「第28回 BFA アジア選手権」で2大会ぶり19回目のアジアチャンピオンに輝いた侍ジャパン社会人代表が10月9日夕方に帰国し、優勝記者会見を行った。
2012年の第26回大会以来の優勝を目指し、5戦全勝での完全優勝を果たした侍ジャパン社会人代表。会見には石井章夫監督、主将の佐藤旭(東芝)、ベストナインと最優秀防御率を獲得した谷川昌希(九州三菱自動車)、ベストナインと首位打者を獲得した北村祥治(トヨタ自動車)が出席。それぞれ喜びの声や今後の抱負などを語った。
5試合で計62得点2失点の盤石の戦いで優勝を果たしたチーム。率いた石井監督は「無事に優勝できてホッとしている。日本の野球というのは守りが強いのが持ち味。守り抜いた日本の野球をやった結果がいい成果に結びついたと思います」と優勝の要因を語ると、主将の佐藤は「一人一人がコミュニケーションを大事にやってくれた。プレー中もプレー以外の部分でも意思疎通ができたと思っています。その結果が優勝という形に結びついてくれたかなと思います」とチームの結束を話した。
「谷川投手をはじめ、内野の二遊間をキーに、非常にいい形になったと思います」とチームについて述べた石井監督は、好守でチームを救った守備陣、3試合に登板した谷川に改めて賛辞を贈った。その谷川は先発した韓国戦について「負けられない試合で先発させていただいて感謝の気持ちもあった。田嶋がアクシデントで投げられない状態で、どうにか僕が代わりに投げてチームを勢いづけさせるというのもあった。そういう意味では韓国戦は有言実行ができたのかなという自負があります。野球人生の自信にしていきたいです」と8回無失点の好投を見せた試合を振り返った。
また、決勝のチャイニーズ・タイペイ戦について北村は「最終的に6対1で勝つことができたが、得点が反対になっていてもおかしくないゲームだった。石井監督もおっしゃったように、守り勝つことができた、印象的な試合になりました」と振り返ると、佐藤は「一番プレッシャーがかかった試合の中、ああいう風に力が発揮できたのはいい経験。この舞台で力を発揮できたということは大きな自信になると思います」と述べた。
「こういう舞台で試合を経験させていただいたのは幸せなこと」と感謝の言葉を述べた主将の佐藤は「チームに持ち帰って、自チームでこの経験を活かしていかないといけない。今後の社会人野球を引っ張っていく存在にならなければいけないと思います」と決意の表情を見せた。
2018年8月にインドネシア・ジャカルタで開催される第18回アジア競技大会に出場する侍ジャパン社会人代表。「今大会を制した内容を振り返ってみるとある程度の戦い方のヒントを頂いた。それを元に選手を選考し、強いチームを作ることができれば」と石井監督。「日本の伝統である守り抜くという形は変えずにいきたい」と今大会で得た経験を活かし、1994年以来6大会ぶりの金メダルを目指す戦いが始まる。