8月26日、関西圏内グラウンドで「第13回 BFA U18アジア選手権」(9月2日から8日/台湾)に出場する侍ジャパンU-18代表の直前合宿3日目が行われた。27日、28日に予定されている実戦に向け、約3時間の全体練習で汗を流した。
野手陣は守備練習に重きを置いた。シートノックでは1日目は宇野真仁朗(早稲田実)が一塁、花田悠月(智辯和歌山)が三塁、2日目は宇野が三塁、花田が一塁を守ったが、この日は再び宇野が一塁、花田が三塁に就いた。前日の近畿大との練習試合では三塁で好守を見せた宇野。三塁守備は経験がある一方、一塁守備は「人生初」だといい、「コーチの方々に聞きながら練習して、3日間やってみてだんだん慣れてきました」と手応えを口にした。
投内連係では挟殺プレーの確認を徹底的に行った。選手の近くに立ち、大きな声でアドバイスを送りながら見守った小倉全由監督は「挟殺プレーは何試合かやった中での一つのプレーかもわからないですけど、それが命取りになってしまっては困る。選手たちはよく動いてくれました」と練習の意図を明かした。
打撃練習の際は、内野陣が守備位置に就いて打球を捕る練習に励んだ。前日の練習試合で初回に失策を喫した二塁手・髙山裕次郎(健大高崎)と遊撃手・石塚裕惺(花咲徳栄)も木製バットの打球を確認。髙山は前日のプレーを「打球音が同じように聞こえても、木製だと実は詰まっていたり、先っぽだったりとかがある。昨日も強い打球かと思ったのですが、思ったよりも来ていなくて目を切ってしまった」と振り返り、この日は「捕る時は最後までボールを見る」ことを心がけて感覚をつかんだ。
投手陣はラントレなどで調整したのち、藤田琉生(東海大相模)、坂井遼(関東第一)、中崎琉生(京都国際)、髙尾響(広陵)の4投手がブルペンで投げ込んだ。23日に第106回全国高等学校野球選手権大会の決勝を戦った中崎と坂井は1日目、2日目と軽めの調整が続いていたが、この日は力のある球を披露。小倉監督は「優勝投手、準優勝投手なので、やっぱり良いボールを投げるなと感心して見ていました。(実戦で)投げても大丈夫かな」と評価した。
投手陣の柱として期待されている藤田は、ストレート、カーブ、チェンジアップのそれぞれの球種を確認しながら約20球を投じた。「全体的に抜けることが多かったので、そこが課題」と反省しつつ、「まっすぐの精度を高めて、球速や球威も出していきたい」と意気込んだ。
練習終了後は「侍ジャパン野球健康診断」(※)を実施。合宿に参加している全選手が受診した。
※選手の肩や肘などの故障に悩む選手が多数いる現状を踏まえ、NPBエンタープライズがアマチュア野球の代表組織である一般財団法人全日本野球協会(BFJ)に協賛し、日本代表の各世代の合宿などで実施されている。
猛暑が続く中、着実にチーム力を高めている侍ジャパンU-18代表。8月27日は関西学生野球連盟選抜と練習試合を行う予定となっている。
監督・選手コメント
小倉全由監督
「3日目にもなると選手たちも慣れてきて、良い雰囲気になってきている。(投手起用について)藤田くん、今朝丸くん、坂井くん、中崎くんの4人を中心に、誰か1人ということではなく様子を見ながら(起用する)。去年の前田くん(悠伍、現・ソフトバンク)のように「7回投げてくれ」となるかどうかはゲーム展開次第で、頭数がいるので何人かで7回というかたちになるかもしれないです」
髙山裕次郎(健大高崎)
「(打球を捕る練習に取り組んで)昨日の試合は初っ端、自分の失策から始まってしまった。木製バットと金属バットでは打球の感覚が違うので、生きた球を捕るのは重要だと思う。だいぶ感覚をつかめてきました。(打撃の調子は)自分の持ち味である率を残すというところが昨日は出せなかったので、自分の役割を考えて、単打でもいいのでしっかりと後ろにつなぐことを心がけようと思います」
藤田琉生(東海大相模)
「(直前合宿中初のブルペン入り)とにかく投げ切るということを意識していました。今持っている球を全部投げて、感覚を突き合わせています。(小倉監督からの期待も大きいが)こうやって日本代表に選ばれて、期待されている部分もあるのですが、期待されるのは嬉しいこと。緊張せずいつも通り、高校3年間でやってきたことをぶつけられるように、目の前の一戦一戦に全力を注ぎたいです」
第13回 BFA U18アジア選手権
大会期間
2024年9月2日~9月8日
オープニングラウンド(グループB)
2024年9月2日(月)14:30 日本 19 - 0 香港
2024年9月3日(火)14:30 スリランカ 1 - 20 日本
2024年9月4日(水)19:30 日本 13 - 0 フィリピン
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
2024年9月6日(金)19:30 日本 1 - 0 チャイニーズ・タイペイ
2024年9月7日(土)19:30 日本 0 - 1 韓国
3位決定戦・決勝
2024年9月8日(日)19:30 日本 1 - 6 チャイニーズ・タイペイ
開催地
台湾(台北、桃園)
出場する国と地域
グループA
韓国、チャイニーズ・タイペイ、パキスタン、タイ
グループB
日本、フィリピン、香港、スリランカ