8月30日、「第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(9月9日からアメリカ・フロリダ州で開催)に出場する侍ジャパンU-18代表の国内合宿の3日目が行われた。この日は下級生中心の立教大と対戦し、5対1で勝利。初の実戦を白星で飾った。
先発のマウンドに上がったのは生盛亜勇太(興南)。四球こそ出したものの次の打者を併殺に打ち取り上々の立ち上がりを見せる。するとその裏、打線が猛攻を仕掛ける。
先頭の浅野翔吾(高松商)が初球を逆方向に弾き返すと右中間を破る二塁打に。続く黒田義信(九州国際大付)が進塁打を放って浅野を三塁に進めると、松尾汐恩(大阪桐蔭)が四球を選び1死一、三塁とチャンスを拡大。ここで4番の内海優太(広陵)がライト前に運んで浅野が生還し、先制に成功した。さらにその後も伊藤櫂人(大阪桐蔭)、安田淳平(聖光学院)、赤堀颯(聖光学院)のタイムリーや相手失策で、初回だけで5点を奪った。
馬淵史郎監督は「浅野の二塁打がチームの雰囲気をワッと上げてくれました」と話し「相手の失策が無くても3点は取れていたと思いますし、7イニング制ということを考えると(初回の得点は)大きいですよね」と初回の連打を一番の収穫に挙げた。
また、高校通算67本塁打を放っている浅野の打順については「1番で核弾頭になってくれればと思います」と構想を明かした。
5点の援護を受けた生盛は2回を三者凡退に抑えると、3回は連打からピンチを招くが、内野ゴロの間の1点のみに抑えた。
2番手としてマウンドに上がった川原嗣貴(大阪桐蔭)は毎回走者を出しながらも力強いストレートを武器に後続を抑えて3イニングを無失点に抑えた。最終7回は捕手登録ながら投手もこなす野田海人(九州国際大付)が登板して無失点に抑え、5対1で試合が終了した。
試合終了後は1イニングのタイブレーク(無死一、二塁から開始)の練習を行なった。
馬淵監督はこの試合について「選手の力量や調子をまだ100パーセント把握しているわけではなかったので、いろんなサインを出しながら試合をしました」と振り返り、エンドランのサインが出された場面での安打で三塁に行けなかった場面などを反省点に挙げた。バント処理でミスがあった場面もあったが、そこについては「9月2日(練習日)にしっかりやりたいです」と時間を設けて取り組むという。
収穫については前述の初回の連打に加え、安田淳平(聖光学院)の対応力の高さなどにも触れ、「現有戦力である程度戦えると思いました」と手応えを掴んだようだ。
31日は千葉県のZOZOマリンスタジアムで開催される「侍ジャパンU-18壮行試合 高校日本代表 対 大学日本代表」(18時開始予定)に臨み、先発投手には技巧派左腕の香西一希(九州国際大付)が予告された。
U-18代表が世界一を争う舞台を前に、格上の強豪に対してどのような戦いを見せるのか注目だ。
選手コメント
浅野翔吾(高松商)
「対投手で木製バットを使うのは初めてだったので、慣れようと意識して試合に入りました。高松商でも1番を打って出塁率を求めてやってきたので侍ジャパンでもたくさんチャンスを作れればと思います。(U-15代表に続く連続選出だが)また違ったレベルの高さなので学ぶことばかりです。松尾がボールを全然振らないので勉強になります。U15アジア選手権では初めて140キロを超えるボールを見ましたが対応できたので、今回も海外投手の球をしっかり対応できるようにしていきたいです」
松尾汐恩(大阪桐蔭)
「初回の連打は良かったのですが、その後は相手の投手のペースにハマって自分たちのバッティングができませんでしたし、守備でもミスがあったのが反省です。3人の投手と組ませてもらって、いろんなことを感じることができました。どんな状況でも冷静に対応することや投手心理を考えてリードすることを心がけています。本番まで日程が少ない中で投手陣とコミュニケーションをしっかり取っていきたいです」
野田海人(九州国際大付)
「登板は夏の福岡大会の準々決勝以来でした。普段、投手の練習は週に1回か多くて2回です。ここに来たときに捕手も投手もやるつもりできたので、任された中でチームの勝ちに繋がればと思います。(壮行試合に向けて)香西は打たせて取るピッチングが持ち味なので、どこまで大学生に通用するか見ていきたいです」
第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2022年9月9日~9月19日
オープニングラウンド
2022年9月10日(土)4:00 イタリア 0 - 6 日本
2022年9月11日(日)8:00 メキシコ 1 - 4 日本
2022年9月12日(月)8:00 日本 5 - 4 パナマ
2022年9月13日(火)8:00 日本 10 - 0 オーストラリア
2022年9月14日(水)8:00 日本 2 - 9 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
スーパーラウンド
2022年9月16日(金)5:00 韓国 8 - 0 日本
2022年9月17日(土)5:00 日本 1 - 0 オランダ
2022年9月18日(日)22:30 アメリカ 4 - 3 日本
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
3位決定戦
2022年9月19日(月)4:00 韓国 2 - 6 日本
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
開催地
アメリカ(フロリダ)
出場する国と地域
グループA
アメリカ、韓国、オランダ、カナダ、ブラジル、南アフリカ
グループB
日本、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、オーストラリア、パナマ、イタリア