11月13日、「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」のオープニングラウンドグループBが開幕。侍ジャパンはバンテリンドーム ナゴヤでオーストラリアと戦い、9対3で快勝。大会連覇に向けて幸先良い発進となった。
試合前の始球式には、前回大会で侍ジャパンを優勝に導いた稲葉篤紀元監督(現日本ハム二軍監督)が登板。ストライクゾーンのど真ん中に投げ込み、スタンドから大きな拍手が送られた。
代表初選出で開幕投手に抜てきされた井上温大(巨人)は、今年のMLBドラフト全体1位指名を受けたトラビス・バザーナといきなり対戦。センター前安打を打たれ二盗も許したが、後続を抑えて無失点で切り抜けた。
するとその裏に、打線がさっそく援護。先頭の桑原将志(DeNA)が四球で出塁すると、小園海斗(広島)もセンター前に安打を放ち無死一、三塁のチャンスを作る。ここで辰己涼介(楽天)がレフトへの犠牲フライを放って先制に成功。辰己は「独特な国際大会の雰囲気で先制点が取れて良かったです」と喜んだ。
2回には清宮幸太郎(日本ハム)と坂倉将吾(広島)の安打や四球からチャンスを作ると、小園のファーストゴロの間に1点、3回には相手投手の暴投で1点を加えた。さらに4回には紅林弘太郎(オリックス)と坂倉の連打から作ったチャンスで、小園の打球を相手遊撃手が悪送球。これで2点を追加し5対0と試合の主導権を完全に握った。
2回以降も井上は「普段と変わらず平常心でマウンドに上がることができました」と振り返ったように、キレの良いストレートと変化球のコンビネーションでオーストラリア打線を抑えていき5回まで無失点。6回にウルリヒ・ボヤルスキにソロ本塁打を浴び、バザーナに安打を打たれたところで降板となったが「自分の持ち味を発揮することができてよかったです」と、6回途中5安打8奪三振という内容で上々の国際大会デビューとなった。
この後、2番手の横山陸人(ロッテ)がリクソン・ウィングローブに2ラン本塁打を打たれて2点差まで迫られたが、7回は藤平尚真(楽天)が三者連続三振を奪うと、その裏に森下翔太(阪神)の二塁打と牧秀悟(DeNA)のセンター前タイムリーで1点を追加。井端弘和監督は「2点差だと投手も“走者を出して本塁打で同点”ということがよぎってしまうと思うので大きかったですね」と勝因の1つに挙げた。
続く8回も鈴木翔天(楽天)が三者凡退に抑えると、その裏に四死球から作ったチャンスで森下と栗原陵矢(ソフトバンク)に連続タイムリーが飛び出し3点をダメ押し。
井端弘和監督の戦前の予想通り、オーストラリアは12投手による小刻みな継投を仕掛けてきたものの、打線の繋がり良く13安打9得点を奪った。
そして最終回は清水達也(中日)が三者連続三振に抑えて試合終了。井端監督は大会前から「初戦が難しい。大事になる」と繰り返してきただけに「どんな点差でも勝利をと思っていたのでホッとしました」と安堵の表情を浮かべた。
そんな緊張感の高い開幕戦で好投した井上について井端監督は「これで精神的にも技術的にも1段上がったと思います」と今後の活躍にも期待した。また、打線については「各打者が次に繋がる打撃をしてくれました」と評価した。
この後のオープニングラウンドは戦いの場を台湾に移すため、14日に現地へ移動。15日の韓国戦(日本時間19時から台北ドーム)に備える予定となっている。
監督・選手コメント
井上温大(巨人)
「大事な試合なので、形は悪くても試合を作ろうと思っていたので良かったです。カウント有利で進めることができ、追い込んでからのストレート、スライダー、フォークを低めに集めることができました。(今後に向けて)どんな役割でもチームの勝利に導く投球をしていきたいです」
デービッド・ニルソン監督
「がっかりしています。序盤からつまずいてしまい、自滅してしまいました。(12人の投手起用について)大会に慣れて欲しいという狙いもありました。どのチームも強いですが盛り返していきたいです」
トラビス・バザーナ
「(4打数2安打)素晴らしい投手が相手でもコンスタントに打つことが持ち味です。上手くいくことも、いかないこともありましたが盛り返していきたいです。(井上について)素晴らしい投手でした。高めに浮いてくる球とシュート回転してくる球を狙いました」
ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12
試合日程
オープニングラウンド(グループB)
2024年11月13日(水)19:00 日本 9 - 3 オーストラリア
2024年11月15日(金)19:00 日本 - 韓国
2024年11月16日(土)19:00 チャイニーズ・タイペイ - 日本
2024年11月17日(日)19:00 日本 - キューバ
2024年11月18日(月)19:00 ドミニカ共和国 - 日本
スーパーラウンド
2024年11月21日(木)~ 2024年11月23日(土)
決勝・3位決定戦
2024年11月24日(日)
開催球場
オープニングラウンド(グループB)
バンテリンドーム ナゴヤ、台北ドーム、天母スタジアム
スーパーラウンド・決勝・3位決定戦
東京ドーム
出場チーム
グループA
メキシコ、アメリカ、ベネズエラ、オランダ、パナマ、プエルトリコ
グループB
日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、キューバ、ドミニカ共和国、オーストラリア