンジしたいです。悲願のワールドカップ初優勝に向けて準備していきたいです」と心機一転、意気込んだ。
午後からは投球練習と打撃練習で、各自が翌日の練習試合に向けて調整。馬淵監督から投打二刀流での活躍が期待されている左腕・武田陸玖(山形中央)はフリー打撃に加えブルペンで20球、ストレートのみを投げ込んだ。練習後の取材では「選んでいただいたことの嬉しさとともに責任を感じています」と明かし、「個人の目標は無くてチームのためになることは何でもやろうと思います。日本の勝利のために最後の最後まで全力を尽くします」と殊勝に語った。
そして19時からは記者会見が行われ、馬淵監督、主将の小林隼翔(広陵)、左腕の前田悠伍(大阪桐蔭)、主砲候補の森田大翔(履正社)が出席し各記者の質問に答えた。
選考について馬淵監督は「20選手、10日間で最大9試合、投手の球数制限も踏まえて、とにかく投手を多く入れたいと考えました」と9投手を選出。捕手登録3選手も合わせてバッテリーが20選手中12選手を占めた。そうなると、残り7つのポジション(指名打者を入れると8つ)を8選手で担わねばならず、武田をはじめとした野手としても活躍が期待できる投手や、緒方をはじめとした複数ポジションをこなす野手を多く選んだことを明かした。
また、出席した3選手については「小林くんの守備はもちろん打撃も非凡ですし、前田くんは最高の投球をすればそうは打たれない。森田くんは長打力もあるし甲子園で見せたような打撃でチームに勢いをつけて欲しい」と期待。小林を主将に抜てきした理由については「春の候補選手強化合宿での動きや振る舞いを見て決めました」と語った。
その後には結団式が行われ、北村雅敏団長の挨拶や選手一人ひとりが意気込みを述べるなどした。そして最後に馬淵監督が「高校球児12万人の中の20名に選ばれた技術は皆が持っているので、日本の高校野球の良さを発信していきましょう。まだこの大会で優勝が1回も無い。みんなで1つとなって、笑って日本に帰りましょう」と選手たちに語りかけ、式を締めた。
悲願の初優勝に向けて始動した侍ジャパンU-18代表。8月25日は都内で初の実戦を行う予定となっている。
第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2023年8月31日~9月10日
オープニングラウンド
9月1日(金)19:30 日本 10 - 0 スペイン
9月2日(土)19:30 日本 7 - 0 パナマ
9月3日(日)17:35 アメリカ 3 - 4 日本
9月4日(月)21:00 ベネズエラ 0 - 10 日本
9月5日(火)19:30 日本 0 - 1 オランダ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
9月7日(木)15:30 日本 7 - 1 韓国
9月8日(金)11:30 日本 10 - 0 プエルトリコ
9月9日(土)19:00 チャイニーズ・タイペイ 5 - 2 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
決勝
9月10日(日)19:00 チャイニーズ・タイペイ 1 - 2 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
開催地
台湾
出場する国と地域
グループA
メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、韓国、オーストラリア、プエルトリコ、チェコ
グループB
日本、アメリカ、ベネズエラ、オランダ、パナマ、スペイン