今年11月開幕の「第2回 BFA 女子野球アジアカップ」(中国・広東省)に出場する侍ジャパン女子代表の代表選手を選出するトライアウト・最終日がJR東日本野球部柏野球場(千葉県・柏市)で行われた。
昨日に引き続き、北は北海道から南は九州まで全国から集まった41名(投手14名、捕手6名、内野手13名、外野手8名)が午前9時にグラウンドへ集合。キャッチボールやシートノックで軽く体を動かしてから、この日は選手を3チームに分けての実戦練習(紅白戦)が実施された。
実戦練習を前に「1試合につき、試合時間が1時間10分と限られているので、投手は2イニング前後。打者は2打席ほどしか打順が回ってこないことを踏まえ、考えながらプレーしてほしい」と選手に語った長野恵利子監督。さらに「サインは出しませんし、足が速い選手はどんどん盗塁をして構わないので、アピールしてほしい」と声を掛けた。
紅白戦ではトライアウト2日目ということもあり、どのチームも急造ながらチームワークがとれ、ベンチからは大きな声が飛び交った。プレー面でも投打に全力を尽くす姿が見られ、ピッチャーには力強いストレートを武器に力で押す投手、長身から角度のあるボールを投げ下ろす投手、変化球を交えながら緩急を使った技巧派の投手などバリエーション豊かな陣容が見て取れた。打者陣もパワフルなフルスイングで外野手の頭上を越すロングヒットを放った選手もおり、回を重ねるごとに打線は活発になっていった。守備についても、ミスが散見するところはあったが数度にわたってダブルプレーを成立させるなど、U-18とはいえ「さすがはマドンナジャパンを目指す選手たち」とうならせるプレーが随所に見られた。また、各自、自分の特長を活かすため、サインなしながら状況を見て送りバントの構えを見せたり、セーフティーバントを試みたり。なかには、内野ゴロで一塁にヘッドスライディングをして気迫を見せる選手もあらわれ、グラウンドは常に熱気に包まれていた。
実戦練習ではランナーを置いた状況でのピッチングなどもテストされたが、全3試合を終えると改めて全員を集めてミーティングが行われた。長野監督は「この2日間、みんなチャレンジしてくれました。これから審査するのが悩ましいですが、アジアカップを連覇できる代表選手の20名をきっちりと選んでいきます」と話し、「もし落選したとしても、この貴重な経験を活かして次のステップにし、みんなで女子野球を盛り上げられるように頑張ってください」と激励の言葉を贈った。
その後は室内へ移り、国際大会に備えたアンチ・ドーピング研修を開講。さらに肩・ヒジの健診が行われ、選手の健康状態がチェックされ、すべての日程を終えた。
トライアウトを振り返り、「普段から高校生を見ているので、楽しかった」と長野監督。選考についてはコーチが守備位置ごとにチェックをしてくれていたので、それぞれの意見を聞いたうえでピッチャーは7人前後。野手は各ポジション2人を基本に選考していきたいです」とおおまかな内訳を明かし、「優勝を目指すのはもちろんですが、まずはしっかりと戦えるチームを作っていきたい。そのためにはピッチャーはコントロール。内野手は失策をしない守備とバッティングを重視して選んでいきます」と方針を語った。
代表選手の発表は明日の予定。メンバーに選ばれた選手には、チーム全員と各個人向けの課題が与えられ、10月の合宿までは個人練習をしながら、さらに技術を磨くことになる。
第2回 BFA 女子野球アジアカップ
大会期間
2019年11月9日~11月15日
オープニングラウンド
11月9日(土)11:00 日本 16 - 0 インド
11月10日(日)14:00 パキスタン 0 - 38 日本
11月11日(月)20:00 日本 20 - 0 中国
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
スーパーラウンド
11月13日(水)20:00 日本 16 - 1 チャイニーズ・タイペイ
11月14日(木)14:00 日本 18 - 2 フィリピン
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
決勝
11月15日(金)19:00 日本 2 - 1 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
開催地
中国・広東省中山市
出場国
グループA
日本、中国、インド、パキスタン
グループB
チャイニーズ・タイペイ、韓国、香港、フィリピン