8月27日、ほっともっとフィールド神戸で「第13回 BFA U18アジア選手権」(9月2日から8日/台湾)に出場する侍ジャパンU-18代表の直前合宿4日目が行われた。この日は11時頃からウォーミングアップなどで体を動かしたのち、関西学生野球連盟選抜との練習試合を実施。序盤につけられた点差を縮められず、1対3で敗れた。
試合は13時にスタート。後攻の侍ジャパンU-18代表は1回表、先発の田崎颯士(興南)が1死から3者連続四球で満塁のピンチを背負い、いきなり3点を先制された。
直後の1回裏、1番・境亮陽(大阪桐蔭)と2番・髙山裕次郎(健大高崎)の連打で無死一、三塁の好機をつくる。その後相手のバッテリーミスの間に1点を返したものの、3番・宇野真仁朗(早稲田実)、4番・花田悠月(智辯和歌山)、5番・石塚裕惺(花咲徳栄)のクリーンアップはいずれも外野フライに倒れた。
試合後、小倉全由監督は1回裏の攻撃を振り返り、「1点もらったあと、無死二塁からバントで確実に三塁に送って離されないよう考えないとダメだった。7回制(の采配)が初めてなので、監督がもっと勉強しないといけないですね」と反省。「金属バットの9回制」と「木製バットの7回制」の違いを痛感し、ビハインドの序盤では「貪欲に点を取りにいく」べきだと再認識していた。
打線は4~7回はいずれも走者を出すも思うように進められず、三塁を踏むことさえできなかった。5回は1死一塁の場面でヒットエンドランを試みるも失敗し、一塁走者が盗塁死。攻撃面では課題が残った。
そんな中、石塚が4回に25日の近畿大戦とこの日の試合を通してチーム唯一の長打となる二塁打をマーク。石塚は「木製バットに慣れない中で長打を打つのはなかなか難しい。(二塁打は)狙いにいった長打ではなく、自分のスイングを貫いた結果生まれた長打。これからも変わらずに自分のスイングを貫きます」と打席での心構えを明かした。
投手陣は、2回以降は間木歩(報徳学園)、藤田琉生(東海大相模)、今朝丸裕喜(報徳学園)、中崎琉生(京都国際)、髙尾響(広陵)、櫻井椿稀(鶴岡東)が1イニングずつを投げ、全員走者を背負いながらも無失点に抑えた。
25日の近畿大戦で先発し、味方の失策も絡んで2失点を喫していた今朝丸は、この日は1回1安打2奪三振無失点と好投。直球が走り、最速は148キロをマークした。今朝丸は試合後、「ストレートも変化球もよかった。シャドーピッチングを何回も繰り返してフォームを固めてきた成果が出ていると思う」と手応えを口にした。
「今日はまずみんな投げさせてもらえたことがよかった。みんなそれなりに良いピッチングをしてくれた」と小倉監督。3、4年生主体で、各チームで主力を務める選手がそろう関西学生野球連盟選抜との練習試合では、多くの収穫と課題を得た。
8月28日は侍ジャパン大学代表との壮行試合(18時からほっともっとフィールド神戸)を行う予定。第43回プラハベースボールウィーク、第31回ハーレムベースボールウィークをいずれも無敗で制した格上の相手とどんな戦いを繰り広げるか、注目が集まる。
監督・選手コメント
小倉全由監督
「初回の2点目を監督がもっと貪欲に取りにいかないといけない。試合が終わってすぐに『あそこで1点を取りにいく野球を見せないといけなかったな』と選手たちに謝りました。(侍ジャパン大学代表との壮行試合に向けて)胸を借りて、良い野球ができればと思います。明日は(継投は)1イニングずつではなく、なんとか0点に抑えてくれるようなメンバーで戦いたい」
石塚裕惺(花咲徳栄)
「(4回に二塁打)2死走者なしだったので、自分のスイングをしっかりしようということで初球から振りにいった。変化球が甘いところに来たのでうまく打てました。(遊撃の守備の手応え)昨日の打撃練習の時に守りに就いて、木製バットの打球を見ることができた。自分がやってきた守備を変えずにやるようコーチから言われているので、ボールをよく見ることは意識して、あとは変えずにやっていきます」
今朝丸裕喜(報徳学園)
「(最速148キロを計測)今日は10割で放ってはいないのですが、指にかかっていて、148キロ出たので良い方なのかなと思います。マウンドに慣れている分、打者にも集中しやすかったです(侍ジャパン大学代表との壮行試合に向けて)大学生のトップチームとやらせてもらうので、しっかりゾーンで勝負して、ストレートで空振りや三振を取りたいです」
第13回 BFA U18アジア選手権
大会期間
2024年9月2日~9月8日
オープニングラウンド(グループB)
2024年9月2日(月)14:30 日本 19 - 0 香港
2024年9月3日(火)14:30 スリランカ 1 - 20 日本
2024年9月4日(水)19:30 日本 13 - 0 フィリピン
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
2024年9月6日(金)19:30 日本 1 - 0 チャイニーズ・タイペイ
2024年9月7日(土)19:30 日本 0 - 1 韓国
3位決定戦・決勝
2024年9月8日(日)19:30 日本 1 - 6 チャイニーズ・タイペイ
開催地
台湾(台北、桃園)
出場する国と地域
グループA
韓国、チャイニーズ・タイペイ、パキスタン、タイ
グループB
日本、フィリピン、香港、スリランカ