3月14日、侍ジャパン女子代表の里綾実(埼玉西武ライオンズ・レディース)が静岡県浜松市で野球教室を開催した。女子野球ワールドカップで2014年の第6回大会から3大会連続でMVPを獲得するなど世界の女子野球を代表する投手が、野球少女たちを熱心に指導した。
午前に野球初心者や小学校低学年を対象、午後は小中学生を対象に指導した。
「久々の野球教室でしたので楽しみにしていました」と話す里は「なるべく噛み砕いて分かりやすく、接しやすいようにこちらから近づいていくことを大事にしました」と、レベルや特徴の違う参加者一人ひとりの目線に合わせて丁寧に助言を送った。
「上手く投げられたり捕れたりするようになっていく姿や、自信の無さそうだった子が楽しくなって自信を持つようになったりする時が何度もあって嬉しかったです」
「純粋に上手くなりたいと野球だけのことを考えて、毎日グラブを触っていた時期を思い出しました。初心にかえれて励みになりました」
里はそう声を弾ませたように、子供たちの吸収力の高さや素直な反応に大きく刺激を受けたようだ。
大会7連覇と自身の4大会連続MVPを目標としてきた第9回 WBSC女子野球ワールドカップ(メキシコ・ティファナ)は、当初2020年の開催予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い2021年3月に延期。さらに今年に入り2021年後半を目処とした再延期が決まるなど先行きが不透明な状況が続いている。
それでも「開催された時に、みんなが驚くほどの進化をしてやろうと思ってやってきました」と前を向く。昨年の自粛期間中に励んだトレーニングの成果により、「パワーと技術が噛み合い理想のイメージに近い形で投げられるようになってきています」と手応えも感じている。
「みんなで女子野球を盛り上げて、もっと良い環境が作れるように頑張りたいです」と日頃から考えているだけに、この日の野球少女たちの純真な姿は、今後のさらなる活躍を目指す里にとっての大きな活力となった。