8月25日、関西圏内グラウンドで「第13回 BFA U18アジア選手権」(9月2日から8日/台湾)に出場する侍ジャパンU-18代表の直前合宿2日目が行われた。この日は午前中に打撃練習やシートノックで汗を流し、午後からは結成後初の練習試合に臨んだ。
練習試合は下級生主体の近畿大を相手に、7回制で行われた。後攻のU-18代表は1回表、二塁手・髙山裕次郎(健大高崎)と遊撃手・石塚裕惺(花咲徳栄)の失策が絡み2点を先制される。この場面について小倉全由監督は試合後、「金属バットと木製バットの打球の違いもある。ここ2日間、バッターが打ち返した生きたボールを守っていないので、そういうボールを守らせる練習もしないといけないという反省点はあります」と振り返った。
先制された直後の1回裏、U-18代表は2死から3番・宇野真仁朗(早稲田実)、4番・花田悠月(智辯和歌山)の連打で好機をつくる。ここから5番・石塚、6番・徳丸快晴(大阪桐蔭)の連続タイムリーが飛び出し、すぐさま同点に追いついた。
2回表は先発の今朝丸裕喜(報徳学園)が0に抑え、3回以降は田崎颯士(興南)、櫻井椿稀(鶴岡東)、間木歩(報徳学園)と継投し7回まで本塁を踏ませなかった。小倉監督は投手陣について「みんな自分の自信のあるボールを投げてくれている」と評価。特に印象に残った選手としては2番手で登板し2回1安打無失点に抑えた田崎の名前を挙げ、「(甲子園の)1回戦で負けたけど、スライダーとストレートのキレが良いなと思って自分が連れてきたところもある。ホッとしています」と安堵した。
打線は2回以降、毎回走者を出しながらも得点できずにいたが、7回裏、1死満塁の場面で徳丸が右中間を破る痛烈なタイムリーを放ち、3対2でサヨナラ勝利。初陣を白星で飾った。
続けて無死一、二塁からスタートするタイブレークの練習を実施。間木が三振と併殺打で表の守りをしのぐと、裏の攻撃では途中出場・熊谷俊乃介(関東第一)が送りバントで好機を広げ、その後1死満塁として9番・濱本遥大(広陵)のセンターへのタイムリーで1点を奪取。タイブレークの攻防も制した。
初戦は野手陣の好調ぶりが際立ち、タイブレークを除く7回で計12安打をマーク。宇野、花田、石塚、徳丸、櫻井が複数安打を記録した。「8番・指名打者」でスタメン出場し、5回からマウンドに上がって投げても2回1安打3奪三振無失点と好投した櫻井は「(投打の)両方で使えるということで選んでもらっていると思うので、期待に応えられるように頑張りたいです」と意気込んだ。
守備面では初回に2失策したものの、2回からは順応した。試合前のシートノックで三塁を守った宇野はこの日は一塁でスタメン出場し、途中から三塁に回って好守を披露。初実戦から攻撃、守備ともに収穫の多い内容となった。
18時半からは記者会見が開かれ、小倉監督、主将の間木、副主将の宇野、箱山遥人(健大高崎)が出席し各記者の質問に答えた。
選考の基準について、小倉監督は「まずはしっかり守れる選手、しっかりと自分のスイングができる選手を選ばせてもらいました」と説明。さらに「日大三高で監督をやっていたときは強打、強打で打つしかない監督と言われていましたけど、アジアで勝つには送るところは送ったり、足を絡めたりする野球もしなければいけない」と話し、走攻守のバランスを重視して選手を選出したことをうかがわせた。
その後は団結式が行われ、寶馨団長が挨拶をしたり、各選手が抱負を述べたりした。最後は小倉監督が選手たちに向けて「日本の高校野球加盟校の代表として、恥ずかしくない野球、模範となる野球をしよう。優勝を目指してみんなで力を合わせて、一番良いチームで、一番良い顔をして野球をやってこよう」と語りかけ、式は幕を閉じた。
アジア選手権に向け、士気を高めたU-18代表。8月26日も関西圏内グラウンドで練習を行う予定となっている。
第13回 BFA U18アジア選手権
大会期間
2024年9月2日~9月8日
オープニングラウンド(グループB)
2024年9月2日(月)14:30 日本 19 - 0 香港
2024年9月3日(火)14:30 スリランカ 1 - 20 日本
2024年9月4日(水)19:30 日本 13 - 0 フィリピン
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
2024年9月6日(金)19:30 日本 1 - 0 チャイニーズ・タイペイ
2024年9月7日(土)19:30 日本 0 - 1 韓国
3位決定戦・決勝
2024年9月8日(日)19:30 日本 1 - 6 チャイニーズ・タイペイ
開催地
台湾(台北、桃園)
出場する国と地域
グループA
韓国、チャイニーズ・タイペイ、パキスタン、タイ
グループB
日本、フィリピン、香港、スリランカ