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10月2日から台湾で開催される「第28回 BFA アジア選手権」で、2012年の第26回大会以来、2大会ぶりの頂点獲得を狙う侍ジャパン社会人代表の4日間直前合宿。9月27日の2日目は埼玉県さいたま市のロッテ浦和球場で千葉ロッテマリーンズ2軍と強化試合を行った。
田中俊太(日立製作所)を1番、藤岡裕大(トヨタ自動車)を3番に入れて臨んだ侍ジャパン社会人代表は1回表からその上位打線が円滑に機能する。先頭の田中がヒットで出塁。続く2番・佐藤旭(東芝)との間でエンドランを敢行すると、この打球が左前打となって、いきなり無死一三塁のチャンス。ここで3番・藤岡裕大(トヨタ自動車)がきっちりと犠牲フライを打ち上げ、幸先よく1点を先制した。
侍ジャパン社会人代表の攻勢はその後も止まらない。3回表には先頭の9番・若林晃弘(JX-ENEOS)、田中が連打。佐藤がバントで送ると、藤岡が今度は2点適時打を放ち3対0。4回表には、若林がレフトへ2ランホームラン。5回と7回には6番・大城卓三(NTT西日本)が2打席連続で右中間へツーランを放つなど計11得点。「攻撃はいろいろと試している段階」と話す侍ジャパン社会人代表・石井章夫監督だが、大技、小技に機動力も絡めて様々な得点パターンを創出することに成功した。
一方、投手陣は4投手が登板。先発の谷川昌希(九州三菱自動車)は5回を投げて3安打3失点。時折、ライトからレフトへ吹く強風の影響もあって2本塁打を浴びたが、石井監督は「谷川は投げこむごとに良くなるタイプですし、ブルペンでは良いボールを投げているので試合勘が戻れば大丈夫でしょう」と心配はしていなかった。その後、平尾奎太(Honda鈴鹿)、鈴木博志(ヤマハ)、田嶋大樹(JR東日本)とつないだ侍ジャパン社会人代表は11対5でロッテ2軍に勝利を挙げた。
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
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試合を終え、2回を投げて1失点だった3番手の鈴木博志は「自分の真っすぐが、ある程度通用したので自信になりました。ただ、キャッチャーとのコミュニケーションがまだ浅いので、これからしっかりと取っていきたい」とコメント。4番手の田嶋は9回の1イニングを投げ、平沢大河に本塁打を打たれて1失点に終わったが「試合間隔が空いていましたが、真っすぐは走っていたし、変化球も良かった」と振り返り、調整が順調に進んでいることをうかがわせた。
また、この試合で2本塁打の大城は「プロは社会人にくらべてコントロールが一段、上だと感じましたが、ホームランは2本ともバットの芯に当たった感覚がありました」と振り返り、「アジア選手権は、日本の代表として優勝を目指します」と宣言。また、2安打を放った田中は「1番打者として、チームに勢いを与えられるプレーしようと心掛けていたのが、良い結果につながったのだと思います」と話し、こちらも「社会人の代表として、アジア選手権では勝ちにこだわって、戦っていきたい」と抱負を語った。
そして石井監督は各メディアが集まったことにも触れ、「みなさんが集まっていただいたおかげで、緊張感が漂うなかで試合をすることができましたし、結果を出せて良かったです。今日の試合はパワー、スピードがある韓国やチャイニーズ・タイペイを想定しながら野球をすることができました」と、意義のある試合だったことを述べつつ、投手陣の起用法については「谷川と田嶋は先発を考えているが、状況を見ながら後ろでも投げられるようにさせたい」と話し、多種多様なシチュエーションも見据えながらスタンバイさせることを示唆した。
こうして強化試合一戦目を、大会を想定しつつ良い形で勝利できた侍ジャパン社会人代表。9月28日は11時から千葉県船橋市のNTT東日本グラウンドでNTT東日本との強化試合2戦目を行い、さらなるチーム力向上を図っていく。