6月17日、神奈川県平塚市のバッティングパレス相石スタジアムひらつかで侍ジャパン大学代表の選考合宿が始まった。3日間の日程で行われる今合宿には、全国の大学から選ばれた精鋭49名が参加。7月7日から13日にアメリカで2019年以来4年ぶりに開催される「第44回 日米大学野球選手権大会」に出場する26人を選ぶことになる。
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
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気温30度を超える真夏日となった中で始まった練習は冒頭、2019年から大学代表チームを率いる大久保哲也監督(九州産業大監督)から「リーグ戦、選手権の結果からこのメンバーを選んだ。実力にそこまでの違いはない。とにかく自分をアピールしてもらいたい」との言葉。過去43回中、アメリカで実施された大会は22回あるが、日本が勝ち越したのは2007年の第36会大会の1度のみという事実を取り上げ、「何とかアメリカの地で優勝したい。そのために強いチームにしていきたい」と選手たちに発破をかけた。
その後、ウォーミングアップからキャッチボール、トスバッティングを経て、シートノックを実施した。全員が気合の入った声を張り上げながらレベルの高い守備、スローイングを見せる中、遊撃手の位置に入った宗山塁(明治大)、さらにこの日の日替わり主将に指名された辻本倫太郎(仙台大)らが華麗なグラブさばきを披露した。その後、投手陣は2、3日目の紅白戦に向けた調整を行い、野手陣は5班に分かれてのフリー打撃、さらに50メートル走の計測(光電管を使用した測定)が実施された。


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毎合宿恒例となってきている50メートル走では、高い身体能力を持つ宮崎一樹(山梨学院大)が、昨冬の松山合宿で叩き出した記録(5秒91)からタイムを落としながらも、今メンバーでもトップの5秒94をマークして“スピード王2連覇”を達成。さらに飯森太慈(明治大)も「自分のアピールできる部分は足しかないですから」とトップタイの5秒94で走り抜けて俊足ぶりを見せつけた。この2人に続いて、中島大輔(青山学院大)も僅差の5秒96のタイムを記録し、この3人が5秒台をマークした。
最後は、この日キャプテン役を務めた辻本が、「また明日元気一杯で頑張りましょう!」と締めて初日の練習が終了した。大学代表経験者も多く、スタッフ陣も含めて和やかな雰囲気が印象的だった。だが、あくまでも選考合宿。2日目となる明日は紅白戦を2試合、最終日にも紅白戦1試合を行う予定で、その中で選手たちのアピール合戦が展開されることになる。
監督・選手コメント
大久保哲也監督
「今日は50メートルを測定しましたが、みんな6秒1前後で走ってきている。一番速かったのは、宮崎君と飯森君だったみたいですけど、ある程度の脚力はみんな持っている。(侍ジャパンのトップチームと女子代表が優勝し)大学代表だけ置いていかれないようにしないといけない。なかなかアメリカの速いボール、動くボールに(打者が)対応するのは難しいと思っている。やはり、投手を中心に最少失点に抑える野球をやりたいですし、相手を3点以内に抑えてくれればと思います。それなりの得点力はある。そこに機動力を使っていくという形になって行くと思います」
宮崎一樹(山梨学院大)
「(50メートル走は)1位を狙いに行きました。前回の記録を越えられなかったことは悔しいですけど。今年はWBCがあって、あのユニホームを着たいという気持ちはとても強い。明日、明後日の紅白戦では絶対に打ちたい。自分の中で苦手にしている分野はないので全部を見てもらいたい。一つ挙げるなら肩ですね」
飯森太慈(明治大)
「緊張もあって自分の思い通りに行かなかった部分をありましたけど、周りのレベルの高いプレーを見ることができて、すごく勉強になりました。(50メートル走は)もうちょっと速いタイムを出せたかなと思いますけど、全体の中では良かったのでアピールはできたかなと思います。自分のアピールできる部分は足しかないですから。でも実戦の中での方がアピールできる。明日、明後日の試合形式の中でも頑張りたい」